【登場人物】
長門(12)
写る●ですを愛用する青葉より良い機材を使っている
Warspite(5)
とても高貴な御方、駆逐艦のキッズ達からは絶大な人気を誇る高貴な御方
寒波の影響で先日未明から降り続けた雪、この地方では年に一回、積もるか積もらないか微妙なところだが今回は積もった
駆逐艦のキッズ達がキャッキャと雪遊びしてハシャぐくらい積もった
「雪遊びに興じる駆逐艦か…フッ、胸が熱いな」
グラウンドに来てみると、ハシャぐ駆逐艦達をイ●オン砲みたいなカメラで激写する悪質なカメラマン、長門がトレビアンとか言いながらシャッターを切っていた
「オイ、あっちに浜風ちゃん居るから浜風ちゃん撮れ、浜風ちゃん」
銀世界に浜風ちゃんの姿はよく映える、そこに居るだけでまるでルネサンス期を感じさせる一枚の絵画のようだ、出来る事なら大判写真にして部屋に飾っておきたい
「やはり暁ちゃんはいいな!最高だ!なぁ?同志大尉」
「同志じゃねぇし大尉でもねぇよ、いいから浜風ちゃん撮れよ、余計なモン写っても浜風ちゃんのトコだけ切り取るから」
「浜…?浜、あぁ、アイツか……このビッグセブン、フィルムの無駄使いはしない主義でな」
「何オマエ浜風ちゃんディスってんだコラ?オモテ出ろよ、タイマンだ」
「ここはもうオモテだ、同志提督」
俺と長門の間にアツかりし火花が散る、被ダメージの無いコイツを殺るには俺も命を賭ける必要がある
「あ、テイトクと長門サンだ!」
「テイトクとナガトサンも雪合戦やろーよ!雪合戦!」
俺と長門がメンチ合戦と言う名のワンサウザンドウォーズを繰り広げていると、アホの侵略ZERO革命、キヨシとリベッチオがやって来た
「あ゛?」
「なんと!?こ…このビッグセブンも雪合戦に参加していいのか!?」
「いいよー!」
キャッキャとハシャぐ無邪気な悪鬼の言葉に、ビッグセブンの目から熱い涙が溢れ出した
「なぁ同志提督…」
「なんだ?」
「このビッグセブン、今日、この命燃え尽きても悔いは無い」
「そーゆーのは最終決戦のアツい戦場で言ってくれ」
「よぉーし!!このビッグセブンの力投を見せてやるぞォ!!同志提督、肩を作るから相手をしてくれ!」
コイツの力投は駆逐艦に死者が出るような気がするんだが…
俺と長門は駆逐艦どもキャッキャとハシャぐ戦場へと行く事にした
‐‐‐
「じゃ、テイトクと長門サンはドンスコイさんチームね!」
見たところ総勢で30人くらい居るだろうか?それをドンスコイさんチームとサーバルキャットさんチームと言うファンキーな名前で2つのチームに分けていた
「しかし清霜よ、このビッグセブンが加入したチームとそうでないチームは戦力に差が出てしまうのではないか?」
「大丈夫!」
「リベ達のチームにもバロシいるから!」
…バロシ?あぁ、戦艦か、まぁこんな庶民派雪遊びに付き合う面倒見のいい戦艦と言えばキッズ達に人気の陸奥……
「陛下ァ!こっちこっち!」
白銀の世界をゆっくりと歩くその決して抑えきる事が出来ない高貴な輝き…
「Snowballing?いいわね、とても面白そう」
陛下ァァァァァァ!!このガキどもォ!!よりにもよってこの庶民派雪遊びに最も高貴な御方を連れてきやがったァァァァァァ!!
「あら?Admiralとナガトも居るのね」
「へ……陛下ッ!陛下のような高貴な御方がこのような俗世の庶民派雪遊びなどしては高貴なお召し物が…」
「良いのです」ニコッ
バキィ!!(小指)
降臨するだけでキッズ達の心臓を鷲掴みになさる陛下、その高貴な微笑みの前に屈しかけた膝を、俺は左小指の痛みと引き換えに耐え抜いた
「陛下はリベ達と同じチームね!テイトクとナガトサンは敵だよ」
「I understood、頑張りましょうね」ニコッ
「なんだよ陛下はサーバルキャットさんかよ!」
「ハラショー、サーバルキャットさんじゃないのが残念だよ」
陛下の加入に沸き立つサーバルキャットさんチーム、そして…
「クッ!ウォースパイトめッ!このビッグセブンの人気をッ!投網一発!根こそぎ!一瞬で持っていかれたッ!人気と言う名の魚群ッ!」
さっきまでビッグセブンビッグセブン讃えていたドンスコイさんチームのキッズ達も陛下の降臨に大興奮が面白くない長門は雪玉を執拗に圧縮していた
「とりあえずドンスコイさんチームのオマエら、間違っても陛下には絶対に当てるなよ!いいな!?」
「えー?雪合戦なんだから当てないと意味ないっぽい」
「そうそう、キレーな顔フッ飛ばしてやらないとぉ」
「黙れクズどもが、いいか!陛下にはパウダースノーを掠らせる事すら許さん!」
もし陛下の高貴なお身体雪玉が触れようものなら国際問題、御尊顔に当てようものなら裁判無しの即ギロチンが待った無しだろう
「そうだぞ同志提督、雪合戦とは殺るか殺られるか、どちらかが滅びるまでがルールだ」
「特にオマエに言ってんだよこのクソ戦艦が」
もはや圧縮し過ぎてブラックホールでも発生するんじゃないかと思われる長門のスノーボール、おそらく喰らえばナノラミネート装甲すら貫くだろう
「みんな!雪玉は持ったな!行くぞォ!このビッグセブンに続けェェェェェ!!」
「やめろォ!!」
唸り上げて放たれる長門の豪球が陛下に向かって一直線に飛ぶ、確実にインハイで殺る気だッ!
「うぼぁー!!」
「う…浦風ェ!!」
しかし、その豪球はたまたま陛下の前を横切った浦風の左胸になんとか弾かれ、浦風は反吐をブチ撒けながら倒れた、おそらくは谷風くんなら即死だっただろう
「浦風ェ!!クソッ!浦風が殺られたァ!」
「チクショウッ!浦風の胸がパンパンに腫れてやがる!パンパンに!」
「ホントじゃあ!まるでマシュマロみたいにモチモチじゃあ!」
「…チッ、運のいいヤツだ」
長門は次弾を握り締めて舌打ちした
「やめろオマエ!今のは浦風だったから良かったが望月さんなら死んでいるぞ!」
「ふむ、加減が難しいな」