【登場人物】
熊野(15)
最上型の末妹、オシャレな航巡を自称するが寝る時はオシャレパジャマでなく全裸
4月5日…
1945年、太平洋戦争末期、海軍少佐、伊佐●光の裏切りによってサマン島が襲撃を受け2813人の同胞達が散った日である
「…はぁ?」
自販機に缶コーヒーを買いに行くと、ちょうど熊野も自販機にジュースを買いに来ていたので俺達はベンチに座り、今日の出来事について世間話をしていた
「そして、奴は戦後、藤堂●衛と名を変え、ヤミ物資を横流しで得た巨万の富を元に、この国を裏から支配している影のフィクサーとなっておるのだ」
「それはそれは……悪いヤツですわね!」
おそらく今度の天兆五●大武会は過去に例のない死闘となるだろう、フッ、一体何人の艦娘達が桜咲くこの基地へ戻ってこれるだろうか…
「ところで熊野」
「なんですの?」
「お前1人とは珍しいな、お前の相棒はどうした?相棒は」
「相棒……?あぁ、亀山さんのコト?」
「そっちじゃねーよ、っーかなんで亀山なんだよ!もうアイツだいぶ前に消えたよ!」
「ジョークですわ、小粋なクマノジョーク」
何がクマノジョークだ、熊野は神戸居●地なる如何にも安物くさいジュースを飲んでふぅとひと息ついた
「鈴谷ならさっき、精神と●の部屋に入りましたわよ」
「精●と時の部屋ッ!?」
「えぇ」
熊野曰わく、今日はこの中で過酷な修業を積み、出て来た時にはキサマを遥かに超える圧倒的な力を身につけてやる、クマノット、キサマの出番は無い、セ●を倒すのはこの鈴谷だ!キサマは指でもしゃぶって見ているがいい!ハーッハッハッハと言いながらお泊まりセットを持って扉の向こうへ消えて行ったそうだ
「相変わらず所々頭悪いな発言が目立つなアイツは」
「えぇ」
「まぁ、たしか今日辺りに鈴谷の新しい改装がどうのこうの上からお達しが来てたし、その関係か…」
「たぶん………しかしマズいですわねコレ、提督、その缶コーヒーと交換してくださらない?」
「やだよ、っーかマズいなら飲むなよ」
「私の高貴な口には合いませんでしたわ、まだ半分くらい残ってますわ」
熊野は如何にも安そうな缶をズイズイと俺に押し付け、俺の持っている缶コーヒーを奪おうと手を伸ばした
「いらねーし、やらねーし!全部飲めよ!」
「イヤですわ!ほら!それを私によこしなさい!」
「やかましい、ワガママ言うんじゃないよこの子は!」
「ワガママな美女、それが私ですわ!」
「何がワガママな美女だ、デンドロビウムに謝れ!」
‐‐‐
「お腹が空きましたわ」
「まぁ、小腹は空いたな」
俺と熊野の醜い争いは両者とも缶を落とし、中身を流出させると言う結末を迎え、モップを持ってきて床を掃除すると言う結果に終わった、勝者などどこにも居ない、人類全てが敗者なのだと互いに感じつつ再びベンチへと座った
「私、ハンバーガーとか食べたいですわ」
「俺は青椒肉絲とか食いてぇなぁ~」
「私、ハンバーガーを豪快に丸かじりするのが夢なんですの」
「レバニラ炒めでもいいなぁ~」
「あまりの大きさとジューシィーさにもう入らない!と感じつつも強引に口の中を蹂躙する感じなど想像しただけでヨダレが止まりませんわ」
常々思うのだが、やはりコイツと鈴谷は姉妹なのだと思う時がよくある、姉妹揃って考えているのやら考えてないのやらよくわからないアホな発言はそっくりだ
「よし、なんか食いに行くか」
「そうですわね」
俺達はスタイリッシュにベンチから立ち上がった
「お安いのはイヤですわよ、私はグルメなので」
「お安いので我慢しなさい」
その後、俺達はお安いファースト店へ行き、熊野はマスタードを舐めながら食べられたものじゃないと言いながらベロベロと舐めていた
見て、やる気が出れば今日の夜に、もう1回ですって