不健全鎮守府   作:犬魚

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秋のイベント編開始の巻

【登場人物】

提督(187)
大尉、夏から秋にかけて、メイドインUSAのボイン空母を誘うのに入れ込みすぎてボーキの5分の3を失った

五月雨(56)
ほぼ専業秘書、もう3年近く出撃した覚えがない


続続続続・提督と作戦とミーティング

「えー…皆さん、今回は今年を締めくくる大事な大事なゲームになります、一部の皆さんは既に、先日から並々ならぬやる気に溢れているらしく、提督も皆さんの熱の入った練習風景を見て、今回のゲームは皆さんの日頃の練習の成果が遺憾なく発揮されるであろうと確信しております、えー…話は変わりますが、先日、私が公園を散歩をしていますと木々が紅葉しておりましてね、日々冬の足音が聞こえてくるような…」

 

「うるせー!!引っ込めー!!」

 

「堂々と遅刻して来てエラそーに喋んなボケェ!!」

 

「まず謝れやオッサン!!」

 

珍しく上から情報がちょいちょい小出しにされていた秋の本部作戦が開始される今日この頃、恒例の全艦集会に集まったバカどもの前で壇上から提督からの有難い話をしていると短気でアホンダラなバカどもからヤンチャな声が挙がった

まったく、ちょっと遅刻したぐらいでコレだよ、だってほらアレだよ、アレ、確変終わんねーのが悪いんであって、俺は悪くない

 

「うるせぇ!!ブチ殺すぞ!ゴミらめ…っ!」

 

まったく、どいつこいつも偏差値低めの不良偏差値高めのバカどもめ…目上の者に対してなんてシツレーなヤツだ、俺の心が寛大でなければ全員一人づつ超人絞殺刑でアヘ顔にして失禁KOしてやったのだよ…

 

ーーー

 

「茶、アツいの」

 

「はいはい」

 

「ハイは一回だよ青髪ロング子が」

 

開戦のご挨拶を済ませ、執務室に戻った俺は机の引き出しからお客様用のガラス灰皿を取り出して机に置き、早速タバコに火を点けた

 

「フーッ〜…あー殺したいわー、メチャメチャ殺したいわー、深海のクソどもを」

 

「お茶です」

 

「ありがとう…………ゔっ!熱いッ!!」

 

「アツめですからね」

 

湯呑みの中でもお茶がフットーしちゃっているとは、大した温度だ…

五月雨はお茶と一緒に本部から送られてきた今回の作戦海域についての詳細の書かれた書類を置いたので手に取って眺めてみた

 

「捷号決戦!邀撃、レイテ沖海戦(前篇)か……なんだよ、前篇って?え?舐めてんのか?」

 

「さぁ?まぁでも、前篇があるってコトは後篇もあるんでしょうね」

 

「ナニが前篇だよカッコつけやがって、アレか?流行りの分割商法ってやつか?一作でまとめりゃいいモンを薄めて伸ばして毎回ランダムの特典付けてお目当てが出るまで何度も何度も通わせて骨までしゃぶり尽くす鬼畜の商法ってやつか?」

 

「さぁ?」

 

青髪ロング子はわりとどうでも良さげに相槌を打ちつつ冷蔵庫からオレンジジュースのペットボトルを取り出してグラスに注いだ

 

「フーッ〜…」

 

「窓開けますよ」

 

「やめてくれ、寒いじゃないか」

 

「ケムいよりマシです」

 

何がケムいよりマシだよ、まったく、喫煙者に住みづらい世の中になったものだ

 

「まぁいい、とりあえず初戦はなんだ?また五十鈴さんとユカイなヤンチャボーイズ達の出番か?」

 

「う〜ん、今回はいつもとちょっと違うみたいですよ」

 

「あ?」

 

ナニ言ってんだコイツ?イカレているのか?いつもとちょっと違うって……とりあえず、作戦海域の詳細を見てからスターティングメンバーを………?

 

「………うわ、なんだコレ?超メンドくせぇ」

 

「いきなり超メンドくさそう感が全開ですよ」

 

「…はぁ、まぁいい、とりあえず開幕スタメンでも考えるか、サミダストくん、コーヒーくれ、缶コーヒー」

 

「五月雨です、缶コーヒーなら冷蔵庫に入ってますよ」




次回、第二遊撃部隊、抜錨!①

妾の舞を見て生き残ったものはおらぬ

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