【登場人物】
提督(57)
だらしない提督ですまない…
潜水艦
おかけになった電話は…
海上輸送作戦成功の報を受け、次なる作戦海域の準備をする為にあらゆる手段で情報を集めていると、出どころはよくわからないものの非常に興味深い情報が出回っていた
「…潜水艦だと?」
「潜水艦らしいですね」
本土防空を主とする次の作戦、敵部隊を急襲するには潜水艦隊でも案外いけるらしいのだが…
「いいじゃないかね」
実にエコじゃあないか、作戦はまだ序盤戦、後半は重火力高燃費のヤンチャボーイズ達の投入が控えているのを考えると、ここをエコに乗り切れるのは素晴らしい事だ
「よし、潜水艦のバカどもを呼べ」
「居ませんけど?」
「は?」
「居ませんけど?」
「居ないって…オマエ、何言ってるんだ?ウチには平均練度97の頼れるサブマリナー達がいるだろーが」
五月雨は無言で決裁済みと書かれた棚から一枚の紙を取り出して机の上に置いた、なんだこの紙?辞表か?
「休暇願……だと?」
「もう、とっくに受理されてます」
「あ…?あ…?」
「ってか、提督が許可したんじゃないですか、皆さん今頃ベガス行ってカジノロワイヤルしてますよ」
しまったァァァァァ!!そうだ!アイツら作戦期間中は長期休暇だーとか言ってやがったァァァ!!
「今すぐ呼び戻せッ!」
「無茶言わないでくださいよ」
「あのバカども!どこに行きやがったァァァ!別府か!?」
「ラスベガスです」
「あのカスどもがァァァ!!なんでそんな遠く行ってんだァ!異国の地か!異国の海か!何考えてんだあの痴女どもは!軍隊舐めてんのかーッ!」
「…そもそも、提督が休暇の許可与えてるじゃないですか」
「電話だッ!電話繋げ!」
「はぁ、別に構いませんが…」
俺は受話器を手に取り168のスマホみたいなのに発信した
『うぇ~い?もしもぉ~し?』
「俺だ」
『誰?』
「誰じゃない、提督だ」
『あ~…なに?今こっち夜なんだけどぉ~、後でかけ直していい?』
なんだ寝てたのか、まぁいい、用件だけ手短かに伝えるか
「今すぐ帰って来い、全員」
『は?』
「帰国しろ、出撃だ」
『おかけになった電話は電源が入ってないか電波が届かない場所にあるためかかりません』
「う゛おおおぉぉぉい!!」
ブチッ!!ツー…ツー…
「あの野郎ォ、切りやがった、クソッ!!」
もう一度電話をかけるが今度はコールすらしねぇ、あの野郎、電源も切りやがったァァァ!
「…」
「コーヒー飲みますか?」
「いらんッ!」
あのバカどもが、帰ってきたら全員土下座だな
「まぁ、潜水艦隊はエコですけどボスへの到達に少々難があるらしいですし…」
「…ヤツらを呼べ」
「は?」
「高雄と愛宕、あと…二航戦だ」
次回は②!その次はナイトクラブin鈴谷だよ!