不健全鎮守府   作:犬魚

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今日は珍しく二本立て、決着!姉妹のTAGMATCH!

【登場人物】

扶桑(7)
扶桑姉妹の姉、今回の怒りのフィニッシャー

海峡夜棲姫-壊-
海峡姉妹の山城似の妹、タフ&ハードなしつこいやつ


あの海峡の先へ──②

死闘が続くスリガオ海峡沖…

 

『死ネェェェェェェェ!!!!』

 

「ドヘァァァァ!!!」

 

海峡姉妹の殺艦フェイバリット、FUKO↓LAPが山城に炸裂し、山城が戦線を脱落、しかしそれと同時に海峡姉も力尽きたのか、海峡姉も後事を海峡妹に託して戦線を脱落した…

 

『…フフフ、アナタト一度、胸ガスクヨウナつーぷらとんヲ決メテミタカッタノヨ…』

 

『嗚呼…アァァア……姉様、後ハ、後ハコノ妹ニオ任セクダサイ……』

 

『…フフフ、フフフフフ………ウゲェ!?ガバァ!!』死ーン

 

『姉様ァァァ……アアア!姉様ァァァァァ!!』

 

最愛の海峡姉を失い、怒りと憎しみの炎を燃やす海峡妹は決意を新たにオマエラ全員マップタツにしてやんよーッ!と気合い十分に吠え、急襲の飛び蹴りを扶桑めがけて放った………しかし!

 

「…この足は、なに?」

 

『ウゲェ!?ナ……ナンダトォ!?』

 

「…この足が山城を蹴った悪い足ね」

 

扶桑は片手で受けた海峡妹の足を躊躇なく折り、海峡妹はウッギャアー!と叫びながら海面をのたうち回った

 

「ふ…扶桑サンが怒っているっ!」

 

「そうか、最愛の妹を大破KOに追い込まれた事であの扶桑サンの逆鱗に触れちまったんだ…」

 

「ククク、死んだぞテメー…」

 

普段、とても穏やかで優しくその尊さたるや菩薩とまで謳われ滅多な事で怒ることはない………いや、むしろチーム西村艦隊の仲間達ですら見た事のない戦艦扶桑、菩薩面転じて修羅の顔が今、スリガオ海峡に降臨した

 

「…ふふふ、悪い子ね…悪い子ね」

 

『ウゲェ!?』

 

扶桑は海峡妹の後首を掴みボディに膝蹴りを連打して執拗なダメージを与え、再び海面な投げ捨て、強烈なサッカーボールをキックを叩き込んだ

 

『ウボァ!?……ヒッ!ヒイィ……姉様ァ…タスケテェ……姉様ァァァ…』

 

【海峡妹……海峡妹、私の可愛い海峡妹…】

 

『嗚呼…姉様』

 

【ガンバ!】ニコッ

 

海峡妹は見えてはいけないイマジナリー姉様の幻影に手を伸ばし助けを求めたが、その手を優しくとったのは今や阿修羅と化した扶桑だった…

 

「…ふふふ、さぁ、これでフィニッシュよ…っ!」

 

『ゲ、ゲェーッ!!アノ技ハーッ!!』

 

『五所蹂躙絡ミ!イヤ!サラニ艤装ノ砲塔ヲ使イ手脚ヲ完全ニロックシテイルーッ!』

 

所謂、キン●バスターの型で飛び上がった扶桑、さらに!

 

「いや!さらに両足を使い首をロックしたーッ!」

 

「うぅむ…まさに完璧!完璧なバスターだ!!」

 

究極の名を冠する21世紀の究極爆裂弾、アルティメット扶桑バスターが今、海峡妹にトドメを刺すべく勢い良く落下を始めた

 

「せりゃああああああ!!」

 

『ウギャアアアアアアアア!!姉様ァァァ!タスケテー!姉様ァァァ!!』

 

「…や、やましろ?」

 

『嫌ァァァァァァ!!姉様ァァァ!姉様ァァァァァァァァァ!!』

 

姉様助けてと叫ぶ海峡妹に山城を重ね、ほんの少し動揺したのか、アルティメット扶桑バスターの両足のロックが少しだけ緩んだ…

 

「あーっと!無秩序!無軌道!無慈悲の権化、扶桑が泣いているーッ!」

 

『ヤハリ非情ニナリキレナインダー!』

 

しかし、もはや海峡妹にアルティメット扶桑バスターから抜け出す体力はなく、究極爆裂弾が海面に被弾し、海峡妹は全身を砕かれ反吐をブチ撒けた

 

「せりゃああああああ!!」

 

『ゴバァ!!』死ーン

 

『海峡妹ーッ!』

 

『海峡妹ーッ!』

 

この瞬間、チーム西村艦隊の扶桑姉妹とスリガオ海峡戦艦姉妹のタッグマッチは決着となり、驚異のタフネスを誇った海峡夜棲姫は深海へと沈んでいった…

 

4ゲージマッチ

扶桑姉妹○-海峡夜棲姫● アルティメット扶桑バスター

 

「…終わったわ」

 

「やったよ扶桑サン!」

 

「さすが扶桑サンだ!」

 

遂にスリガオ海峡を守る敵を沈めたチーム西村艦隊…

喜びに包まれたチームの輪に、扶桑はどうしていいのかわからずに戸惑いを浮かべていたその時…

 

「ふ……ふふふ、さすが姉様」

 

最上の肩を借り、山城がニヤリと気色の悪い笑みを浮かべて歩いてきた

 

「山城!?大丈夫なの?」

 

「ふふふ……死に損なったみたい、どうやら私、地獄の鬼にも嫌われているようです」

 

「…滅多な事を言わないで頂戴、さぁみんな、帰りましょう」

 

さぁ帰ろう、その空気の中、1人、時雨だけはまだ雨は止んでいない事に気付いていた

 

「………いや、そうもいかないみたいだよ」

 

「え?」

 

「まだ隠れているヤツがいる」

 

◆◆◆

 

「なんだとォ!?あの海峡姉妹がBOSSではないと言うのか!?」

 

「そうらしいですね」

 

受話器を机に叩きつけ、再びテレビに視線をやるとスリガオ海峡の最奥に現れた新たなる敵の姿…っ!なんだコイツは…?なんだってんだYO!まさかあの海峡姉妹のバックに真のラスボスが控えていたとでも言うのか!?

 

「え〜っと、一応、調べによると防空埋護姫って名前の人みたいてすね」

 

「は?防空…?え?防空なんだって?UMRさん?」

 

「埋護姫らしいです」

 

「………なんかよくわからんが、防空って付いてるからにはあのイタクシテヤル姫の親戚かなんかか?」

 

「たぶん」

 

まさか真のボスがいる系とは………ヤツらめ、どこまでも俺をアツくしてくれるじゃないか




イベント海域最終回、真のラスボスUMAじゃないよUMR

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