このTSな会話不可少女に救いの手を   作:零点

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一部修正点を指摘されたので修正しました。指摘ありがとうございます。


このTS幼女に救済を

駆け出しの冒険者たちが集う町

ーアクセルー

 

気がつくと立っている場所はすでにあの白い部屋などではなく、のどかな町だった。

文明レベルを考えればやはりファンタジー世界にありがちな中世ほどだろうか?

 

町は見渡せる場所はざっと見た、そして今度は夢にまで見た自分自身のTSチェックだ♪横がうるさいが今は後回しだ!

…髪は白色の長髪ストレート、所々毛がはねて触ってみるとなんとも言えない感触が気持ちいい、前髪はぱっつん気味だが適当な間隔で長さがバラバラだ。

服装は下着の上にカッターシャツ・クリーム色のパーカー・青い迷彩のような模様の半纏の順に重ね着されて、スカートの色は紺で走り回っても下着が見えない程度の長さになっている。

他というと頭に狐の面、眼はジト目で靴は走っても大丈夫そうな短めのブーツになっている、身長は…アレ?確か零点(女体化)は確か155程度だったはずなのに明らかに低い、100くらいだろうか?

まあいい、少しばかり違いはあれど零点(女体化)の能力があれば全く問題ないかな?

よし!ついに”私”の異世界生活が始まりですよ!

 

あらかた確認し終えましたし、ギャースカギャースカ何を言っているかわからないカズマ君と一緒に…ぃ?

あれ?カズマ君もアクアさんも何をしゃべってるの?異世界語?でも…あれ(泣)アレ…元々喋ってた言葉って?頭の中に言葉、無い、ただ漠然としたイメージ、だけ…。

 

怖い…。

 

怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い

 

そう思うと段々目がぼやけてくる、頬を伝う水に気付いた時にはその原因が涙だということがわかった、私このまま死んじゃうのかな?もしかしたらわけのわからぬまま娼婦とかにされて一生過ごすんじゃないか、奴隷にされて売り飛ばされるんじゃないか?そう思うと怖い、とてつもなく怖い。だからどうされようがせめて私をわかってくれているカズマ君とアクアさんのそばにいたい、いなくちゃいけない。

そう思いカズマ君のジャージの裾に手を伸ばした。

 

「どうしたらいい〜(泣)って、グスン…なんで零があんたの裾、グスン、掴んでるの…。」

 

ーカズマsideー

 

なぜかオレのジャージの裾を零が掴んでる、しかも泣きながら、女神はほっといて話を聞いてみよう、今ここにいる日本人はオレの以外に零だけだし。

 

「おい、どうしたんだよ?なんで泣いてんだよ?」

 

…返事が無い、その代わりに首を傾げてくる、まさか。

 

「おい女神、まさかコイツ運が悪くてパァ、なんてことなんて無いよな。」

 

オレの中にあのとき言われた言葉が思い出される『副作用として、運が悪いとパァになるかもだけど…』

 

「…あぁーこれ軽くだけどなってるわね、多分正しく頭にはいらなかったせいで言葉とか文字とかすらわからなくなってると思うわ」

 

『副作用として、運が悪いとパァになるかもだけど…』とか言っていたのをいいじゃ無いか発言してた本人がなるなんて…。

とりあえず今は様子見で一緒行動するか。

さて話を戻そう、こういう異世界に来た時、やるべきことは1つだ。

 

「…思ってもみない誤算はあったが異世界に来たからにはまずはギルドだ、そういう場所に行って情報収集するのがRPGゲームの基本だ、もしかしたら零を治す手段も見つかるかもしれない」

 

「なっ!ゲームオタクで引きこもりだったはずなのに、何故こんなに頼もしいの!?」

 

相変わらず女神のやつは俺がいいこと言っているのに嫌みしか言わない、いつか思い知らせてやろう。零はなんとか泣き止み今は不思議そうな目でこっちを見ている、コイツがただ好きだからといってこの零点(女体化)とかいうのにしてもらったとは考えにくい、能力者だった場合うまく戦力になって欲しいものなんだが…。

 

「よし、行くぞ女神・零」「あっ!待って」

 

そう言って俺はついてくるかわからない零の手首をひいて歩き出した(別に、女姿の零を意識しすぎて手をにぎれなかったんじゃないぞ?)

