不健全鎮守府   作:犬魚

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フフ…キタノネェ、エモノタチガ!

【登場人物】

香取先生
通称、香取ーヌ先生
ワル更生のスペシャリスト
ここに来る前はなんたらヨットスクールで熱血指導していたらしい
生徒に舐められない熱血指導モードと、主に、提督の前の普段モードはかなり落差が激しい

鹿島
練習巡洋艦2号、登場した瞬間に瞬く間に大人気
香取先生と違い、珍しくまともな良識派
提督と初めて会った日、ビンタして頂けませんか?と頼まれドン引きした


香取先生と鹿島とマッハ

当基地には、週に何度か駆逐艦を対象とした座学が行われている…

 

「知ってかー?今日から新しいセンコー来るらしいべ?」

 

「マジでー?香取ーヌ辞めんの?デキちゃった?コトブキきちゃった?」

 

「さぁ?それは知らねーけど新しいセンコー、香取ーヌの妹らしーべ」

 

教室では新しい先生がどんな人物なのかの話題で持ちきりだった…

 

「オラァ!座れウジムシどもォ!授業始めるぞォ!」

 

練習巡洋艦、香取

この基地に配属される前にも数々のワルを相手にし、数多のクズどもを更生させた実績を持つ、提督期待の熱血ティーチャー

 

「よォ~し、今日はまず新しい先生を紹介する、鹿島ァ!」

 

 

「は、はい!」

 

香取に呼ばれ、教室に入って来たのは香取と同じく、練習巡洋艦、鹿島

 

「か…鹿島です、皆さん、よろしくね?」

 

今日が教師として初めての日、この日の為に、当たり障りの無い挨拶と笑顔の練習を何度となく繰り返してきた

そう、今日から子供達と共に学ぶ鹿島の教師ライフが始まるのだ

 

「ヒュー!ゲロマブー!」

 

「マジ香取ーヌの妹?ありえねー!」

 

「つーか乳デケぇなオイ!」

 

「ヒッ!!」

 

しかし残念な事に、この基地に配属された鹿島に、そんな夢で見た教師ライフは存在しなかった

そもそも、配属された時から嫌な予感しかしていなかった

何故か割れたままの窓、妙に多い壁の落書き、提督から渡されたスタンガン…

嫌な予感以外の何が出来ただろう

 

「よォーしオマエらァ、鹿島先生になんか質問あるかー?」

 

「ハイハーイ!鹿島センセーはオッパイ何カップですかァー?」

 

「鹿島センセーはオ●ニー週何回ですかー?」

 

「鹿島センセーの経験人数は三桁ですかー?」

 

帰りたい…

もう帰りたい、と言うか、ムリ

憧れの教師ライフなんてなかった、鹿島は一秒でも早く教室から逃げ出したかった

 

「オイ、オマエら鹿島先生にくだらねー質問してんじゃねーぞボンクラどもがァ」

 

 

「姉さん…」

 

「言っとくけどなァ、こー見えて鹿島は相当ヤベーからなァ、この香取が思わずブルっちまうぐれーヤベーからなァ?一度キレっとナニすっかわかんねーゾ?」

 

「へ?」

 

いやいやいや、香取姉さん、何言ってんの?そんな訳ないしと言いたいが声が出ない

 

「マジかよ…香取ーヌよかヤベーとか、マジヤベーな」

 

「あぁ、マジヤベー」

 

香取よりヤバいと言う言葉がかなり効いたらしい

 

「では、授業を始めます、鹿島、今日のところは私の授業を見学よ」

 

「え…?あ、はい」

 

「ではまず、九九の唱和から、白露!まずオマエからだ」

 

「押忍!白露一番艦!九九を唱和させて頂きます!」

 

こうして、授業は始まった…

いざ始まってみると皆ちゃんと授業は受けてくれるんだと鹿島は安心した

 

「しちしちしじゅにッ!」

 

「あ゛?」

 

「…ハッ!?」

 

「白露ァ、今なんっつた?あ?」

 

「しちしちしじゅにであります!」

 

「指導ォ!!」

 

ビタンッ!!!

 

「ひぎぃ!!」

 

超音速…

そんな速度を人力で出せる道具が存在する、それこそ…鞭ッ!

そんな革のヒモが、上手く扱えばその先端の速度はマッハを超える!

 

「ちょ!ね…姉さんッ!」

 

その、超音速の衝撃が今、白露のケツで炸裂したのだッ!

 

「あばばば…」

 

「ちょ!だ…大丈夫?大丈夫ですか!?」

 

「鹿島ァ!」

 

「は、はぃ!!」

 

「…アナタもやる?」

 

「……結構です」

 

「そう………白露、何か言うコトは?」

 

「あ゛…あり゛がとうござい゛ます、香取ーヌ先生ェの指導、ありがとうございます!」

 

「よし、じゃ授業続けるぞォー」

 

この日の夜、鹿島は転属願いを持って提督の所を訪ねたが、パンツ見せて貰って宜しいですかと頼まれ、なんか色々と諦めた…

ちなみに、パンツは見せなかった

 


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