【登場人物】
個室A
頭と股の緩さに定評のあるビッチ
個室B
戦闘力皆無の新妻系ビッチ
個室C
オラついてンけどよォー、やっぱねーちゃンはコエーすンよ
「サンマ漁か」
「サンマ漁です」
五月雨の差し出した本部から来た一枚の司令書、そういや去年もあったなサンマを捕って来いとのワケわからん命令が…
おそらく、軍本部と漁業組合の黒い癒着とかあるんだろう
「どうしますか?」
「誰かヒマなヤツに行かせろよ、誰か居るだろ?暇人」
「…大和さんとか?」
最大最強の大和さんにサンマ漁行かせるとかナニ言ってるのかね、この子は…
たしかに、暇人の大和さん頼めばなら喜んで行ってくれるだろうが、スーパーカーみたいな燃費なので洒落にならない
「ま、後で暇そうなヤツに声をかけるか」
「どちらへ?」
「便所、ついてくんなよ」
「行きませんよ、あ、ついでに東側の女子トイレの電球切れてたから替えてきて下さい」
「やだよめんどくせぇ、自分で行けよ」
「手が届かないんですよ」
「手が届かないなら脚立でも竹馬でも使えよタコが」
◆◆◆
結局、電球を押し付けられた俺は己の用事を済ませてから東側の女子トイレへとやって来た
「汚ねぇ便所だな、誰だよ掃除当番は」
壁に貼られた当番表には朝潮型と書かれていた、後で香取先生から尻でも叩いて貰うか…
「さっさと替えるか…」
五月雨から受け取った電球、生意気にもLED電球か…生意気じゃねぇか
『あのー…スイマセン、もしかして、そこに居るの提督ですか?』
「あ?」
トイレのドアから何やら声がしたが、あぁ、まぁ便所だし誰か居てもおかしくないか
「提督ですが?何か?」
『何か?じゃねーし!なんで女子トイレに居るの!?変態じゃん!』
さらに違うドアからも声が聞こえる、よく見ると、3つある個室は全てドアが閉じており、どうやら使用中らしい
「変態じゃない、提督だ」
『あの…何故女子トイレに?』
「電球替えに来たんだよ、まぁ気にせずに脱糞してくれ」
『う●こじゃねーし!』
『だ、大じゃありません!』
『できるワケねーだろ!ボケッ!!』
3つの個室全てから非難の声を浴びてしまった
たかが糞ぐらいで……いや、もしかして
「あぁ、すまんすまん、尿の方か、どっちにしても気にせず続けてくれ」
『できるワケねーし!』
『そうですよ!』
『っーか早く出ていけよォ!』
「言われんでも電球替えたらこんなクセーとこさっさと出るわ、っーかさっきから腐った屁みてーな匂いがするぞ」
『…ち、違うし!』
『私も違います!』
『たしかに、やけにクセーと思ってたンだよ』
『は?ナニ言ってんのオマエ?っーかオマエが匂いの犯人じゃね?』
『ンなワケねーし、っーかオマエだろ?』
『やめてください!匂いの犯人かどうでもいいじゃないですかっ!』
『は?』
『ハァ?』
『な…なんですか?』
『あー…あるある、1人良い子ちゃんぶって良い人アピールするヤツいるわー、マジ引くわー』
『まぁな、ま、しゃーねーよな?うン、元気出せよ』
『え?え?ち…違いますよ!私は違いますからねっ!』
…なんて醜い争いだ、これが世に言う女子トイレの乱と呼ばれる敗者はPRIDEを真っ二つに切り裂れる戦いか
「オイ個室A」
『ナニ?』
「オマエ最後になに食った?」
『最後?食堂でカレー食べたよ、中辛!』
「個室Bは?」
『私は…ふかし芋を』
「個室Cは?」
『ねーちゃンが作ったなンたらかンとかってヤツ』
中辛カレー、ふかし芋、なンたらかンたら…この3つから導き出される結論は1つだな
「個室B」
『…はい』
「ま、その…なんだ?元気だせよ?ファブリーズ投げ込んでやろーか?」
『ちが!違いますっ!!』