【登場人物】
伊400
期待の新人、401のお姉さんらしい
佐渡
期待の新人、クリスマスにはベ●ブレードが欲しい
対馬
期待の新人、危険が危ない
涼月
期待の新人、あったよ!涼月と10cm高角砲+高射装置が!
木曾(5)
ルックスもイケメンの中二病、姉ちゃん達が怖くて仕方ない主人公属性の塊
「潜水空母の伊400、しおんです」
「ふむ、潜水空母かね…」
秋の作戦海域も終わり、灰皿が撤去されてしまったゴキゲンな執務室で今日は新たにチームに加入した新人の面接が行われていた…
「え〜…伊400クンはアレかね?伊401クンのキョーダイか何かかね?」
「あ、はい、キョーダイ…?姉妹です、姉の方です」
「ふ〜ん」
書類を見るに、性能的な数字は401クンと似たようなアレって感じか、まぁまぁ優秀な感じじゃないかな、うん
「わかった、400クンは開幕一軍入りなのだよ」
「ホントですか!?え…?いきなり?え?いいんですか?」
「モチロンなのだよ、ウチは潜水艦の娘は特に実力派エリートとして厚い待遇で歓迎しているのだよ」
安心の四交替、無理のないシフト、小破以上のキズには即治療、長期休暇有り、アットホームな雰囲気の職場で優しいセンパイ達が丁寧に仕事を教えてくれるホワイト環境は伊達ではない
「今日は潜水艦のカス………潜水艦のセンパイ達に挨拶するとして、明日から頑張ってくれたまえ、君には期待しているのだよ」
「あ、はい…ありがとうございます」
潜水空母の400クンはヘコヘコと頭を下げて退室した…
どうやら401のバカと違ってまだまともな感じだと言う事に提督的には安心したね、だいたい、潜水艦は実力派エリートだがどこか頭のボルトが摩耗しきったプッツンヤローが多い気がするしな…
ーーー
いきなりまともな人材だったな、今日は幸先良いスタートな気がするぞとスゲーワクワクしていると、秘書艦の青髪ロング子が俺の机に湯呑みと同時に二組の書類を置いた
「次は二人同時でお願いします」
「え?やだよめんどくさい」
「めんどくさいかもしれませんけど、海防艦の子二人ぐらいまとめて下さいよ」
「海防艦………だと?」
海防艦、それは声をかけるだけ事案発生、視界に入れるだけで犯罪者の烙印を押されかねない脅威の艦種…
一応、全員が潜水艦キラー的なエッヂの効いた特徴は持ってはいるものの、それ以外の性能は全て残念だ
「オイオイオイ、ウチをなんだと思ってんだ?あ?海軍なめてんのか?上はウチをキンダーガーデンかなんかと勘違いしてんじゃねぇのか?なぁオイ?五月雨クンよォ?」
「私に言われても知りませんよ」
五月雨は俺に対してまったく容赦する様子もなく、次の方どうぞーと扉の向こう側に呼びかけると、扉が開き、なんか小さいのが入って来た
「択捉型の佐渡さまだー」
「択捉型の七番、対馬はここに…」
あー………うん、間違いなくアレだ、これはちょっと肩が当たるだけで逮捕待った無しのゴキゲンなアレだ、択捉型?択捉型って言ったか?択捉ったらアレだよな、あの択捉だよな、間違いない
「えー…海防艦な、はいはい海防艦、よし、面接おわり!帰っていいぞ」
俺は書類を一瞥だけして机の前に並んだガキ2名に帰ってよしと努めてスタイリッシュに伝えてやった
「マジか!?」
「これは対馬も予想外…」
「マジかー!?おっさん!マジか!」
「おっさんじゃない、提督だ、だいたいオマエなんだその口の利き方は、言っとくが俺は女子供でも容赦なくケツをひっぱたく男だからな」
新しい海防キッズのなんか頭の悪そうな方がマジかーマジかーとうるさいので俺はガツンと言ってやる、こーゆーのはアレだ、最初にガツンと言ってやらないとこのぐらいのナマイキな年頃は調子に乗るからな…
「いいかクソガキ、この基地に所属する全ての艦は俺のファミリーであり俺の所有物だ、俺だけがいじくる権利を持っている」
「違うね!全ての艦娘は佐渡さまの敵であり佐渡さまの所有物だ!佐渡さまだけが壊す権利を持っている」
………コイツ、ただのナマイキッズのクソガキ様かと思ったが…
「海防艦佐渡さまか、フッ…その名は覚えておく」
「イヒッ!!」
俺と佐渡さまは互いに感じた確かな何かを確信し、ヘヘッっと照れ臭さそうに笑い合った、そしてその俺達のやりとりを見ていたもう1人の子は、ドSサミット…?とつぶやきながら俺達に若干引き気味だったがそんな事は雑事に過ぎない…
「南方航路は危険がいっぱい…鎮守府も危険が…いっぱい?」
ーーー
「最後は駆逐艦の人です」
「ほぉ、今回は戦艦だか空母だかは居ないんだな」
