不健全鎮守府   作:犬魚

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誰が敵で、誰が味方なのか、それは誰にもわからない回

【登場人物】

比叡(2)
金剛型二番艦、かつて全てのヤンチャシップ達の抗争を終わらせた戦慄のフォーシスターズの1人
磯と違い、見た目からして不味そうでやっぱり不味い料理に定評がある



発令!艦隊作戦第三法②

『ヨクミツケマシタネェ…ゴホウビデス…アイテヲシテサシアゲマスワ!』

 

本土沖太平洋上、遂に激突する連合艦隊VS連合艦隊、期待のスーパールーキー水母水姫率いる深海連合艦隊の志気は高く、水母水姫は頑張って練習したセリフを噛む事無く言い切った事に随伴艦の深海シップ達は心の中で喝采を贈った

 

『シズメェ!!』

 

更に駄目押しのシズメェ!も決まった、これでもう相手の志気はズタズタになり、跪いて許しを乞うだろう…

 

「は?」

 

「なに言ってんだ?カス」

 

『チョ!痛ッ!痛イ!ナニコレ!?チョ痛イ!マジ痛イ!ヤメテ!マジデヤメテ!!』

 

悪名高きダークネスドラゴン、二航戦による容赦の無い艦攻

 

「バカめッ!オラァ!バカめッ!バカめ!答えはバカめだッ!」

 

「もう降参しろよ?あ゛?なんだって?聞こえねーッ!」

 

先を競うようにハードゴア重巡の妙高型と高雄型が目が合った奴に強パンチと凶弾を撃ち込む

 

『ヒイィ!ヒイイィィ!!』

 

『チクショウ!アイツラマジハンパネェ!』

 

『コッチモ連合艦隊ナンダゾォ!?』

 

期待の深海連合艦隊は何事も無かったかの如く壊滅状態に追い込まれ、一人、また一人とブクブクと気泡を残して沈んでゆく

 

「比叡サン!残敵はなんかシャレオツな帽子被ってるヤツだけです!」

 

「ん?あぁ、なに?」

 

今回の連合艦隊旗艦、金剛型の二番艦、比叡

現在暴れ回っている高雄・妙高型重巡すら戦慄させる当基地きっての暴力の化身、金剛姉妹の一人

基本的には姉妹以外は全てゴミと思っており、趣味はト●ルコングを痛めつける事と料理

 

「私は珍しい魚穫るのに忙しいから誰かテキトーな娘が首をあげたら?」

 

そして、珍しくMVPを挙げて大金を掴む事に興味が無い稀有な艦でもある

 

「押忍!ごっつあんです!」

 

‐‐‐

 

『ヒイイィィ!!』

 

「逃がすなァ!囲め囲めェ!」

 

深海連合艦隊は水母水姫を残して壊滅した

 

『チクショウ!チクショウ!』

 

デビュー戦が決まった時、やっぱ旗艦なんだから箔つけねぇと舐められちまうっすよと、みんながお小遣いを出し合って買ってくれたオシャレな帽子もボロボロになってしまった

 

『ウヘヘヘ、ドウカナ?カワイイカナ?』

 

『イケテルイケテル!』

 

『ナポ●オンミテーッスヨ!』

 

目を閉じると走馬灯のように思い出せる、そして、それと同時に怒りがこみ上げてくる、この怒りを夜戦で爆発させろと!

 

「ミカ」

 

夜戦突入、比叡は第二艦隊旗艦、三日月の名を呼び、簡潔に要件だけを告げる

 

「なに?」

 

「やっちまえ」

 

『チクショウガァ!!オマエモ連レテ行ッテヤ……』

 

パンパンパンパン!

 

三日月の主砲が水母水姫のアタマを容赦無く撃ち抜き、水母水姫はブクブクと気泡を残して沈む

自分を撃ち殺した駆逐艦を下から眺めながら、嗚呼キレイダナァ…なんで自分はああじゃないのか?なんで自分は濁っているのかと考えながら水母水姫の苦いデビュー戦は終わった

 

「終わったよ」

 

三日月はカ●リーメイトをポケットから取り出して袋を海に捨て、ポリポリとかじりながら作戦完了を告げた

 

「よし、じゃ~帰るべ帰るべ、比叡サン!」

 

「ん?あぁ、終わった?じゃ、帰ろうか」

 

比叡は垂らしていた釣り糸を引き上げ全隊帰還の準備を始めた

 

「比叡サン!あそこ!あそこにナンか浮いてますよ!」

 

「ホントだ!なんかすげートリコロールなのが浮いてる!」

 

「ん~……ナニあれ?一応拾っといて」




次回は時事ネタ、次々回から後半の海

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