【登場人物】
提督(81)
その美しさは88の聖●士の中でも随一と言われていたりいなかったり
鈴谷(30)
プロのビッチ、略してプロビッチ
チラつく雪にうんざりする冬の日、今日は五月雨も見たい番組があると休暇をとっており、一人、執務室で開放感を感じようと前々から考えていた瑞鳳イチオシの足がかわいいと定評のある九九艦爆でヌいてみるのはどうだろうかと思い立ち、俺は服を脱ぎ捨て鏡の前に立ち、己の美しさに勝てるのはギリシャの神々でも難しいだろうと考えていると、運悪く鈴谷がやって来た
「へ…変態ッ!変態かッ!?」
「変態じゃない、提督だ」ググ…
「服ッ!ちょ!まず服…いや!パンツ!せめてパンツ穿いて!」
「パンツか、ふむ…」グググ…
股間のフキダシが少年誌の限界を見事に守護りきり、俺は脱ぎ捨ててあった服を着直した
「で?何の用だ?」
「何の用だ?じゃないよ!なんか前にもあったけど用事を忘れる衝撃すぎるわ!」
忘れるなら大した用事ではないのだろう、しかしコイツほどのプロビッチならばたかが男の裸など見慣れているだろうに…
「ご覧の通り、俺は忙しいのだが?」
「や、どー考えても忙しくないでしょ、完全に暇を持て余して奇行に走ってたじゃん」
「奇行ではない、己自身を姿見で写す行為、君にもあるのではないかね?」
「や、そりゃあるけど…風呂入る前とか」
「だろう?」
「だろう?………じゃねーし!ちょっと納得しかかったけど、冷静に考えたらおかしいじゃん!昼間っから執務室で全裸!やっぱ奇行以外の何物でもないよ!」
チッ、なかなか賢しい子だね
「大人はふとした時、全裸になりたくなるものだよ」
「はぁ?」
「それが大人の特権だよ」
「や、意味がまったくわかんねーし」
俺は冷蔵庫から買い置きの缶コーヒーを取り出しプルトップを開けてひと心地き、机の引き出しから新品のLED電球を取り出した
「それで?何の用だ?」
「だからその用事を忘れたってば…まぁいいや、お小遣い頂戴、鈴谷新しいゲーム欲し…」
「千円ぐれーでいいか?」
「や、できればもう一声ぐらい…」
「千一円」
「ケチか!!」
「ケチじゃない、提督だ」
「クッ!でも無条件でお小遣いが貰える数少ないチャンス………わかった、千一円で!」
「誰が無条件と言った、カスが」
「え゛?タダじゃないの!?」
何をそんなに驚愕する事があろうかね、このカスは
「や、お小遣いってフツータダで貰えるもんじゃないかと…」
「なに、大した事ではない、ちょっとその若さ故に持て余し気味の身体に奉仕作業をして貰うだけだ」
「ほ…奉仕ッ!?」
「とりあえずそこで四つん這いになって貰おうか」
「いやいやいや!ちょ!ちょい待ち!ステイステイ!ちょ!待とう!や、いきなりそれはなんっーか、いや!ちょっと安過ぎるっーか」
「ゴチャゴチャ言ってるんじゃないよ」
「せ…せめて!せめて五桁!せめて五桁頂ければ鈴谷的にもまぁ納得できるっーか、そーゆーのはお互いがお互いの利益と言いますか、提督の猛りはしずまり、鈴谷はお小遣いを頂けて双方納得の上で致す方が良いものかと?」
ナニ言ってんだコイツ?イカレているのか?俺はただ、電球を替える踏み台が欲しいだけなのだが…
「それに五桁と言ったものの、一万円では些か安過ぎると言うかぁ~…まぁほら?アレじゃん?鈴谷もそれなりに人気者なワケだし、まぁ一万円なら手か足か…や、口でいいや!大サービス!口で!」
「ナニ言ってんだオマエ?イカレているのか?」
「イカレてねーし!」
ゴン!ゴン!
執務室の重厚な扉を叩く音がして、返事をする間もなく緑の頭をした駆逐艦が入ってきた
「…あそびに、きたよ」
「む、山風か…」
改白露型のチビスケ、山風は毛の生えてないキモい生物を両手に抱えていた
「ナニそれ?キモっ」
「…キモくない」
「チビスケ、電球替えたいから手伝え」
「…電球?いいよ」
俺はスタイリッシュに山風を肩車し、執務室の切れかかっていた電球をLED電球に交換させた
「…できたよ」
「よくやった、お小遣いをあげよう」
俺は山風を下ろし、千円札を手渡した
「ちょ!待てよ!」
「なんだ?プロビッチ」
「ビッチじゃねーし、プロでもねーし!え?ナニ?電球替えるって…」
「だから四つん這いになれって言ったろーが」
「あの…もしかしてアレでしょうか?鈴谷を踏み台にする気だったと?」
「それが大人の特権だよ」
「ファーック!!意味わかんねーし!!」