将来が楽しみな海防艦の佐渡さまと、なんか大人しめなの対馬?対馬だったかが退室し、今日の面接は次で最後らしい、五月雨は次の方どうぞーと扉の向こうに伝えるとキチンとノックした後、新しいメイトが入室してきた…
「秋月型防空駆逐艦の三番艦、涼月です」
「秋月型か…」
…なんか白いな、うん、コイツは白い、うん、秋月姉妹の例に漏れずに美形だが…うん、白い
「三番ってコトは秋月と照月の妹で初月のねーちゃんか」
「そうなりますね、他にも妹はいますが…」
「ふ〜ん」
手元の書類を見るに、他の姉妹同様にごくごく平均的な数値か、まぁ、秋月型に関しては破格の対空性能と言う素晴らしい長所があるので大歓迎だ、秋月型と言えば海域攻略の道中、煩わしいタコヤキみたいなヤツやキモい鳥に悩まされる俺達を“あったよ!●月と10cm高角砲+高射装置が!→でかした!”の流れでなんとかしてくれる頼れる姉妹だ、その対空力はまるで丸太のような安心感であり、俺達にとってのエクスカリバーに等しい
「まぁ、最初は下で徹底的に鍛える感じだが君ならすぐに開幕一軍入りは間違いないだろう」
「期待して頂きありがとうございます、ガンバリます」
「うむ、その意気や良し!熱意や良し!」
ーーー
「さて、今回はこれにて終了か」
「そうですね、お疲れ様でした」
「まったくだ、オイ、お茶淹れてくれや、お茶、アツいの」
ここ最近は新人の配属が六人だの七人だのやたら多かったり、海外からのワケわからん刺客が多かったりと無駄に疲れてただけに今回はやたらとアッサリ終わったな、まぁ、良いコトだ、よし!今日はもう仕事あがりにしてちょっと飲みに出かけ……
「大変だァァァァァァ!!テイトク!大変だァァァァァァ!!」
執務室の扉が勢い良く開き、漆黒の外套に身を包み、禁断の力を手にしたダークナイト(自称)、ルックスもイケメンの木曾が転がり込んで来た
「よぉ木曾、どーしたよ?」
「お疲れ様です、木曾さん」
「ハァ…ハァ…み、水を…」
五月雨から受け取った湯呑みをイッキに飲み干し、ようやく落ち着いた木曾は大きく息を吐いた
「大変だ!提督!」
「何が大変なんだよ?アレか?また球磨ねーちゃんか?球磨ねーちゃんなんだろ?」
昨年、部屋に見た事のないサンタルックの美少女がいると言って駆け込んできた木曾、俺はその場に居た天龍と一緒にそんなワケねーだろと木曾の住む球磨姉妹の部屋に行くと、部屋には見た事もないサンタルックの超絶美少女がいた、いや、マジで
後に、あの超絶美少女は誰だったのか、俺達は三人揃って悪いユメでも見たんじゃないだろうかと木曾の部屋で真剣に話し合っていると、球磨ねーちゃんから“オマエらそこに並べ、正座しろ、正座”とメチャメチャ怒られ、あの超絶美少女の正体が球磨ねーちゃんだったのだと薄れゆく意識の中で理解したんだっけか…
「球磨ねーちゃんじゃないんだよ!や、球磨ねーちゃんも今年もサンタ服着てるけど……でも違うんだよ!球磨ねーちゃんじゃないんだよ!なんか知らない超絶美少女なんだよ!」
「木曾、木曾、木曾よぉ〜…お前疲れてんだよ、ナニか?部屋に帰ったら見知らぬ超絶美少女がってナニか?主人公かオマエは?ナニか?オマエアレだよ、ラノベの読みすぎなんだよ、イマドキ流行らねーぞそんなベタ展開」
「ホントなんだって!マジで!マジで知らない美少女なんだよ!にゃーとか言ってんだよ!」
「バカ言ってるんじゃないよこの子は」
とりあえず、俺と五月雨は木曾と共に球磨姉妹の部屋へと行ってみる事にした……コイツ、イケメンのくせにとんだヘタレだな、部屋に見知らぬ超絶美少女とか迷う事なく即ファックだろ、もうヤってくださいって誘ってるようなモンだぞ
「…開けるぞ」
「モタモタすんな」
球磨姉妹の部屋の前へとやって来た俺達、木曾は何かを覚悟したかの如く気合を入れ扉を開く…ッッッ!!
「む、木曾、やっと帰ってきたにゃ……寒いから灯油買ってこいにゃ」
………え?誰この超絶美少女?
「…ん?テイトクと髪長子も居るにゃ?珍しい…」
「どーよ?テイトク!?どーよ?ダレよこの美少女?」ヒソヒソ
「ちょ…ちょ!待てよ、え?美少女…?え?美少女…?え?なんなの?オマエどんな関係?なんなのあの超絶美少女」ヒソヒソ
「や、アレ、多摩さんですよ」
ナニ言ってんだこの青髪ロング子は、イカレているのか?アレが多摩ねーちゃん?ハハ…ないない、それはない
「………多摩は球磨ねーちゃんより優しいけど、怒る時は怒るにゃ、木曾と提督、ちょっと後でツラ貸すにゃ」
次回から通常運転
来週から年末までなにやら忙しいけど、できるだけ書いてみます、はい