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

ー零sideー

ー冒険者ギルドー

 

カズマ君が私の手を、というより手首だけど持って歩いてくれた、カズマ君とアクアさんが一緒にいてくれるか不安だった私にとってはそれがこのうえなく嬉しかった。

程なくしてある建物に着いていましたよ、この感じはもしかしたらギルド?魔王や勇者といった存在があるのだとしたら多分あるとは思っていましたけど案外立派な建造物なのですよ、一言で言うなら石レンガの教会?ですかねー。

 

「いらっしゃいませー!お食事なら空いてる席をどうぞ!お仕事案内なら奥のカウンターへ♪」「ありがとう」

 

やっぱりわからない、多分いらっしゃいませの様なことを言われたんでしょうけど推測さしか出来ない。それにしても中はなんともギルドっぽい雰囲気、昼からお酒がお客さん運ばれて肉体派な男たちが多くを占めて賑やか、ここに腐女子を置けばいったい1日でどれだけのカップルがあたまの中に誕生するのやら。そうんなバナナ考えをしているといまだ手首を持ってくれているカズマ君に世紀末風の男が話しかけてますけど気のせいだよねー、気のせいだと言って欲しい…完全にはなしちゃってるー。とりあえず私はカズマ君の足にかくれときますよ。

 

「見かけねぇ顔だな、それになんだ?その妙な格好は」

 

「いや、実は遠くから来たばかりで、今この町に着いたところなんだ…俺も、魔王軍戦う冒険者になりたいんだ。」

 

「…ぁあ、そうかい命知らずめ、ようこそ地獄の入り口へ!ギルド加入の受付ならあそこだ。」

 

…内容はわからなかったけどカズマ君が軽く笑顔で軽く右手を上げていたから良い人だった?とりあえず去り際に世紀末の人にわずかに微笑んで手でバイバイしたら相手は手をgoodの形にして笑って見せてくれました、この人良い人確定です!覚えとかなきゃです。

あ!あのお肉美味しそう。

 

「〜〜〜、今日はどうされましたか?」

 

お肉のジューシーさに見惚れて最初の言葉が聞き取れなかったけど大丈夫、だってわかんないんだもん♪

 

「えっと、冒険者になりたいんですが?」

 

「そうですか、では最初に登録料がかかりますが?」

 

「はいはい…て、金持ってる?」

 

アクアさんが会話途中に首を横に振りましたよ?嫌なことあったんでしょーか?そんな考えを持ってる私に関係なく会話は再開する、アクアさんが喋り終えるとカズマ君はあからさまにいやな顔、やっぱり嫌なことあったんですね。

 

その後2人は私も忘れてテーブルで項垂れてしまって、いつの間にか自由になった右手、とりあえず椅子をも1脚持ってきて小さい体でちょこんと鎮座。カズマ君の顔を覗き込んでなんとか疑問の意思を顔で伝えてみるとわかった様で人差し指と親指で輪っかを作ってみせる、要はお金の問題だったらしい。

お金がないと何もできない、ウエイトレスさんが来たけどカズマ君サッと受け流す。

 

「おいどうしよう、いきなりつまずいた。普通は最低限の装備が手に入ったり生活費だってどうにか手に入るものなんだけど…不親切だぞ?」

 

「いきなり頼り甲斐がなくなったわね、まあしょうがないわね、ヒキニートだものね」「ヒキニート言うな」「まあ良いわ、次は私の番ね!女神の本気を見せてあげるわ!」

 

アクアさんが最後に意気揚々とカズマ君に何か言った後、近くにいたおじいちゃんと話してますね?というか私って空気になってます?あ、なんでかアクアさんおじいちゃんからお金を貰ってますね、すごいです流石ポテチ食べてても女神なだけはあります…て、あれ?なんで泣いてるんでしょう。

