不健全鎮守府   作:犬魚

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白露お姉さんが白露お姉さんの回

【登場人物】

提督(92)
文庫本からエロ本まで、本はわりと読む

白露(7)
久々に帰ってきた白露型の長女、妄想力たくましい思春期ガール



提督と白露と真実の奥の更なる真実

母なる海を守るため、立ち上がった選ばれし希望の戦士、青い海を取り返す、戦いの刻は今だ!ウォーウォー!誇り高きレボリューション、ウォーウォー!気高きエボリューション、深海(深海!)深海(深海!)深海合神シンカイザー…

 

「…ヤッベ、シンカイザー始マッテルジャン」

 

「前回ガスゴイ気ニナル引キデシタカラネ、モウ今週待チ遠シクテオレ全裸待機シテタッスヨ!」

 

深海秘密基地ローカル番組、深海合神シンカイザー…その視聴率は平均65%、第13話の夜明けの超合神!誕生!グランドシンカイザーの回は最高記録92%を叩き出している深海の人気番組で、小さなお子様がゼロなんかいらねーよ!シンカイザーシンカイザーと玩具売り場で駄々こねて爆乳のお姉ちゃんを困らせるそうです、はい

 

「皆さん、お茶を淹れましたけどー…集ちゃんさんはココアですよね」

 

「アザース!」

 

「悪イネー、ハルサメチャン」

 

「気ガ利クナァオイ、ハルサメチャン、オバチャントケッコンスッカ?ギャハハハハ」

 

「あははは…」

 

◆◆◆

 

「ナイッシュー!ハルサメェ!」

 

「速攻行くぞォ!!」

 

いつの間にか開幕していたらしい駆逐艦バスケ冬の祭典、ウィンターカップ、雪がチラつくこのクソ寒い中よくやるものだ…

 

「うぉー!ハルサメ止まんねー!」

 

「まるでキセキの世代5人を同時に相手してるみたいだぜ…ッ!」

 

「あのヤロウ、夏に比べたらまるで別人だ」

 

別人なんだけどな、チームメイトも相手チームも応援してるバカどもも誰もツッコまないだけで、そいつは春雨じゃないんだけどな

 

「まさかこれほど力を付けているとはね…」

 

そして俺の隣に座るイイ女筆頭、陸奥もその驚異的なプレイスタイルに冷や汗を流していた

 

「これは対策を練り直す必要があるわ」

 

「陸奥さん、ちょっと陸奥さん」

 

「なに?」

 

「陸奥さんにはあの白髪が春雨に見えるのかね?」

 

「見えるけど…?」

 

陸奥は何言ってんだコイツ?イカレているのかと言いたげな顔をしている

 

「そうか…」

 

「まぁ、以前に比べたらまるで別人のようなキレね、元々素質が高かっただけに急激な成長を遂げていても不思議じゃないわ」

 

なんか良い事言っている気がするが陸奥、別人なんだよそいつ

しかし、誰かがツッコんでくれると思ってとりあえず放置してみたが今の今までスルー状態、最近は五月雨ももうアレが春雨で良いんじゃないですかと言い出す始末だ、俺はどうしたものかと考え、とりあえず煙草を吸うべく体育館の外へ向かった

 

「やべーよやべーよ」

 

体育館の出入り口に隠れ、なんかブツブツ言いながら白露姉妹の長女、白露がコート上で行われてる試合を覗いていた

 

「よぉ、ナニやってんだオマエ?」

 

「ヒッ…て、提督ッ!?」

 

「何がヒッだ、レ●プされてーのか?」

 

「て…提督、あ……あのさ、ちょっといいかな?」

 

「なんだよ?小遣いならやらねーぞ」

 

「いいからッ!ちょっと来て!」

 

白露は俺の上着を掴んでグイグイと引っ張り、体育館の外へ連れ出した

 

「あ…あのさ、提督が気付いてるかどうか知らない……いや、もしかしたら私が一番先に気付いてるのかもしれないけど…」

 

「なんだよ?村雨の乳がムラムラする事か?」

 

「違うし!っーか村雨をそんな目で見てるの!?」

 

「見てねーけど、目にはつくな」

 

「ま…まぁ村雨のおっぱいとか今はどうでもいいや、そんなコトより……提督、今から話す私の話を信じてね!」

 

妙に必死さの漂う白露の表情、これは決意と覚悟を決めた者の目だ

 

「なんだよ?もしかしてアレか………孕んだのか?」

 

「は?違うし!?」

 

「冗談だ、で?何だ?」

 

「……実は、春雨のコトなんだけど」

 

「な!?」

 

こ…コイツ、とうとうツッコんでくれるヤツが現れたのか!?

