【完結】*君がいるから*   作:ラジラルク

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あとがき&解説&没設定などなど……

 

 

どうも、闇飲まです。

 

前作に引き続き今作も読んで下った沢山の読者の皆さん、本当にありがとうござます。

本編も無事に完結を迎え、ここいらで一休みといきたいところですが、一度一休みしてしまうと死ぬまであとがきを書く気にならなそうなので、今のうちに書きたいと思います。笑

 

 

 

 

 

 

まず今作の『*君がいるから*』ですが、前作のアナザーストーリーという位置づけで始まりました。

正直、当初は全くアナザーストーリーを書くつもりなどなかったのですが、前作が終わって振り返ってみて、不完全燃焼な感がありました。前作は卯月が挫折したところから物語が始まり、荒んだ時期も経験して再び自分の夢に向かって再び走って行くという大筋があったので仕方ないと思うところもありあすが、個人的にはもっと他のキャラとの友情を描きたかったんです。それがキッカケでアスタリスクの多田李衣菜と前川みくの二人の話を書いてみようかなと、思ったわけです。

 

 

なので設定は前作から全て引き継がせて書きました。

アナザーストーリーも書くならもっと気を遣って設定を作っていれば……、と何度も後悔しましたけど。笑

 

 

あまり関係ない話ではありますが二作目を作るにあたって、アスタリスクの二人の話である今作ではなく全く別の世界軸で千川ちひろが二十五歳からアイドルを目指す話や、後述しますが前作の設定を引き継ぎ武内Pの罪滅ぼしのための贖いの話など、どれにするかで少し考えたこともありました。笑

 

 

 

 

 

 

ではそろそろ物語の解説をしようと思います。

まずは主役となる多田李衣菜と前川みくの二人について。

 

 

 

多田李衣菜の第一印象は「不器用なやつ」でした。

アニメで特に序盤に見られた事務所で一人でヘッドホンをしながら音楽を聴いている(ところどころ目を細めて皆の様子を見ている)姿がかなり印象に残ってたんです。

きっと独りが好きなわけではないんだろうけど、人との接し方があまりよく分かっていないんだろうなーって、そんな感じがしたので。普通に仲良くなった後は何事もなく打ち解けていたし、きっと自分から進んで友達を作っていくタイプではないのだと思います。

 

でも勝手な印象ですが、多分わりと器用に生きていけるタイプなんですよね。

クラスに一人はいませんでしたか? あまり勉強してないくせに効率よくテストの点数を稼げるやつって。笑

まさに李衣菜はそのタイプだと思います。勝手な主観ですけど。

 

否定するわけではないですが、何か明確な目標があるわけでもなく血の滲むような努力をしているわけでもなく、でもなんとなくアイドルになってしまって何となくブレイクして楽しんでるのかなぁとアニメを見て思っていました。

 

だから人付き合いは不器用だけど、生きていくのは器用な人間なんじゃないのかなと。

言葉遣いや言動、妙な料理が作れることから、たぶんそこそこ良い家庭で育ったんだと思いますし。あまり挫折や苦労をしているようには見えませんでした。

 

まぁ、一言でいえば多分何かしらの才能があるタイプなんでしょうね。

これはあくまで自分も印象なので、もし気分を悪くされた方がいましたら申し訳ありません。

 

 

 

対する前川みくですが、コイツはなかなかの曲者だと。笑

そんなことをずっと考えていました。

 

今作の一番の反省点は前川みくがほぼ原作のキャラとはかけ離れてしまったことだと思っています。猫キャラの印象が強すぎて、今作での扱いには非常に頭を悩ませていたんですよね。

自分なりの解釈ですが、みくが猫キャラを演じているには自分に自信がないからだと思っています。自分に自信が持てないため、何かキャラを演じることによって弱い自分とは違う自分を創る――……、そんな感じがしてたんです。実際アニメでも猫キャラは仕事とか云々言ってたし……。

 

だから今作では初っ端から猫キャラではなく、等身大のみくを描きたいと思っていました。結果、誰だが分からなくなるという事態に陥ってしまったわけですが……笑。

 

その点では李衣菜と少し似てるかもしれませんね。弱い自分を見せずに少しでも虚勢を張っていたところなどは。

 

 

 

 

この作品を通して一番に描きたかったのは先ほども言いましたが『二人の友情』です。アスタリスクはCPの中でもある意味異色のユニットだと思います。まったく価値観も違う方向性も違う、そんな二人が組んだんですから。

でも二人は対立するのではなく、相手の意見を尊重しながら自分の意見も出し合う共存をすることでユニットとして活動することになりました。ぶつかりながらも相手の事を理解し、自分の事も伝える。これはとても難しい事だと思います。そういう意味ではニュージェネやラブライカとはまた違う形の友情の一つではないかと。

 

 

