不健全鎮守府   作:犬魚

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お久しぶりナイトクラブ回

【登場人物】

古鷹(3)
明石の店でちょいちょい名前が出てた天より舞い降りしエンジェル、エンドレスワ●ツ版

加古
今まで名前も出なかった古鷹型のハンサムボーイ、ハンサムが服を着て腹を出している

鳳翔(5)
通称、ビッグママ
調理師免許は持っているらしい


提督と古鷹型とナイトクラブ21

鎮守府内に存在する煌びやかな光を放つ夜の店、ナイトクラブHO‐SHOW…

 

『HO‐SHOWへようこそロミオー!』

 

軽空母、鳳翔がオーナーを務めるこの店は決して、キャバレーナイトクラブ、略してキャバクラではない

薄い酒と安いツマミをおっぱいの大きな女が勧めてくるだけの店だ

 

「ママ、コレ、昼間穫って来たお土産」

 

「なんだいこりゃ?」

 

「ムツゴロウ」

 

ムツゴロウは主に有明海の干潟の上にいる魚で見た目からしてヌルっとしているマッドなスキッパーでよく見るとキモい

 

「フーッ~……蒲焼きにでもするかね」

 

ビッグママこと鳳翔は長い煙管をトントンと叩き、灰を落としながらクーラーボックスの中でビクビクと動くムツゴロウをジッと見つめて蓋を閉めた、さすがはママだ、免許持ってないけど河豚捌けるだけはある、免許持ってないけど!

 

「焼いてやるからアンタも食って行きな、ボーイ」

 

「いい加減ボーイはやめてくれよ」

 

俺はママとのアダルティクスな大人の挨拶を済ませ、テキトーな空いている席に座り、煙草に火を点けて傍に置いてあった基地スポに目を通した

 

「フーッ~……大鯨ホエールズ泥沼七連敗か」

 

「いらっしゃいませー、古鷹です」

 

「加古でェ~す」

 

席へとやって来た本日の俺をアツくさせる重巡メイト、古鷹型姉妹の2人…

 

「まぁ、座りたまえ」

 

「じゃ、失礼しまして…」

 

古鷹型重巡の姉、古鷹さん

かつては田舎から出てきたばかりでモサっと感が拭えなかったが、改二改装された時期ぐらいから急激に洗練されスタイリッシュになり、出撃する時にはよくわからない羽根が舞い散る描写が差し込まれている、ちなみにこの羽根、あまりの神々しさに最初は目の錯覚かと思われていたが、実は装甲のガンダニ●ウムが剥離して、その粒子が集まったものらしい

 

「はぁ~…だるいんだけど、よっこらせっくす」

 

古鷹型重巡の妹、加古

古鷹さん同様、以前はどこか田舎のヤンチャボーイ的な姿だったが改二改装の時期から都会的に洗練され、今や俺や天龍や木曾を脅かすプリズムオーラを放つ見た目イケメン枠に入っている

 

「何を飲まれますか?」

 

「そうだな、まぁ、とりあえずビールで」

 

「ビールですね!」

 

古鷹さんはいつものオリ●ンビールの瓶を取り出し、ビール8、泡2の割合でグラスに注ぎ俺に手渡してくれた

 

「どうぞ」

 

「お…おぅ」

 

…普通ッ!ここまで圧倒的普通ッ!何の問題もなくグラスにドリンクが注がれる展開、さすがはエンジェルである古鷹さんだ

 

「テイトクぅ、アタシらもナンか飲んでいい?」

 

「あ?あぁ、構わんぞ」

 

「じゃ~…アタシはメガシ●キにしよ、古鷹は?」

 

メガシ●キかよッ!なんで睡魔と戦ってんだよコイツ

 

「あ、じゃ私はエンジェル・フェイスで…」

 

ジンベースの中でもワリと古典的なカクテル、エンジェル・フェイス、さすがはエンジェルと呼ばれる古鷹さんだ、俺の期待を裏切らない注文に俺の胸はアツく躍るのだよ

とりあえず、それぞれの手にドリンクが渡ったので俺達はスタイリッシュにカンパイを交わした…

 

「美味いッ!」

 

「すっぱいなァ!コレェ!テイトクぅ!コレすっぺーよォ!」

 

「目が覚めたか?」

 

「いや………あんまり」

 

加古はメガシ●キを飲み干し、アイスペールに入った氷をガリガリと食い始めた

 

「コラ!加古!氷なんか食べたらお腹が冷えるでしょ!」

 

「大丈夫大丈夫ぅ、あー…目ぇ覚めて来たァ~…腹の奥がドキンドキンでダムダムしてきたァ~」

 

「それお腹壊してるのよ加古ォ!食べるのやめなさい!」

 

「いやァ~でもよォ~…この氷なんかすげーうめーっーか、なんっーか口当たり爽やかな高原の風っーか、天然水?南極の天然水凍らせたみてーな混じりっけナシの天然素材っーか…」

 

「いいから食べるのやめなさい!」

 

ビタンッ!(平手打ち)

 

「カコッ!!………ぅ、お腹痛い」

 

「当たり前でしょ」

 

---

 

「あーテイトク、テイトクってアレだろ?ホモなんだろ?」

 

ダラダラとしょーもない世間話をしていると、加古から恐るべき単語が飛び出し、ついでに、俺の口からもアルコール汁が飛び出した

 

「ブッ!!………どこから聞いた話だ?それは?」

 

「サミー、なぁ古鷹」

 

「え?えぇ…」

 

ちなみにこの基地、俺が頑なにケッコン制度を利用しない為か、俺がホモであると言う話がワリと定説になっているらしく、ホモ79%、ロリコン18%、その他3%という実に屈辱的な目安箱アンケート結果がある

 

「ちなみに俺はホモではない、提督だ」

 

「なんだ違うのか…え?じゃナニ?アタシにムラムラすんの?」

 

「お前にはしないが古鷹さんにはするな、具体的には2週間に1回くらい地下室に監禁してヤバいクスリ打ってブチ●したい妄想をするぐらいだ」

 

「け…ケダモノッ!」

 

古鷹さんがドン引きしている気がするが、アツいホモ疑惑よりはマシだ

 

「ケダモノじゃない、提督だ」

 

「マジかァ~…古鷹の読んでる本に出てくる眼鏡提督はだいたいドSのホモだから提督もホモだと思ってたわ、アヒャヒャヒャ」

 

「ちょ!加古!今その話言わなくていいから!」

 

ちなみに、古鷹さんのお気に入りは“大佐の下でAGAKE”なるイヤな予感しかしないタイトルらしい……その大佐がテスタロ●サ大佐なら俺は古鷹さんときっと仲良くなれただろう…

俺はその残酷かつ過酷な運命の悪戯に心で涙を流していると、なにやら香ばしい匂いがプンプンと漂ってきた

 

「ボーイ、焼いたからアンタも食べな」

 

ビッグママこと鳳翔が先程渡したムツゴロウを調理してくれたらしく、俺達が座る席に持ってきてくれた

 

「ナニそれ?うわっ…グロっ!?」

 

「…なんですか?その変なの」

 

「グロくない、ムツゴロウだ」


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