 

「最近さ、春雨の様子が変だなって思って色々調べてみたんだ、私」

 

白露曰わく、何故か春雨の靴がサイズが二種類に増えていたり、なにやら漢字の練習していたり、嫌いだった筈のしいたけを食べていたりと何か変だなって思う事が続いており、この間も、あの恥ずかしがり屋さんが一緒にお風呂いいかなぁ~?とぬらりとやって来て入浴したそうだ

 

「私は一番疑っている、私の“妹”は“妹”じゃあない!別の誰かだって!」

 

ドドドドドドド!!

 

「し…白露ッ」

 

ようやく…ようやくツッコんでくれるヤツが現れたのか!白露姉妹の頂点に立つ長女白露が遂に真実へ到達したのだッ!

っーか靴のサイズとかしいたけ食えるの前に、見た目で気付けよ!

 

「最初は時雨様に相談してみたんだけどさ…」

 

『それで?より強い者なら大いに結構じゃないか?僕は僕に逆らわない者ならそれでも構わない』

 

「って…」

 

長女からも様付けされるんだな、時雨様

 

「白露よ」

 

「なに?」

 

「俺はお前が一番先に気付いてくれると信じていたよ、お前がナンバーワンだ」

 

俺は白露の両手をアツく握り抱き締め過ぎだぜと注意されかねないほどアツく抱き締めた

 

「ぐえっ!?いだ!痛い痛い痛い痛い!」

 

「ソーリー、ついカッとなってやってしまったよ」

 

「提督は、信じてくれるの?」

 

信じるもなにも俺はツッコミ待ちだったからな

 

「当たり前だぜ、よく今まで一人で孤独な戦いをしてきたな!」

 

「ぅぅ…提督ぅ~」

 

「……だが、知られてしまった以上、君を“始末”する必要がある」ニマァ…

 

「!?」

 

「フッフッフ…」

 

「ど…どーゆーコト!?ま…まさか提督!提督は既に深海の手の者でこの基地ではもう全艦娘深海棲艦化計画が始まって…」ガタガタ

 

「冗談だ、っーか妄想力すげーなオマエ」

 

全艦娘深海棲艦化計画とかスラスラ噛まずに言えるのは天龍と木曾ぐらいだろうと思っていたが、コイツなかなか才能あるな

 

「もーっ!!心臓に悪い冗談はやめてよ!」

 

「ハッハッハ、悪い悪い」

 

「で?どうすんの?あの偽春雨二人でやっつけるの?」

 

「そうしたいのはヤマヤマだが、白露よ…あれが偽者だとすれば本物はどうしたと思う?」

 

「本物…?ハッ!?ま…まさかもう本物は深海棲艦に…なんかアレな成分を分泌する液を出す触手で未成熟な身体も頭も改造されてアヘ顔晒して苗床にされてボテ腹からの出産をもう数えきれないぐらい繰り返して…ッ!ゴメン春雨ッ!お姉ちゃんが間に合わなかったばっかりにッ!」

 

「だから妄想力すげーなオマエ!?なんなの!?エロ本読み過ぎだろォ!?」

 

◆◆◆

 

深海秘密基地…

 

「深海麻婆春雨ですっ、はい」

 

「ヒュー!待ッテマシタ!」

 

「ヨダレガ止マラネーゼ!」

 

「コラ集チャン、ゴ飯デキタカラゲームヤメナサイ!」

 

「チッ…ウッセーナ、ババア」

 

「誰ガ空母オバサンダコラァ!!オモテ出ロテメー、タイマンダヨ!」

 

ゲーム大好き集積地さんと赤城さんと加賀さんの悪いところだけ混ぜ合わせた空母の空母棲姫さんがメンチ切り合って立ち上がる

 

「ヤメネェカテメーラァ!!」

 

「チュ…中枢クン!」

 

「ヘ…ヘヘ、冗談、ジョーダンダゼ中枢クン、オレラマジフレンドダカラヨォ~」

 

見た目は超怖いけど深海魚には優しい一面のある中枢棲姫さんの一喝で二人は大人しく自分の席に座った

 

「全員席ニツケ、ヨシ…………イタダキマス」

 

『『イタダキマース』』

 

「ヒョー!ウンメー!」

 

「コノ辛サガヤミツキニナルゼーッ!」

 

「タ級クン、深海醤油取ッテー」

 

「マッタク!ハルサメチャンノ深海麻婆春雨ハ最高ダゼ!」

 

「深海美食屋ノオレトコンビ組モウゼ!」

 

「あははは…考えておきます」

 

拝啓、白露型駆逐艦、五番艦の春雨です

ここでの生活もだいぶ慣れてきました、はい…




【おまけ】

深海合神シンカイザー
バリッバリのスーパー系、深海レッグなんたらと深海チェストなんたらと深海コアなんたらの三機が合体して完成するスーパーロボット
第12話にてダイコンゴウに破れて爆散したが13話にて奇跡の深海エナジーで復活、超深海合神グランドシンカイザーの超必殺マグナムシンカイソードにてダイコンゴウを撃破した

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