 

ー少し戻ってアクアと老人の会話ー

 

「そこのプリーストよ宗派を名乗りなさい!私はアクア、そう!アクシズ教団の崇める御神体、女神アクアよ!なんじもし私の信者なら…お金を貸してくれると助かります。」

 

そう言ってアクアは頭をさげる、しかし老人は…

 

「エリス教徒なんですが」

 

「なっ!」アクアはしまったとばかりに声が出てしまう、なんとも気まずくなってしまった、まさかべつの宗派だったとはと思いながらアクアは謝り、一刻も早くたちさろうとするが

 

「あ、お嬢さん、アクシズ教徒なのかな?女神アクアと女神エリスは先輩後輩の間柄らしい、これも何かの縁だ、さっきから見てたが手数料がないんだろう?」

 

そういうと老人は3人分の手数料を分けてくれた

 

「ほーら、エリス様のご加護って奴だ、でもいくら熱心な信者だからでも女神を名乗っちゃいけないよ。」

 

「…あ、はいスミマセン。ありがとうございました…」

 

アクアはお礼を言うがそこには喜びの感情は一切なく、あるのはただ虚しさだけだった。

 

ー零sideー

 

「ふふふ…女神だって信じてもらえなかったんですけど、ついでに言うとエリスは私の後輩の女神なんですけど、私後輩の女神の信者の人に同情されてお金もらえちゃったんですけど…。」「お…おう。」

 

アクアさんなんで泣いてるの?言葉がわかんないから分かんないよ、あぁ…言葉がわからないとこういう時不便だよ、ってカズマ君は言葉わかるのになんで慰めないでそっぽ向いちゃうの…。ただわかるのは受け付けに行くまで2人とも項垂れていたこと、それを見た巨乳の受付の人があからさま嫌な顔をしていることだけだった。

 

「では改めて説明を、冒険者にはかく職業というものがございます、そしてこれが登録カード、冒険者がどれだけ討伐をおこなったかも記録されます。レベルが上がるとスキルを覚えるためのポイントが与えられるので、頑張ってレベル上げをしてくださいね。それでは御三方ともこちらの水晶に手をかざしてください。」

 

受付の人は説明らしき事を言っているだろうと推測するのは難しい事じゃない、ただもちろん内容はわからない、ただ地球儀の様なガラス玉を指差しているのが特にわからない、説明(予想)が終わるとカズマ君がガラス玉に手をかざす、そうするとカタカタと音を立て、カードにビームが発射される、もしかして免許書みたいなものを作ってるのかな?

 

「これであなた方のステータスがわかりますのでその数値に応じてなりたい職業を選んでくださいね。」

 

さっきまで沈んでたカズマ君がワクワクした顔でガラス玉に手をかざしてます、もしかしてステータスとか見れる感じなんでしょうか?そうならワクワクです、文字もわかりませんけど。そうこう考えてるうちにさっきまで出ていたビームは止まっていた、どうもカズマ君の分は済んだ様。

 

「はい、ありがとうございます。…サトウ カズマさんですね、えっと…どれも普通ですね、知力がそこそこ高い割には…あれ?幸運が非常に高いですね!あっまあ冒険者に幸運ってあんまり必要ない数値なんですが…これだけの幸運があるなら商売人になることをお勧めしますが?」

 

話し終わるとアクアさんは微笑し、カズマ君は今にもため息をつきそうな顔をしている、微妙な数値だったんだろうな、でもそこまで文明は進んでないみたいだったからステータスで知力があるとすれば平均以上じゃないかな?