『あいつが頑張ってるんだから私も頑張らないと』ってお互いに思いあえる関係って素晴らしいですよね。

ライバルであるけど一番の理解者でもある、そんな真逆の二人の友情を本筋にして物語を書けたらなと思っていました。

 

 

 

そんな両極端な二人が別々の道を歩むことになるところから物語は始まります。

 

 

アイドルとしての居場所を見つけることができなかったみくは、声優という新たな世界で再出発を図ることになりました。

厳しい現実に直面しながらも夢に向かって頑張っていたものの、なかなか思うように進めずに苦悩していたみく。みくを悩ませていたのは、中学の頃のトラウマと「叶う保証のない夢を二十歳になってまで追い続けるべきなのか、それとも現実を見て堅実に生きるべきなのか」という想いでした。

武内Pのためにと、李衣菜に追いつくためにと、何度も何度も覚悟を決めていたはずのみくが本当の意味で吹っ切れなかったのは中学の頃のトラウマが尾を引いていたからです。

 

その中学の頃のトラウマから生まれたのが「いつまで夢を見追い続けれるのか」という苦悩になります。二十歳になってもう子供ではなくなって堅実に生きる同世代の人たちを見て、みくに迷いが生じ始めたんですよ。

普通とは違う生き方をするのってホントに大変なことだと思います。歳を取るにつれどうしても周りの目を気にしてしまうし、嫌でも自分の限界や才能が見えてくることもあるだろうし。だからと言って夢を諦めることもできず。子供の頃は無邪気に夢を見て友達に語れていたのに、歳を取るにつれそれが出来なくなってしまうのは誰にでもあることだと思います。

 

これって正直かなり難しい選択ですよね。

諦めたら諦めたで後悔はするだろうし、だからと言って続ければ必ず成功するという保証もありません。隣の芝は青く見える、じゃないですがどっちを選んでも正解はないと思うんですよ。

みくの声優としての芸名が『後川未来』に張ったのも、自身の未来に対して後ろ向きになっている心境をかけました。

 

そんな難問の答えを出した者として、対照的だったのは安部菜々とコンビニ店長です。

 

苦しい生活をしながらも夢を諦めずに細々と生きてる安部菜々と、あきらめて堅実に生きてはいるものの後悔が残ったコンビニ店長。

その二人の姿を見て結果的にみくは夢を追い続ける道を選びました。これが正解とは言いませんし間違いだとも思いません。

ただ、大事なのは「悔いなくやり切れるか」なのではないかと。その点では、みくは道を間違えたかもしれませんがそれは失敗ではないと思います。

 

そして最終的にみくは自分の過去のトラウマである同級生たちに自ら会いに行き、トラウマを克服しました。

それによって完全に迷いが吹っ切れたみくは復活ライブのステージである意味覚醒して、自身の夢を掴み取ったのです。

 

 

結果的にみくは過去の弱い自分や現実を見生きる苦しみを乗り越えて、“変わる”ことができたのだと思います。

 

 

 

 

一方の李衣菜はそういう風に迷いながらも進むみくや友人たちと自分を比べてしまい、自分は何をしているのかと自問自答を繰り返していました。

 

新たな会社で自分を曝け出せずに馴染めず、中途半端なままみくを蹴落としてしまった事に苦しんでいた李衣菜を変えたのは千早です。

千早は壮絶な過去を765の皆に支えられながらも乗り越えることができ、『約束』という曲を通して本当の自分を曝け出せるようになりました。

 

そして自分もそうなりたいと、そう思った李衣菜は不器用ながらも必死に変わろうといろいろな試行錯誤を繰り返し足掻き続けます。

でもそれは認めたくない自分を否定し続けているだけで、結局なつきちが言ってたようにただの“逃げ”に過ぎなかったんですよ。

 

初期の段階では、千早の役割をちゃんみおに当てるつもりでした(ニュージェネ時に卯月を失った経験があったため)が、本家アイマスを見直して(実は半分までしか見たことがなかった)、これはもう千早しかいないと、そう思ったので急遽構成を作り替えました。笑

 

李衣菜と同じように苦しみ、それでも逃げ出さずに歌い続けた千早だからこそ、李衣菜が変わることの本当の意味に気付くキッカケになれたのだと思っています。

 

そう考えると千早は李衣菜編でのかなり重要なキーパーソンだったんですよね。

以前の千早だったらうじうじ悩んでる李衣菜を見てガチギレして小一時間ほど説教しそうですけど。笑

 

千早の生き様を見て本当の自分を曝け出すことの大切さを知り、そしてなつきちから変わることの本当の意味を聞き、結局李衣菜が選んだ道は“変わらないこと”でした。

弱い自分を乗り越えるのではなくそれも自分の一部なのだと受け入れ、自分がアイドル活動を通して何をしたいのかは弱い自分を受け入れて生きる過程で探す、これが李衣菜が選んだ答えです。

 

 

 

 

