【登場人物】
北上(2)
球磨型3番艦、安心安全のクローザー、否レズ
大井(2)
球磨型4番艦、すぐに舌打ちする安定のストッパー、否レズ
鎮守府内に存在する煌びやかな光を放つ夜の店、ナイトクラブHO‐SHOW…
『HO‐SHOWへようこそロミオー!』
軽空母、鳳翔がオーナーを務めるこの店は決して、キャバレーナイトクラブ、略してキャバクラではない
薄い酒と安いツマミをおっぱいの大きな女が勧めてくるだけの店だ
「なんか日本酒増えた?」
「増えたよ、アンタ変なトコめざといねぇ」
ママといつものクールな挨拶を交わし、俺は手身近な空いてる席へスパイラル着席をキメ、胸元から取り出した煙草に火を点けた
「フーッ~…」
「北上さんだよ」
「大井です」
席にやって来たのは球磨型姉妹後半のフレンズ、三女の北上と四女の大井、姉妹としては球磨ねーちゃんと多摩ニャーの下位に属する球磨型姉妹、鉄の上下関係
「よく来たねぇ、なに飲む~?紅茶?紅茶あるよ?貰いモンのちょっと高いティーバッグ」
「なんで紅茶なんだよ!」
球磨型姉妹の三女、北上
一見すると田舎のおばあちゃんを思い出してしまう謎の安心感を持つが、その戦闘力は凄まじく、まだこの基地がシャバ憎の集まりだった頃は第一線で猛威を振るい、深海棲艦のクソどもはコイツが出てきたらもうゲームエンドだと震え上がったそうだ
「いやだわ北上さん、こーゆー店ではロックかストレートかバーボンなのよ?」
「お前、知ってる単語テキトーに並べただけだろ?」
球磨型姉妹の四女、大井
北上が謎の安心感を持つ田舎のおばあちゃんなら、コイツはたまには街のジ●スコに買い物に行く田舎の叔母さんみたいな謎の安心感があり、北上同様、その凄まじい戦闘力はかつての革命の徒、アグ●カ・カイエルを想い起こさせる
「しかし……前に球磨ねーちゃん達も見たが、まさかお前らまでママの店で働いていたとはな」
「ん~…臨時バイトってやつ?」
「春だし、Av●ilで木曾にオシャレな服を買ってあげようと思ってね、臨時収入が欲しいのよ」
そうか、ここでAva●lか…なるほど、三●には触れていたがこっちは無視なんだなと思っていたが、なるほど…そうか、今日、北上と大井だったのはそういうコトか…
「で?何飲む?」
「焼酎、米の~…そうだな、お湯割を貰おうか」
「…チッ、めんどくさ」
「オイ、大井コラ、めんどくさいとかゆーな」
コイツ気に入らない事があるとすぐ舌打ちするんだよな
「提督、私らも何か飲んでいい?」
「ん?あぁ、まぁテキトーにな」
「じゃ、私紅茶にしよ、せっかく貰ったし、大井っちは?」
「私も同じもので」
健全かッ!!球磨ねーちゃん達といい、コイツら球磨型姉妹はどいつもこいつも健全なのかッ!いや……そう前に木曾も見たが、アイツ、あん時は俺と天龍とピッチャーイッキしてベロベロに酔って、翌日、3人で球磨ねーちゃんに土下座させられたな
「はい、お湯割」
「おう」
「はい、紅茶」
「ありがとう北上さん」
「じゃ、カンパーイ」
『『カンパーイ』』
焼酎お湯割と紅茶×2で乾杯とは実にシュールな光景だな…
「しかし…お前らなんやかんや木曾に甘いよな」
「そう?まぁ、ほら、ウチは球磨ねーちゃんが厳しいしさぁ、その分甘くなるんだよねぇ」
…おばあちゃんか、コイツは
「それにほら、あの子、私服ダサいし、オシャレなもの着ないと」
ダサいとか言われてるよ木曾、オマエ、すぐ上の姉からダサいとか一刀両断されたよ、今、この場に木曾が居たら木曾のPRIDEがバーニングソードブレイカーされてたよ
「お小遣いで服でも買いなさいって言ってるけど、いつもワケわかんないカード買ってるし」
「まぁまぁ大井っち、木曾くらいの子はみんな集めるのが好きなんだよ、ほら、昔あったじゃん?ラブアンドなんちゃらみたいな?」
北上その世代なのォォォ!?え?意外と若いの!?
「ありましたね、そんなの…そう言えばたくさん集めたファイルはどこにいったのやら」
「実家の押し入れじゃない?たぶん」
そういやコイツら、あのズラ型駆逐艦と同じ村出身とか聞いたことあるような、ないような…
「まぁ、木曾は木曾なりにオシャレを追求してるんだからあまり押し付けるのは…」
「ダメだよ~提督、木曾は今が大事なんだからさぁ~」
「そうよ、木曾は今が大事!今が大事なのよ!」