 

「おい、いきなり冒険者人生否定されたぞ?どうなってんだ。…えっと、基本職の冒険者でお願いします」

 

「ま、まぁレベルを上げれば転職も可能ですし(汗)」

 

「で、ですよね!」

 

受付の人に何か言われてちょっとは笑顔が戻ったもののまた沈んだ顔になってしまうカズマ君。

とりあえず次はやり方もわかったから私が挑戦したいところ、背が届かないから受付の人に抱っこのポーズをとる、どうやらわかってくれた様で抱きかかえてくれた。しかし背中に当たる胸の大きさに元男の私は興奮どころか嫉妬を覚えた。やっぱり無性におっぱいは大きい方が羨ましいと思ってしまう、貧乳好きだったにもかかわらず、女の子になった変化ですよ(オッパイプルンプルンチクショーメー)。

カズマ君と同じ様に手をかざすと同じようにカタカタと音を鳴らしビームが発射されていく…。

 

「はい、ありがとうございます…オガミ レイさんですね、えっと…知力が平均より若干低く幸運も低いですね、後防御力も…え!?腕力が平均を大幅に超えていて、素早さも高いですね…これなら魔法を使わない剣士系統ならほぼなることができますよ♪あれ?もうスキルがついてるんですが、なんでしょう【操陰(そういん)】に【文字・言語習得不可】?」

 

「「…いまなんて?」」

 

「操陰に文字・言語習得不可…と」

 

ーカズマsideー

 

ナンテコッタ!ただ忘れてるんならともかく、取得不可!?これなんて無理ゲー?

だが、これはチャンスでもある…言葉と文字がわからないだけなら対策はある。

 

「では、職業はどうされますか?零さん。」

 

「あ、スミマセンこいつ会話できないんですよ〜、ちょっと紙とペン貸してもらえませんかね?」

 

「あ、それで文字・言語習得不可なんですね。分かりました、少々お待ちください」

 

そういうと受付のお姉さんは奥から紙とペン、それにインクを持ってきた。俺はそれに今、零がなれる職業の絵を描き零に選ばせようとしたのだ…

 

ー零sideー

 

カズマ君が私に絵を描いて見せてくる、どういう事?…もしかしてジョブ?ジョブって事なんでしょうか?

零点は大剣使いなので大きな剣を持ってる人の絵を指差します。

 

「じゃあ大剣士でお願いします。」

 

「はい、大剣士ですね、ではこれで零さんの登録は完了です」

 

受付の人が話し終えると私にカードが手渡される…うん、やっぱり免許証みたい、文字も読めないから貰ってもカードとしかわからないし。最後にアクアさん、女神だからいっぱい魔法使えたりするのかな?

そう思っていると同じ様にアクアさんがガラス玉に手を近づける。

 

「はあぁ!?知力か平均より低いのと幸運が最低レベルな事以外は全てのステータスが大幅に平均値を超えてますよ!」

 

‼︎ 受付さんいきなり声あげないでください、びっくりしちゃうじゃないですか。

でも声を荒げたって事はやっぱり女神だからすごかったのかな?

 

「ん?何々??私が凄いって事?」

 

「凄いってものじゃないですよ!知力を必要とする魔法使い職は無理ですが、それ以外ならなんだってなれますよ!クルセイダー・ソードマスター・アークプリースト、最初からほとんどの上級職に。」

 

「そうね、女神って職業が無いのが残念だけれど…私の場合仲間を癒やすアークプリーストかしら!」

 

「アークプリーストですね!あらゆる回復魔法と支援魔法を使いこなし、前衛にでても問題無い強さを誇る万能職ですよ♪」

 

周りが今の話を聞いていたのか一気に歓声が上がる、私はあまりそういうのがニガテな方なのでカズマ君の足元に隠れて耳を塞ぐ。

従業員も出てきてえらいこっちゃ。

 

「〜〜〜〜〜。」

カズマ君が呆れた顔で何か言ってるけど耳を塞いでて聞こえない、もっとも言葉が理解出来ない私には意味が無いけど…。

ともかく、これから冒険者人生の始まり、リアル冒険者は駆け出しならまだフリーターみたいだろうけど、万能に近い私のスキルがあれば何とかなる、はず…改めてレッツ異世界生活!!




零の職業、大剣士はソードマスターの格下の職業として出しました、今後も不定期更新ですが生温かい目で見守ってください。

※作中のオリジナルキャラの零とおしゃべり(コメ)してくださる場合、必ず{零}と付けてコメント宜しくお願い致します。

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