【登場人物】
戦艦水鬼
戦艦棲姫になんとなく似てる上位種、最近見ない
北方水姫
帽子がオシャレな痴女
戦艦棲姫
ディフェンスとリバウンドに定評のある深海きってのタフ・ディフェンダー
ツ級
デカい
護衛棲姫
よく見るとすげー格好してる
新型艦載機
キモい
中枢棲姫
メチャシブい
春雨(6)
新型バーベキュー担当
人類を脅かす深く暗い海の底から来た人類の天敵、深海棲艦、その生態の多くは謎に包まれており、最近の研究ではマグロとか食って生きているのではないかとのデータも出ているが信憑性に関しては微妙らしい
「えー…今回は北方海域侵略、いつもみたく失敗したワケですが、ナンか言いたいコトある人ー?」
偉大なる航路のどこかにあるらしい深海棲艦の棲家、深海秘密基地!
青い海を取り戻す聖なる海の戦士達が集う深海のサンクチュアリ!
本日、その深海秘密基地にて先日の北方侵略作戦についての反省会が行われていた…
「ハイ!ハイハイ!ハイッッッ!」
「はい、北方水姫」
元気良く挙手した痴女、北方水姫、司会進行役である戦艦水鬼は北方水姫にどうぞと言って彼女に発言権を与えた
「戦艦棲姫のバカがキチンと盾にならなかったのがイケナイと思います!」
「ハアァ!?」
「ハアァ?じゃねーよ、死ぬ気で守れよ、死ぬ気で旗艦守れよタコが、それがオマエの仕事だろーが」
北方水姫の発言に、瞬間湯沸かし器の如く沸点を振り切った戦艦棲姫はメンチを切りながら北方水姫に詰め寄った
「ブッコロがすぞこの痴女が!だいたいテメーこそなんだその服……いや、服か?防御する気あんのか!?ねぇだろォ!?」
「オシャレですぅー、コレはそーゆーオシャレですぅー、だいたいダッサいネグリジェに言われたくないですぅー」
「ハイキレた……あー、久々にキレちまったよ、オモテ出ろオマエ、そのマエバリ引っ剥がしてチューブワームの巣に放り込んでやんよ」
「ジョートーだコラァ!」
戦艦棲姫と北方水姫はハジけるメンチビームをぶつけ合い、互いの唇が思わずKISSしてしまう事故がおきそうな距離まで詰め寄った
「はいはい、ケンカしない、お互い言いたいコトあるだろーけど今はケンカしない、後で2人っきりで邪魔の入らない場所で殴り合う」
戦艦水鬼はパンパンと手を叩いて両者を諫めに入った
「うるせぇババア!」
「出番ねーくせに偉そうにすんな!引っ込んでろババア!」
「ア゛ァ?とりあえず座れ………殺すぞ」
戦艦水鬼のマジギレ顔にビビった北方水姫と戦艦棲姫のは2人はヘヘ…冗談だよ、ちょっとジャレてただけだよと言いながら席に座り、戦艦水鬼は小さな声で後で殺すからと呟き再びいつものクール&ビューティーな顔に戻った
「ハイ!他、他になんかない?」
「ハイ!」
「はい、ツ級」
説明不要のデカさを誇る手を挙げたのは軽巡ツ級、とにかくデカい
「占守島の時に出てた敵の新人潜水艦の子がエロすぎて目のやり場に困りました!」
「嗚呼、たしかにアレはエロかったな、誘ってるかと思ったよ」
「オレなんかあまりにエロすぎて吐きそうになったよ」
「アレたぶんサキュバスかなんかですよ、あんな常にしゃぶりたそうにしてる娘とかサキュバス以外の何者でもないっすよ」
ヘ級やロ級、ヌ級達もアレはヤバいっすよと口々に例の潜水艦ヤバいと発言し、場内がヤバいとエロいでざわつくので戦艦水鬼は手を叩いてざわつきを一旦止めた
「はいはい、次!次なんかない?もーちょい建設的な意見」
「ハイ!」
「はい、サンドバッグ子」
「ヒドぉい!!」
やや遠慮がちに挙手したのは出て行くたびにボコられる、それがボコだからと言わんばかりにボコられる深海きってのスペシャルな潜水艦、潜水棲姫、今や仲間にすらサンドバッグと言う屈辱的なアダ名で呼ばれている見かけ倒しオブ見かけ倒し
「………いや、その…あのさ、もう最初は潜水艦で偵察的なコトとかやめない?なんかいつもすぐバレるし…と言うか、あのイスズサンとか言う人に会いたくないし…」
「却下」
「ヒドぉい!!」
「はい次、もーちょい前向きな意見出して、前向き」
「ハイ!ハイ!」
「はい、え~……なんだっけ?ポテト棲姫?」
「護衛棲姫です!」
元気良く手を挙げたのは先の戦いにてデビューを飾った姫級軽空母、護衛棲姫
「あー…ごめんごめん、で?ナニ?」
「最近育ててる新型艦載機なんですけど…」
「あぁ、そのキッショイ鳥みたいなの」
護衛棲姫の左腕に乗った魔界の空を飛んでそうな新種の艦載機、ヒューマンがキモいと言う声は聞こえていたが、正直、深海棲艦から見てもキモかった
「キモくないです、KAWAIIです」
「や、キモいから、フツーにキモいから、で?ナニ?」
「最近個体数を増やそうと頑張ってるんですが、最近飼育小屋が手狭になってきたんで新しい飼育小屋作りたいなと…」
「へぇ~…いいんじゃない?見た目は超キモいけど強いし」
「キモくないです、よく見てください、ほら、この口元とかチャーミングでしょ?」
「ごめん近付けないで、ホントマジで、マジで、ってかその口とか絶対噛む口してるから、パーフェクトナチュラルパワーみたいな噛み合わせしてるし」
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「え~………じゃ、会議の最後に中枢棲姫クンにお言葉戴いて終わりにしたいと思います」
特に建設的ではないものの活発な意見の飛び出た会議も終了の時間になったので司会進行役の戦艦水鬼は上座に座っている深海の大物、見た目は超怖いがメチャシブくて発言に説得力のある中枢棲姫にマイクを手渡した
「………仲間を大切にしないヤツはクズだ、以上」
中枢棲姫はマイクを机に置いた
「さすが中枢棲姫クンだ…」
「嗚呼、中枢棲姫クンが言うとなんか説得力がある」
「そうだぜ!オレ達はみんなアツき血潮で結ばれた深海の兄弟だぜ!」
中枢棲姫の発言に感動した深海の仲間達はアツき友情と絆を再確認し、士気を更に上げた
「よし!じゃ会議はコレで終わり!今日はハルサメちゃんが深海バーベキューの準備してるから」
「マジで!」
「よっしゃ!今日はバーベをキューしちまうか!ギャハハハ!」
◆◆◆
深海バーベキュー会場…
「…はぁ」
皆さんこんにちは、白露型五番艦、春雨です
結局帰ってきてしまった深海生活、まさかあの偽者があそこまで馴染んでいるとは正直予想外でした、と言うか、もしかしてあの人は記憶を失って自分を本物の春雨と勘違いしているじゃないでしょうか?
「や、それはない」
「集ちゃんさん…」
「アイツ地上の娯楽にハマって悪堕しただけだから、ただのクズだから」
集積地さんは深海鳥肉の刺さった串を手に取り、ムシャムシャと噛みついた
「美味いなコレ、なんの肉?」
「鳥…ですかね?なんか飼育小屋みたいなところにいっぱい居たのでチョチョイって」
なんか魔界生物みたいにも見えたけど、まぁたぶん鳥かと…
「ブッー!!!」