後編です
【登場人物】
鈴谷(27)
アフターサービスはキチッとシメられた
ポーラ(4)
見た事全てを学習し、さらに即座に応用する天才
五月雨(31)
よくデキた秘書艦、とにかくポジションがブレない
「ところでテイトク」
「なんだ?」
提督の隣で骨付きチキンにワイルドに噛みついていると、ふと、恐るべき事実に気付いてしまった
「こー見るとアレだね、鈴谷と提督とそのチビスケと並んでると仲良しファミリーみたいじゃね?」
「は?ナニ言ってんだ?マジキモい」
「キモくねーし」
よく見たら、このチビスケと鈴谷の髪の色はちょっと似てる気がするし
「ときに鈴谷」
「ナニ?」
「クリスマスだしプレゼントをあげよう」
「は?」
「は?じゃねーよ、現金でいいか?」
提督は懐からスタイリッシュに紙幣の束を取り出し、クーリッシュに鈴谷に手渡す
「え…?いや、え?マジ?こんなにくれるの?」
「鈴谷は温泉が好きなんだろう?それで別府温泉にでも行って来なさい」ニコッ
「え?えぇ?いや、え、まぁ…たしかに、鈴谷、お風呂とお金大好きですけど…え?マジ?マジでくれるの?」
「もしかして、足りないのかね?」
「いやいやいや!足りるよ!全然足りる!むしろお釣りでバーバリー買えちゃう!え?マジでいいの?マジで貰うよ!?」
「メリークリスマス」
「あ…ありがとう…っ!ありがとう…っ!!いいのかなぁ?鈴谷ッ!こんなに幸せでいいのかなぁ!」ポロポロ
提督がこんなに鈴谷に対して優しい…っ!まるでユメみたいだッ!! ありがとうッ!ありがとう!私は提督の手を握り締め謝りたいと感じている、だから感謝と言うのだッ!
◆◆◆
「あの…?鈴谷、なんできっしょいアヘ顔さらして寝てますの?」
「…さぁ?クリスマスだし、良い“ユメ”でも見てるんじゃねーの?」
巻きグソみたいなクリームを乗せたよくわからない甘い物を持った熊野は1つ上の姉がアヘったまま達している姿を見てドン引きしていた
「オマエのキョーダイだろ?ちゃんと部屋に連れて帰れよ」
「うえ…正直、イヤですわね…なんか股から垂れてるし」
「尿だろ」
さて、とりあえず鬱陶しいビッチは始末したし、更に鬱陶しいチビスケは改白露型の美少女ネーちゃんに引き渡したし、煙草でも吸いに行くか…一応館内禁煙だから外に行かなにゃならんのが面倒だ
ドンッ!!
「ぐあっ!!」
歩く俺の足に、ハシャぎ回っていた暁ちゃんが衝突した
「あ…!暁のアイスがぁぁぁ」
「悪いな暁ちゃん、俺のズボンがアイスを食っちまった、次は五段のを買うといい」
なんか以前もあったような気がするが…ロ●アの俺に平然と攻撃をぶつけてくるとは、大した覇気だ、彼女はきっと大物になるだろう
「さて…煙草煙草」
ドンッ!
「ぐほぉ!!」
館内を出ようとする俺に、更に何か大きな衝撃がぶつかり上着がアルコールまみれになった
「あ~…ポーラのお酒ぇ~…もぉ~」
イタリアから来たアルコールモンスター、ポーラッ!ポーラは俺に酒をBUKKAKEた事を悪びれる様子も無くニコニコしながら俺の前に両手を出した
「…なんだこの手は?」
「え~?ポーラ見てましたよぉ…テイトクの上着がポーラのお酒飲んじゃったんで次は5桁のお酒を買えばいいって………アダッ!!痛い!痛い痛い痛い!ちょ!痛い!割れるッ!ポーラの頭割れるぅぅぅぅぅ!!」
所謂、アイアンクローの形でポーラの頭を持ったまま持ち上げ、そのまま勢い良く地面に叩きつけた
「ナポリッ!!」
「テメーに“ユメ”は勿体ねーよ」
クリスマスにはバカが増えるから困る、さっさと煙草吸って帰るか…
とりあえず体育館から出て、胸元のポケットに入っている煙草を取り出して火を点けた
「フーッ~…」
あとは好きにやらせてさっさと私室戻って陸奥から借りた最●記のDVDでも見るか
「お疲れ様です」
「ん?あぁ、お前もな」
オシャレケーキを持ち、いつもの髪長秘書艦がぬらりと現れた
「おひとつ如何ですか?」
「もう食った、腹ァいっぱいだぁ」
「そうですか」
静かな外とは対象的に、館内はカラオケが始まったらしく、無駄に高い歌唱力とよく訓練された合いの手が聞こえてくる
「オマエもキャーキャー言ってこいよ」
「ケーキ食べてから行きます、提督はもうお帰りで?」
「あぁ、帰って最●記見るんでな」
「幻想●伝ですか?」
「幻●魔伝」
「ちなみに私はアリだと思ってます、ホ●ラ」
「俺もなんやかんや好きだよ、ホ●ラ」
ちなみに陸奥は当時、悟浄にハマったらしい
「まぁ、ハメ外すのも大概にしとけよ」
「無駄だと思いますが伝えておきます」
次回から通常運転ですって