不健全鎮守府   作:犬魚

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インテリジェンス眼鏡回

【登場人物】

提督(103)
たまにはクリームパン

武蔵(3)
物事大雑把大戦艦、実はクリームパンはあまり好きてはない


提督と武蔵と反則合戦

前回までのあらすじ

 

神話の時代から誰一人突破した事がない戦艦十二寮に突入した清霜達若き駆逐艦達、最強の大戦艦級達の力に苦戦しながらも清霜と朝霜は第四の部屋へ到達したッ!

 

「ぅぅ…なんだこの薄気味悪い部屋は!」

 

「清霜!足下!いや壁!?」

 

「げ、ゲェーッ!なんだこの部屋はーッ!壁床一面に扶桑さんの写真が張ってあるぞー!」

 

「フフフ…よくここまで来たわね、駆逐艦の小僧如きが」

 

「お、お前はーッ!!」

 

扶桑型の大戦艦、山城ーッ!!

 

「フフフ…この一面を彩る姉様のお姿こそが私の力の象徴、わかる?力こそ正義、正義とは姉様、姉様こそ正義なのよ」

 

「フッ、キヨシ、コイツはアタイに任せて先に行きな!」

 

「し、しかし朝霜!お前1人では!?」

 

「心配すんな、コイツを倒したらアタイすぐに追いかけるさ、さぁ!先に行けキヨシ!」

 

「わ…わかった!死ぬなよ朝霜!」

 

‐‐‐

 

「…と、言うのが前回までのあらすじだったワケだが…」

 

「ねーよ、そんな展開無かったよ、舐めてんのかテメーは」

 

小春日和の執務室、今日は五月雨も休暇をとっており、秘書艦不在のナイスデイの予定だったが、朝、缶コーヒーを買いに行った際に、近代●雀を読みながら暇を持て余していた武蔵がそれならこの武蔵が秘書艦をしてやろう、暇だしな!と言い出したので今日は武蔵が秘書艦を勤めていた

 

「まぁ、特にやることもないんだがな」

 

ちょいちょいイラッとくるが、流石に秘書艦歴の長い五月雨、休暇の前にはコレといった事務仕事を全て片付けている、こーゆー痒いところに手が届くのがイラつくなアイツは

 

「しかし、暇だな」モグモグ

 

「あ、テメー!それ俺のクリームパン!ナニ勝手に食ってんだ!?」

 

「なんだ?食ったら悪かったのか?」

 

特に反省のみられない武蔵はクリームパンを咀嚼しながら冷蔵庫を開け、俺の買い置き缶コーヒーをグビリと飲み干した

 

「…ふぅ」

 

「ふぅ、じゃねーよ!ブッ殺すぞ!とりあえず謝れよ」

 

「うむ、すまなかった」

 

そう言って武蔵は戸棚を開けて俺が買い置きしていた徳用コ●ラのマーチの袋を破り、口にコ●ラを放り込んだ

 

「反省してねぇじゃん!なんなのオマエ!?」

 

「まぁそうカッカするな提督よ、この身体はひどくお腹が空くのだ」

 

何がお腹が空くだコイツ、常にナンか食ってないと死ぬのかオマエは?

 

「しかし提督よ、何かこの武蔵に仕事はないのか?暇なのだが」

 

「そうは言ってもなぁ、事務仕事はだいたい五月雨が片付けてるし…正直、何もない」

 

「そうなのか?ふむ………そうだ!ならこの武蔵と一つゲームでもしないか?」

 

「ゲーム?なんだ?ぷよ●よか?」

 

とてもじゃないがコイツと格ゲーで勝負する気にはなれない、望月さんよりランキングは下と言えど俺の遥か上をいく上位ランカー!その鬼畜の超反応から付いた二つ名は“吹き荒れる木枯らしの武蔵”!

 

「そうだな…次に執務室に入って来た者が男か女かなんてどうだ?」

 

「ほぼ女じゃん、ゲームにならねぇよ」

 

「それもそうか、そうだな…では次に執務室に入って来た者が駆逐艦かそうでないか、と言うのはどうだ?」

 

「駆逐艦かそれ以外か…」

 

なるほど、それならたしかにアリかもしれんな、当基地の比率的には駆逐艦とそうでない艦の割合はほぼ互角ぐらいか?

 

「そして負けた方が昼食を奢る、どうだ?」

 

「…いいだろう、乗った、そのゲーム」

 

「フッ、さすがは提督だ、ではこの武蔵は駆逐艦を選ぶ、異論が無ければ今よりゲーム開始だ」

 

こうして、俺と武蔵の闇のゲームが開始され、武蔵は俺の机の前へとやって来ると机に置いた電話の受話器を手に取った

 

「あぁ清霜か?武蔵だが、そう、武蔵だ、今すぐ執務室に来い、提督がハンバーグを奢ってくれるそうだ」

 

ガチャン!

 

「ふぅ…これでよし」

 

「ふぅ…!じゃねーよ!ナニ普通にキヨシ呼んでんだァ!汚ねーだろ!反則!反則だろォ!?」

 

「反則ではない、異論無くスタートしたからな」

 

「クッ!」

 

武蔵は知的キャラみたく眼鏡をクイッと上げてニヤリと笑う、コイツ!!なるほど…いや、たしかに俺が甘かった、勝負ってモノを甘くみていた

 

「そうだな、勝負の世界にイカサマだの汚いだの…ヤられる方が悪いんだったな」

 

「そう言うコトだ」

 

俺はポケットから携帯電話を取り出し、スタイリッシュにコー…

 

「フンッ!!」

 

武蔵の手刀が俺の携帯電話をまるで卵を割るよう叩き割った

 

「チッ!」

 

「無駄無駄無駄ぁ、貴様はもう詰んでいるのだ、大人しくこの武蔵に昼食を奢るのだ、大盛りをな」

 

「…武蔵、確認するが次に執務室に入って来たヤツだよな?」

 

「その通りだ」

 

「ふむ…」

 

俺は執務室の扉を開け、廊下に出て、再び執務室へと戻った

 

「はい、俺の勝ちな」

 

「は?」

 

「は?じゃねーよ、次に執務室に入った来たヤツだろ?俺は駆逐艦じゃない、俺の勝ちだ」

 

「むっ………!?」

 

「バカが、この俺をハメよーなんざ243年早いわボケ!」

 

そう、これは頭脳のゲーム、より高度な反則をした方が勝ちだ

 

「なるほど…たしかにこの武蔵の負けだな、認めよう」

 

「だがなかなか面白い趣向だったぞ、褒美に清霜のハンバーグは俺が出してやるから自分の分は自分で出せよ」

 

「よかろう」

 

俺達が互いにアツい握手を交わしていると、アホの清霜とリベッチオがハンバーグハンバーグ言いながらやって来たので、俺達は知的に眼鏡をクイッと上げてファミレスへと歩き出した


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