弱い自分を克服して“変わった”みくと、弱い自分を受け入れて“変わらない”ことを選んだ李衣菜。

真逆の二人が同じように悩みながらも、結局真逆の道を選びました。

 

でも二人の場合はそれで良いと思うんですよ。

例え違う道を歩む事になっても、違う答えを出したとしても、二人はお互いを認め合って尊重し、高め合っていけるのだと思います。

 

ラブライカ、ニュージェネとはまた違う形の友情ですが、自分はアスタリスクの二人の関係が一番好きです。

良いですよね、ライバルであり良き理解者で『あいつが頑張ってるんだから自分も頑張らないと』って高め合える関係って。

何度もぶつかっては話し合って、お互いに向き合い続けたからこそできた絆だと思います。

 

これが自分が今作で一番書きたかった『友情』の形です。

 

 

 

そういった情景を踏まえて、李衣菜が歌ったtwilight skyとみくが歌ったØωØver‼︎を聞いていただけたらなと思います。

ちなみにみくが歌ったØωØver‼︎はheart beat verです。

本家より歌詞が作中のみくにピッタリだと思ったので、そっちに変えました。笑

 

twilight skyは実は一番デレマスで好きな曲なんですよ。

この作品を作る事になった際に、絶対twilight skyを主軸にして物語を作ろうと思ったほどです。笑

あの切ないような、でも前向きになれるような、歌詞がサイコーにロックですよね。

あの歌詞には李衣菜の本当の姿が詰まっていると思います。もう李衣菜を語るのはあれだけで十分なくらいかと。笑

 

 

 

 

 

 

前作と今作の2作品を作るにあたって沢山作り込んだものの、使われず仕舞いで終わった設定が多々ありました。

もう続編は作らないのでここで作ったものの一度も使われなかった設定たちを一部紹介したいと思います。笑

 

千川ちひろが実は昔アイドルを目指していた(結局デビューが決まらず挫折した)とか、武内Pが千川ちひろと婚約(もしくは結婚)してるとか、当初の構成では李衣菜の移籍先が765だったりとか、小日向美穂とジュピターの冬馬が交際しているとか、幸子が行方不明になってるとか、などなど……。

 

結局作中では使いませんでしたが、何処かのタイミングで使えていればもう少し物語も面白くなったのではないかなとも思っています。

 

作中で少しだけ美嘉が触れましたが、残念ながらアニメから四年半が経った今作では346にいたアイドルたちは殆ど辞めて芸能界から消えてしまっています。

常務に反発した者、純粋に実力不足でブレイクできなかった者、美嘉や楓さん、小日向美穂のように違う夢を見つけた者、事情はそれぞれですが346プロに在籍していたアイドルの8割はアイドルを辞めてしまっていました。

そういった設定を元に、前作で少しだけ触れていた武内Pが一番初めに担当していたものの今はバラバラになってしまったアイドルたち(城ヶ崎美嘉、高垣楓、小日向美穂、川島瑞樹ら他六名)に会いに行くという物語も考えたりはしていました。

 

現実的に考えて、10代後半のキャラが多いデレマスキャラたちの四年半後ってアイドルとして見切りをつけるタイミングだと思うんですよね。

前作と今作ともに一番大事にしたかった世界観はおとぎ話が元になった原作とは違って、現実的な世界観だったので、そこはわりとリアルにしようと思っていました。

逆に川島瑞樹や安部菜々、片桐早苗などの20代後半組はある程度のリスクを承知でアイドルに転向したのでまだ現役で続けています。

 

そういった設定たちも、もう少し絡ませたかったというのが本音ですね。

 

 

 

 

まぁ解説はこれくらいでしょうか。

ちなみにデレマスで一番好きな子は李衣菜ちゃんですにわかわいい、って聞いてないか。

ちなみにちなみに本家アイマスで一番好きなのは冬馬くんですもっと聞いてないか。

 

 

 

次回作はおそらくありません。

 

この作品と前作でもう全ての力を出し切ってしまったので、マジで。笑

未使用の設定をいつか使うかもしれませんが、暫くはないでしょうね。もう大学の夏休みも終わってしまうし。笑

 

 

余談ではありますが、最後の765プロのワンシーンはあれだけの文章を作るのにかーーーなりの時間を費やしました。

二作とも完全に一人称で作ったため、三人称の書き方が全然分からなくなってたんですよね。笑

 

でも千早も春香も雪歩も主人公ではないし、一人称にするのはおかしい……。と思った結果、かなり時間をかけてしまいました。

 

次回作を作る予定はありませんが、もうちょっと勉強しなきゃですね。笑

 

 

 

 

 

 

以上であとがき&解説は終わりです。

あんま解説っぽい解説はしてませんが、もし何か疑問点などがある方はコメント欄などでお気軽に聞いてください!

 

前作同様、今作も沢山の人に見てもらえて本当に嬉しかったです。

読者の方の記憶に残る作品になれれば、と思います。

 

 

本当にありがとうございました!

 

 

 

 


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