【登場人物】
提督(171)
無責任の極意とは何だろうと朝から考えている大人
青葉(2)
青葉型の1番、死んだ魚のような目をしている
鎮守府内に存在する煌びやかな光を放つ夜の店、ナイトクラブHO‐SHOW…
『HO‐SHOWへようこそロミオー!』
軽空母、鳳翔がオーナーを務めるこの店は決して、キャバレーナイトクラブ、略してキャバクラではない
薄い酒と安いツマミをおっぱいの大きな女が勧めてくるだけの店だ…
「フーッ〜…どうだい?秋刀魚釣りは?」
「ボチボチじゃねぇの?っーか秋刀魚漁とか興味ねーし、意味わかんねーし」
「そーゆーコト言ってるから昇進出来ないんだよ、ボーイ」
「ボーイはやめてくれよ、っーか秋刀魚漁で昇進とかしたくねーし、漁業長とかなりたくねーし」
ママとの小粋なアイサツをしつつ、俺は胸ポケからタバコを取り出してテキトーに空いているテーブルに座り、置いてあった基地スポを手に取った
「フーッ〜……大鯨ホエールズ連夜の逆転劇、悪夢の4連続アーチか…」
「どもっす、青葉です」
「ん?あぁ、また珍しいのが出たなオイ、まぁ座れ座れ、ほら、ここ空いてるぜ」
今宵、俺を楽しませる為にテーブルに来た刺客はいつも死んだ魚みたいな目をしていると定評のある重巡、青葉
ワリと前からウチの居るのだがその生態には謎が多く、わかっている事は衣笠さんのお姉さんであるコト、基地スポを編集しているコト、愛用のカメラは撮りっきりコ●カであると言うコトぐらいだろう…
「どもっす、キョーシュクです」
「今日はなんだ?小遣い稼ぎか?それとも夜の店に潜入取材か?」
「んー、小遣い稼ぎ半分潜入取材半分ですかね、なんかいいネタないですか?最近基地スポがちょっと寂しいんですよ」
「いいネタか、そうだなぁ〜…青葉ヘ●解禁ぐらいしてみたらどうだ?」
「やですよ、ってか私生えてないし、青葉パイ●ンです」
「女の子がパ●パンとか言うんじゃないよ、なにサラリとトンデモねーコト言ってんだよテメーは」
「今の時代、女の子だって普通にパイ●ンぐらい言いますよ、アレですか?提督的には女の子はやっぱ恥じらいとか慎み持ってないとダメとかゆー前時代的なアタマの固いアレですか?」
「誰がアタマの固いアレだ」
小粋なトークを交えつつ、とりあえず俺はいつものビールを注文し、いつものオリ●ンビールの瓶を取り出した青葉は妙に手慣れた手つきでビールをグラスに注いだ
「青葉も一杯頂いていいですか?」
「いいぞ、その微妙なオパーイ揉ませたらな」
「微妙じゃないです恐縮してるだけです、あ、別に揉んでもいいですけど写真撮りますから出来るだけゲスな顔でお願いします」
「ゲスな顔な」ニマァ…
「あ、いいですねー!イイ感じですよ!イイ感じに清廉可憐なカノジョに変態プレイを強いてる鬼畜眼鏡っぽいです!」
とりあえず、青葉の撮りっきりコ●カのレンズを指で突いて破壊し、俺はテキトーに高くないのにしろとだけ言ってやると、青葉はテキトーにあまり高くないカシオレを作り、俺たちはそれじゃお疲れーとグラスをぶつけ合った
ーーー
「あ、サンマどんな感じですか?サンマ、青葉まだ今年はサンマ食べてないんですよ」
「ぼちぼち獲れてるんじゃねぇの?よく知らねぇけど」
「なんで知らないんですか、責任者!一応この基地の責任者!」
「バカヤロウ、責任者ってのはだいたい知らなかったで済むんだよ、下が勝手にやりました、管理が行き届いてなかったんでこれからはちゃんとやります、てへっ♪って言ってちょいと頭下げりゃいいんだよ」
この腐敗と自由と暴力の蔓延する基地ではまともな奴ほどFeel so bad、正気なヤツほど運がいい
「なるほど、まぁたしかにそれもそうですね」
「だろ?オマエはハナシのわかるヤツだと思ったよ、尻を撫でてやろう」
「やめてくださいよ、そう言って青葉の尻を撫でるフリして唐突にケツ穴に指を突っ込むつもりなんでしょ?やめてくださいよー」
「突っ込まねーよ、俺をなんだと思ってやがる」
「提督?」
「提督じゃない、提督だ………む?合っていたか」
さすがは青葉、俺の小粋なテイトクジョークに付き合っても目に光が宿らない心の壊れたヤツなだけはある、大したヤツだ、だが、提督としてはオマエのそのケツ穴に異物をブチ込んだら目に光が宿るのではと期待しているのだよ
「なんですか?その目は?あ、アレですか?青葉をメチャメチャにしたいんですか?」
「まぁ、それが半分だな」
「ではもう半分は?」
「オマエ、よく見るとアザラシみたいな顔だなと…」
「アザラシと青葉に謝ってください」
とりあえずアザラシと青葉に深い哀悼の意を示し、ついでに俺の焼酎と青葉のカシオレを新たに注文し、俺たちは軽快かつオシャレなトークを継続する事にした
「提督、小腹空きません?小腹」
「ん…?あぁ、まぁボチボチ空くな」
「サンマ食べましょーよ、サンマ!サンマお高いから青葉自費で食べたくないんで、今ならママに頼んだら焼いて貰えるし!」
「ハッキリ言う、気に入らんな」
「恐縮です」
「まぁいいだろう、ママに秋刀魚の塩焼き2つな」
「ども!」
「あ、ちょっと待て」
立ち上がろうとした青葉のズボンに手をかけるとズボンがずり落ちた
「なにするんですか?ヤる気ですか!?」
「ヤらねーよ、っーか色気のないパンツ穿いてんなオマエ、もーちょいエグいの穿けよ」
「やです、で?なんなんですか?青葉早く塩焼き食べたいんですけど」
「店終わったら〆にラーメン食いに行くから付き合え」
「いいですよ、青葉払いませんけど」
「ハッキリ言う、気に入らんな………まぁいい、提督様がラーメンぐらい奢ってやる」
「恐縮です」
こうして、ママのところでイイ感じに飲み食いし、俺たちは夜の街へラーメンを食いに飛び出し、帰って来た時には駆逐艦のキッズ達が元気にラジオ体操を始めており、そのまま執務室に行くと、五月雨から軽蔑と侮蔑の目で迎えられ、シャワー浴びて小綺麗になってから出直して来いと追い出された…