【登場人物】
戦艦水鬼
戦艦棲姫の上位種、黒ドレスが似合うエロい人、ムラムラします
戦艦ル級
深海きってのはヤンチャボーイ、とにかくヤンチャで道中ワンパンチ完了は当たり前
軽巡ツ級
説明不要のとにかくデカい、手が
中枢棲姫
メチャ怖くてメチャシブい
戦艦棲姫
通称、ダイソン
砲弾に回転かけて吸い寄せる吸引力抜群の手●ゾーンの使い手
人類の敵、深海棲艦
深く暗い海の底からやって来たかつての大戦の怨霊の類、軍の些かヤンチャな部門が造り出した禁忌の生体兵器、この星が産み出した人類と言う名のゴミを排除する守護神
その諸説は色々あるものの、詳しい事は現在もわかっておらず、とりあえず人類に攻撃してくる事からとりあえず敵と認定されているふわふわした存在で、それを疑問に感じて深海棲艦の謎に迫ろうとした将校は勇敢な若手のイケメンだろうが家に帰れば美人な奥さんと可愛い盛りの娘がいる有能将校だろうが行方不明なり二階級特進するハメになる、海軍の闇は深い…
そして…今日はそんな謎多き深海棲艦に迫る
◆◆◆
深海棲艦の棲み家、深海秘密基地…
「とゆーワケで、誰かいい案ない?」
海で拾った黒板の前に立つ艶やかな黒髪ストレート、戦艦水鬼は白いチョークを手に集まった深海の戦士達に良案を尋ねる…
今日の深海定例会議、議題はもちろん海軍壊滅作戦についてである
「ル級、アンタは?」
「ハァ?真っ直ぐ行ってブッ飛ばす!やっぱコレだろ?」
戦艦ル級、最初にして最強と呼ばれる深海きってのヤンチャボーイ
「ヒュー!ル級クンマジカッケー」
「メチャシブっすよ!」
「真っ直ぐ行ってブッ飛ばす、っと……はい他にはー?できればもうちょっと頭良い感じの答えで」
律儀に真っ直ぐ行ってブッ飛ばすと黒板に書き込み、戦艦水鬼はややウンザリした様子で次の意見を求める
「集ちゃん、何かない?」
「…」
集ちゃんこと集積地棲姫は海で拾った携帯ゲーム機をスタイリッシュに操作しながらその画面を凝視していた
「集ちゃん?」
「よぉーし!!ディアブ●ス殺ったァ!!コラァ!見たかコラァ!」
スパーン!!(深海ビンタ)
「でめにぎすッ!」
「会議中にゲームすんな、没収」
「ちょ!待てよ!!」
戦艦水鬼は集積地棲姫の携帯ゲーム機を没収して胸の谷間にINして溜め息をついた
「早く良い案出さないと会議終わんないから、全員帰れないから」
「ハイ!」
「はい、ツ級!」
元気良くその無駄に大きな手を挙げたのは軽巡ツ級、とにかくデカい
「とりあえずアイツらのアタマを殺るのはどうでしょうか?」
「アタマ……司令官ってこと?」
「ハイ!そうすればアイツら基本バカなんで勝手に瓦解するのでは?」
「ふむ…」
戦艦水鬼はアタマを殺ると書き込みうんうんと頷いた
「ツ級オマエ頭良いな!」
「やっぱ深卒のインテリは違うわ」
「アイツらのイヤがるコト考えさせたら天下一品…いや、深海一品だなオイ!」
いやぁ~それほどでもと謙遜しながらツ級は着席した、顔はよくわからないがたぶん照れてるのだろう、彼女はきっとこれからの深海を担う良い戦士になると戦艦水鬼は感じていた
‐‐‐
会議開始から三時間…
「え~…とりあえずこんなもんかな」
1:真っ直ぐ行ってブッ飛ばす
2:アタマを殺る
3:輸送船を片っ端から襲う
4:目が合った奴は皆殺し
5:誇りある講和
6:女は殺す、男は犯す
「……」
冷静に見たらロクな案ねぇなと思いつつ、戦艦水鬼は溜め息をついた、誰だよ講和推進派…
「…オマエらよォ~」
お誕生日席と言う名の上座に座り、今まで一言も発言しなかった中枢棲姫がついに重苦しい口を開く
「どいつもこいつもアタマ悪りぃーコト言いやがって、ヤル気あんのか?ア゛ァ?」
「ちゅ…中枢クン!」
「中枢クン!」
中枢棲姫、ラスボスの風格すら漂う深海棲艦の大物で見た目が超怖い、その傷だらけの姿は夜中にトイレに行こうとして不意に遭ってしまえばお漏らし確実ぅ!と言えるぐらい怖い、しかし、見た目は超怖いがペットのリュウグウノツカイを可愛がるなど深海魚に優しい一面もある
「アイツらブッ潰すにはこっちが有利なトコに引き込めばイイんだよォ?ナァオイ?」
「し…しかし引き込むと言っても」
「人質でもナンでもとりゃイイだろーが、カンタンだろォ?」
「ヒュー!さすが中枢クン!マジ凶悪ーッ!」
「なるほど!人質とは思いつかなかったぜ!」
「やっぱ中枢クンはすげぇよ、ハンパじゃねぇ…」
たしかに、人質をとってこちらのフィールドに引き込むと言う作戦はアリだろう
「とりあえずテキトーなヤツ攫って来い」
「しかし攫って来た後にどうやってアイツらに伝えるんです?アイツら基本チンパンジー以下だから話し通じるか怪しいですよ?」
いつも問答無用で殴りつけてくるアイツらに果たしてこの作戦は通用するのだろうか…
◆◆◆
「とゆーワケで、君を攫って来たワケよ」
「はぁ…」
深海秘密基地、十二畳ほどある暖色系の家具で揃ったリビングで意外と美味しい深海ココアを飲みながら私は疲れた顔をした戦艦棲姫さんの話に耳を傾けていた
「で、君を攫ったから帰して欲しければ取り返しに来いって伝える役目に出した駆逐棲姫はまだ帰って来てないってワケね」
「たぶんですけど、あの人達バカだから気付いてないんじゃないかと…」
最初は聞き取りにくかった深海語も今ではペラペラです、はい
「…え?そんなにバカなの?」
「はい」
特に、夕立姉さんと村雨姉さんはバカだから私に良く似た駆逐棲姫さんをシャンプー変えた?とか言ってそのまま私と思ってそう…
「あー…そっかー、そこまでかぁ~、やっぱワ級に行ってもらった方が良かったかなぁ~、あの子だったら日本語ペラペラだし」
輸送ワ級は日本語ペラペラだが見た目がキモいのでいきなり撃たれるかもしれないので、とりあえず見た目は艦娘似の子をと選んだらしいです、はい
「あ、おかわりいる?」
「あ、いただきます」
◆◆◆
地域密着型左遷海軍基地…
「先日の九九のテストだが~…なんと春雨が百点をとった!はいみんな拍手ぅ~」
パチ…パチ…
「春雨のくせにすげーっぽい」
「お姉ちゃん鼻高いわぁ~」
「よく頑張った!先生感動したッ!」
『アハハ……アリガトウゴザイマス』
教室内に温かい拍手が響き、照れた様子の春雨?がみんなにヘコヘコと頭を下げている姿を俺と五月雨は廊下から見ていた…
「………まだいる」
「どうするんですか?アレ、普通に馴染んでますけど…」
「なんで誰もツッコまないんだよ!誰かツッコめよ!」