不健全鎮守府   作:犬魚

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第三海域その2、わざわざ穴開けて投入する大戦力

【登場人物】

重巡夏姫
深海ビールと深海バーベキューは自費で用意した上司の鑑

鈴谷(50)
今回は軽母ではなく航巡仕様、パンツ見せるのが仕事のJKみたいな奴


ステビア海の先へ②

さて皆さん、ついに第三海域ステビア海に到達しました…

ですがその為に栄えある甲勲章と昇進への最短ルートを犠牲にしなくてはならなかった限りになく大佐に近い中佐でハンサムな提督………その心境は如何ばかりのものでしょう

ですが、非情にも夏の大規模作戦はまだまだ続くのです!

そう!重巡棲姫改め重巡夏姫と当基地が誇るヤンチャシップ達の正真正銘最後の最後の決戦として!

それではァー!ステビア海侵攻、最終決戦!レディゴー!

 

 

『オイオイオイ…』

 

『死ンダワ、俺』

 

重巡夏姫率いる深海東方方面艦隊迎撃集団の前に、遂に海軍のヤツらが姿を現した……まだ前半戦、まだ序盤海域、まだ大したヤツじゃないと心の中では一抹の不安を抱えながらも重巡夏姫が買ってきた深海ビールと深海バーベキューでゴキゲンなバカンスを楽しんでいた深海棲艦のフレンズ達は誰しもが絶望した、そう、どうしようもない絶望を…

 

「戦艦大和、推して参ります!」

 

「次に死にたい奴、前に出ろ」

 

伝説の超戦士、戦艦大和と戦艦武蔵が揃い踏みする最終海域などでは稀に見る状況…

 

『重巡夏姫クン』

 

『ア、大キナ魚ガ飛ンダリ跳ネタリシテル……トビウオカナ?イヤ、トビウオハモット、ヴェアーッテ飛ブモンナ…』

 

『重巡夏姫クン!コッチ見テ!コッチ!マダ逝カナイデェェェ!!』

 

ツ級は重巡夏姫の肩を掴んでその身体をガックンガックン揺らし、既に現実から目を逸らしていた重巡夏姫を現実に呼び戻した

 

『ッテ!!バカカァァァァァァ!!ナンナノ!?バカナノ!?ナンデコンナトコデ最強カード切ッテンノ!?ナンナノ!?燃料トカ弾薬トカ大丈夫ナノ!?ナニ考エテンダ海軍ノヤツラァァァ!?』

 

たぶんアレだろう、サテラ●トキャノンに狙われる気分とはきっとこんな気分なのだろうと真夏なのにヒヤリとした………重巡夏姫は生まれて初めて心の底から震え上がった、真の恐怖と決定的な挫折に…恐ろしさと絶望に涙すら流した、これも初めてのことだった…

 

『ヨシ、死ノウ!』

 

『重巡夏姫クン!』

 

重巡夏姫は爽やかに笑い、生きる事を諦めた

そして、そんな深海連合艦隊の前にいかにも頭の悪そうな子供がグルグルと回りながら飛び出して来た

 

「ハッハッハー!怯えろー!すくめー!この最強の超戦士!ムテキセンカン清霜が来たからには…」

 

『ヨシ、撃テ』

 

『アイアイサー』

 

重巡夏姫は即座にタ級に砲撃を指示し、タ級のゴキゲンな弾がアホな子供の股間に直撃した

 

「ぐわあああぁぁぁぁ!このままでは終わらんぞぉー!終わらんぞぉー!わらんぞぉー…」大破!

 

◆◆◆

 

冷房と麦茶のゴキゲンな執務室…

 

「怖いんだね?死ぬのが、だったら初めから戦わなければいんだよォォォ!」

 

現場から送られてくる映像をテレビで見つつ、俺は麦茶を飲みながら実に愉快な気分で笑っていた、カッカッカ!クズどもを蹂躙しながら飲む麦茶は格別じゃわい!カッカッカ!

 

「…大人気ない」

 

「なんか言ったか?青髪ロング」

 

「別に、あ、あとコレ燃料弾薬の使用明細です」

 

「はいはいっと……」

 

んほおおおぉぉぉぉぉ!!しゅごいいいぃぃぃ!せっかく貯めた資材がブリュブリュ減ってりゅうぅぅぅ!!止まんないぃぃぃぃ!!

 

「…マジか?」

 

「マジです」

 

さすがは牙を持つカード、高いコストを支払う価値はあるが…さすがにこの消費ペースはマズいな、冷静に考えればまだ前半戦だし…

 

「まぁ、次はちょっとおとなしめにするか…」

 

「そうですね」

 

「なんならオマエも久々に出るか?由良さんも久々に出たし」

 

今回は同期の由良さんが久々の復活登板&大活躍したんだ、何気にコイツも実は出たいのかもしれん…

五月雨はちょっと考える仕草をしてみて、やはり出ないと答えた

 

「出ろと言われたら出ますけど、どっちでもいいならやめときます、私、完全平和主義なので」

 

「何が完全平和主義だ」

 

「小粋なサミダレジョークですよ」

 

「やかましい」

 

完全平和に必要な人を思いやり、理解してやる強い心がコイツには致命的に足りていない

 

◆◆◆

 

『ヴェアハッハッハ!ドウシタァ!ソンナモノカ!足ヲ踏張リ!腰ヲ入レンカァー!ソンナコトデハ重巡ノ私1人倒センゾォー!』

 

「うるさい!鈴谷は今日こそ褒めらて伸びる子になってみせ……ぐっ!」

 

『何ヲシテイル!自ラパンツヲ見セルナド…勝負ヲ捨テタ者ノスルコトゾォー!立テイ!立ッテミセイ!』

 

「うるせぇぇぇぇぇ!!喰らえ!愛と怒りと悲しみのォォォ!ビッッッチィィィィ!フィンガァァァァァァ!」

 

鈴谷の援航!ビッチフィンガーが重巡夏姫のやわらかいようでバッキバキの強度を誇る腹に突き刺さった

 

『ヴェアァァァァァ!!…………ヨロシイ、今コソオマエハ、本物ノキングオブビッチ……ヴェハァ!!』

 

こうして、重巡夏姫は夏の楽しいバカンスと夏の楽しくない思い出と共にブクブクと気泡を残し沈んでいった…




次回は前半戦最終海域、遥かなるオーガ……ではなく遥かなるスエズ、たぶん!

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