【登場人物】
球磨
球磨型の長女、よく見ると美少女、今風に疎い、鉄拳制裁には躊躇いがない
多摩(2)
球磨型の次女、よく見ると美少女、今風に疎い、木曾曰わく、球磨ねーちゃんよりは優しい
提督(86)
すげぇよミカは…強くてクールで愛嬌もあって、今度は子供まで…
あの目は裏切れねぇ、まっとうな教育が必要だ
鎮守府内に存在する煌びやかな光を放つ夜の店、ナイトクラブHO‐SHOW…
『HO‐SHOWへようこそロミオー!』
軽空母、鳳翔がオーナーを務めるこの店は決して、キャバレーナイトクラブ、略してキャバクラではない
薄い酒と安いツマミをおっぱいの大きな女が勧めてくるだけの店だ
「ママ、三日月からすげー真面目な顔して子供作ろうぜ言われたんだが…」
「フーッ~…良かったじゃないかい」
「いや全然良くねぇよ!」
一度、アホなガキどもを集めて真剣に特別な講義を開いた方がいいのではと考えさせられる今日この頃、ママは割とどうでも良さそうに長い煙管から煙をモクモクと出すだけで俺に正しい答えをくれない、教えてくれママ、俺はあと何回殺せばいい?知ったコトじゃないよボーイとママは何も答えてくれない、まったくママにはかなわないな
「フーッ~…」
とりあえず、俺はいつものようにテキトーな席について煙草に火をつけて一服した
「よく来たクマね」
「まぁラクにするニャー」
席にやって来たのは球磨型軽巡、戦慄のケダモノフレンズ、球磨ねーちゃんと次女の多摩ニャーの球磨型姉妹上位種
「なに飲むクマ?」
「あ、あぁ…じゃ焼酎の水割りで」
球磨型の頂点に君臨する恐怖の覇王、球磨ねーちゃん、あのイケメンの木曾がビビって金出しそうになるぐらい怖い、俺と天龍をかわいい妹の木曾に悪い遊びを教える不良仲間かなんかと思っているらしく、心証はよろしくない、昨年の秋とクリスマス頃にフラリと行方不明になってた
「多摩と球磨ねーちゃんもいただいて良いかニャー?」
「あ?あぁ、構わんよ」
そして次女の多摩ニャー、球磨ねーちゃんに継ぐ上位カーストでイケメンの木曾がビビってチビりそうになるぐらい怖い、あと球磨ねーちゃん程ではないが俺と天龍をかわいい妹を悪の道に誘う悪い友達かなんかと思ってるらしく、心証はよろしくない、秋に行方不明になってた
「じゃ、多摩はオレンジジュースにするニャー」
「球磨はサイダーにするクマ」
健全ッ!!ちょっとアレなお姉ちゃんが酒を提供する店なのに健全だよコイツら!?
「じゃ、カンパイするニャー」
「カンパイクマ!ほら、提督もやるクマ」
「は、はぁ…じゃ、君の瞳に映った僕にカンパーイ」
なんだ?今日は随分と友好的だなコイツら、いつも顔合わせる度に木曾に悪い遊び教えるんじゃねーぞってメンチ切ってくるのに…アレか?接客業ってのがワカってる感じなのか?
「…しかし、まさかオマエらがママの店で働いているとはな」
「最近出撃とか遠征とかまともな仕事がないからクマ」
「木曾が寒そうにしてるから新しいフカフカモコモコのコート買ってやる資金の為ニャー」
「木曾のヤツ、寒いからってなんか黒いゴミ袋みたいな切れっぱし上から着ててねーちゃんとしては恥ずかしいクマ」
それファッション!木曾流のオレカッコいいファッションだからァァァ!!木曾の中二ファッション全否定だよこの姉達、恥ずかしいとか言われてるよ!
「北上と大井は木曾もちょっとアレな年頃だからすぐに飽きるとか言ってるけど、ちょっとアレもクソもないニャー」
「木曾は今が大事な時期クマ!そう、今が大事な時期クマ!」
「ま…まぁ、木曾も木曾なりにファッションとか流行とか勉強してるんだよ」
「そう言やこないだ提督と天龍と何か盛り上がってたみたいクマね」
「は?」
「談話室でキャッキャ言ってるの見たニャー」
「あ、あぁ…アレね、アレ、百人一首だよ!百人一首!俺達百人一首同好会なんだよ」
まぁ、普通にカードゲームですけど
「百人一首で煉獄より生まれし黙示録の龍とか万能なる魔界の支配者とか禁断ビッグバンとか言うものニャー?」
「新しいからね!今の百人一首はッ!球磨ねーちゃんとかが知ってるのとはちょっと違うかもねーッ!ルールとか今風になってるからッ!」
「ふむ………まぁ、最近の遊びは詳しくないけどそんなもんクマか」
セーフ!セーフ…生き残りッ!良かった、球磨ねーちゃんが今風ってトコで納得してくれて、ちなみに、木曾の部屋は大変取締が厳しいので木曾のカードは天龍で預かっており、木曾はいつも天龍の部屋でアツいデッキの試行錯誤をしている
「まぁいいクマ」
「木曾が楽しそうならなによりニャー」
良かった、このケダモノフレンズ姉達は基本的に木曾に厳しいようで甘いので追求は振り切った、感謝しろよ、同志木曾
「あ、サイダーなくなったクマ、多摩、サイダーくれクマ」
「多摩は100%中の100%リンゴジュースにするニャー、提督もなんか飲むニャ?」
「あ?あぁ、じゃ焼酎のお湯割りを貰おうか」
「お湯ないからサイダーで割れクマ」
「とってこいよ!!ママー!お湯!お湯用意してェー!」