【登場人物】
五十鈴(5)
お馴染みの開幕先発、面倒見が良くて乳が大きい
潜水新棲姫
深海期待のスーパールーキー、潜水棲姫?あぁ、アイツなら辞めたよ、才能ねぇから
北方一強時代を終わらせに来た幼女、見た目は可愛らしいが中身はかなりプッツンしてる
遂に作戦開始の火蓋が切って落とされた夏の大作戦!
この、アツかりし戦いに勝ち抜く為の準備は十全に整えてきた自信はある、俺には見えているぜ、出世へと続く戦いのロードが!
「潜水艦です」
「潜水艦か」
アツかりし真夏の執務室、栄えある開幕スタメンのオーダーを考えるべく、俺は冷たい麦茶を飲みつつ五月雨の用意した海域の資料に目を通していた…
「五十鈴パイセンだな」
「そうですね」
今回もまた性懲りもなくあのサンドバッグか、懲りないなあのヤローも、毎度毎度ボコられる為に出てくるとかアイツ実はマゾなんじゃないだろうか?いや、たぶんマゾ子さんなのだろう、若いのに将来が不安になる大したヤツなのだよ…
「よし、スタメンは五十鈴に任せる、テキトーにお前好みのメンバーを連れて行けと伝えておけ」
俺はそれだけ五月雨に伝え席を立ち、執務室を出るべく力強くドアノブに手を掛けた
「はぁ、別に構いませんが…どちらへ?」
「便所」
◆◆◆
リンガ泊地沖、栄えある開幕戦を率いるのは人類最強の潜水艦狩りの達人五十鈴と、五十鈴が特に目をかけて可愛がるリベッチオと朝霜、そして期待の新人、択捉、さらに先制対潜のスキルを持つ軽空母の春日丸改め大鷹…まさに潜水艦を殺す為だけに選抜されたオーダー…
「さぁ〜て、今日もケチョンケチョンに負かしてやろうかねぇ〜」
「イスズさんマジカッケー!」
「五十鈴さんマジイケメン!マジおっぱいのついたイケメン!」
期待のルーキーを含んだ新体制で臨むチームは自信に満ち溢れ、どうせいつものあのしょーもないサンドバッグが出てくるだろうし、いつもの心地良いサウンド、イタイ!ヤメテヨォ!でも聴きながら優雅におやつでも食べよう、そう、この対潜武装で負ける筈がない気分はまさに完全武装のゴキゲンなピクニック…
「あ、なんか居ます」
「あー?」
期待の新人、択捉が指差す先にブクブクと気泡が上がり、いつもの叩けばゴキゲンなサウンドを奏でるサンドバッグが………がっ!違う…っ!いつものサンドバッグではない…っ!いつもの超重力砲でも撃ちそうな見かけ倒しオブ見かけ倒しのアイツとは違う…っ!初めて見るナニか!?
『アナナタチ…ハ……トオ…サナイ……カラ……』
「…なんだアレ?」
「初めて見るヤツだ!」
いつものマゾサンドバッグとは違い、今回現れたのは初めて見るちっこいの、なんと言うか…その、ちっこいの、声をかけるだけで事案発生、タイーホ待ったなしであろう深海期待のスーパールーキー、潜水新棲姫
「イスズさん!なんかいつものと違う!」
「アーン?ビビるこたァねぇ…ボロくなったサンドバッグが新品のサンドバッグに替わっただけだろ?」
「たしかに…さすが五十鈴さん、マジカッケー」
「勝つのは五十鈴!勝つのは五十鈴!勝者は五十鈴!敗者は深海!」
別にビビる事はない、ちょっとデキるルーキーを投入して来た程度では五十鈴キングダムは揺るがない、何故なら五十鈴には丸見えであり、どんな潜水艦であろうとも骨格レベルでツルスケじゃねーの!だからだ
「ぐわあああぁぁぁぁ!!!」
しかし…ッ!!今日は違うッ!何かが違っている!いきなり期待のスーパールーキーが爆発、水上を転げ回った!!
「カス…!大鷹をォォォォォ!!」
「カス!カス鷹ォ!!五十鈴さん!カスがヤられたァ!!」
「アーン?」
あのヤロウ……開幕で撃ってきやがった、五十鈴のインサイトに映る新型サンドバッグの性能、いや、どうやら今までのマゾサンドバッグと違い、ただのサンドバッグで終わるつもりはないらしい…
「コゾー、面白れーじゃねーの?」
「出たッ!五十鈴さんの破滅へのなんちゃら!」
「これであの潜水艦のハラワタはメチャメチャだぜーッ!!」
五十鈴の機械の如く精密な対潜爆雷が新型サンドバッグにのボディに炸裂し、新型は見た目の可愛らしさと裏腹にウゲェ!と光る吐瀉物を吐き出した!
「オラァ!痛がりやがれ!痛がりやがれ!痛がりやがれェ!」
『イタイ!!………ヤメテヨッ!!!』
新型サンドバッグこと潜水新棲姫はイッパツやられたコトに、その可愛らしい容姿からは予想外にキレた…
今までのマゾサンドバッグとは違う、ヤメテヨォ!ともう殴らないで哀願してきたサンドバッグとは違う、ナニすんだコノヤロウと闘志を新たに燃やすヤメテヨッ!だ
「お…おぅ」
『ヤメテヨッ!!』
次回は②
白●叉降誕!!