不健全鎮守府   作:犬魚

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まさかのしょーもない思いつきを拾って頂いた事に対する返しの刃回

【登場人物】

鈴谷(29)
ビッチ、悩み多き年頃
カレーが好き

熊野(13)
エセガント、ズイウンバトルに情熱を燃やす多感な年頃、ズイウンバトルで世界征服する組織とか地球が危ないとかよくあるコトですわっ!


鈴谷と熊野と電話相談

重巡寮、さわやか寮…

 

「あのさぁ~鈴谷こないだ電話相談窓口ってのに電話したワケよ」

 

特にやる事も無い休日、部屋着のダサいシャツとパンツ1枚、ベッドの上でゴロゴロと古鷹さんから借りた蒼の祓●師を読む鈴谷は同室の相棒に話しかける

 

「電話?テレクラですの?」

 

「テレクラじゃねーし、電話相談だし、っーか熊野よくテレクラとか知ってるな!?」

 

「じゃあダイヤルQ2ですの?」

 

「電話相談って言ってるだろォ!!」

 

「あぁ…電話相談、ってか、そのハナシ長くなりますの?私、今、新しいズイウンのチューニングに忙しいんですけど?」

 

ズイウンの足まわりをチューンするのは実に繊細な作業だと言いながら熊野は手にしたヤスリを机に置いた

 

「なんかネットで見た艦娘お助けダイヤルとかゆーのに電話したワケよ?」

 

「なんですの?それ」

 

「知らない、なんか職場環境がどーのこーの書いてたから、ちょっと鈴谷に対して上司が厳し過ぎる件を相談したワケよ」

 

「へぇ~、で?ハイハイ言われて切られたと」

 

「なんでわかったの!?」

 

「どうせイタズラ電話の類と思われたに決まってますわ」

 

「クッ!!…言われてみるとなんかそんな気がするっ!」

 

「話はそれだけですの?暇なら自販機でティーでも買って来て頂けません?」

 

「は?なんで鈴谷がパシられなきゃなんないワケ?自分で行けよ、ってか鈴谷今超忙しいんですけどー?」

 

「部屋着のシャツとパンツだけでゴロゴロ転がってエロ本読んでるヤツに言われたくありませんわ、あとチ●ビ勃ってますわよ」

 

「勃ってねーし!ってかエロ本じゃねーし!蒼エクだし!」

 

熊野は溜め息をついて椅子から立ち上がり、ポケットに小銭入れを入れた

 

「私、自販機でティー買ってきますわ」

 

「鈴谷コーヒーね、微糖」

 

「死ね」

 

「妹からも厳しいッ!!」

 

妹である熊野から汚物を見るような視線と憎悪を込められた罵倒…

熊野は最高のチューニングについてブツブツと呟きながら部屋を出て行った

 

‐‐‐

 

「…遅いし」

 

熊野が自販機にティーを買いに行って1時間は経ったであろうか、鈴谷はそろそろ不浄王編が佳境にさしかかるところまできていた

 

「たかがティー買うだけでどんだけかかってるんだっーの」

 

鈴谷は蒼エクを閉じ、枕元に置いてある携帯電話を取り、熊野に電話してみた

 

「…」

 

『もしもし?熊野で御座います』

 

「あ、熊野、私私、私じゃーん」

 

『私私…?ハッ!コレは噂に名高い“ママ!助けてママーッ詐欺”ですわね!』

 

「鈴谷だよ!!っーか着信登録してるだろッ!」

 

鈴谷はイライラしながらツッコミを入れ枕に拳を叩き込んだ

 

『あら?鈴谷でしたか、何か用ですの?』

 

「ナニか用もなにも…たかが自販機にティー買い行っただけでやたら時間かかってるからナニかと思って電話したワケよ」

 

『あぁ、そんなコト…』

 

「ってか熊野どこにいんの?なんか周り騒がしくね?」

 

『ちょっとお高いカレー屋ですわ』

 

「なんで自販機にティー買いに行ってちょっとお高いカレー屋に行ってんの!?」

 

『まぁ手短に説明しますと、自販機でティー買おうと歩いてたら丁度提督と髪の長い秘書の、え~……サミダンテさんとお会いしまして、え?違う?サミダレ?あぁそうでしたわね、サミダレさんでしたわ、熊野うっかりですわ』

 

電話の先からまるでアメリカンホームコメディのようなアットホームで陽気な笑いが微妙に聞こえてきた

 

「サミーの名前とかどうでもいいわ!っーかナニ?今、提督とサミーと一緒に居るワケ?」

 

『いますわよ、提督がカレー食いに行くから付き合えとお誘いされ、ちょうど小腹も空いてましたし』

 

「ファーック!!!」

 

鈴谷は携帯電話を枕元に思いっきり叩きつけた

 

「フゥー…フゥー…!」

 

『なんですの今の音?』

 

「なんでもねーし」

 

『まぁそーゆーワケで今は食事中なので切りますわよ、は?交換?う~ん、まぁいいですわ、では私のメンチカツと提督の茄子を交換で…』

 

ブチッ!!!

 

「…熊野の野郎ォ、切りやがったし」

 

ナチュラルにカレー食いに誘われただけでなく、しかも!トッピング交換までする仲の良さッ!!

前々から疑問に思っていた鈴谷と熊野に対するこの扱いの差ッ!!

 

「フフフ、ハハハ…アーッハッハッハ!」

 

…鈴谷はベッドの上でひとしきり笑い、深く、闇より暗い瞳で再び携帯電話を手に取りプッシュボタンを押して番号をダイヤルする…

 

プルルルル…プルルルル…ガチャ!

 

「………あ、もしもし?鈴谷とゆーモンですけど、ちょっと相談したいコトあるんですけどー」


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