タイトルどうりの展開とだけはいっておきましょう。
それではスタート⬇︎!
あの一件から時は過ぎ季節は寒い冬になった。
「金が欲しい!」
「しゃっきん ない する?(借金返済のためですか?)」
「ああそうだ!どっかの駄女神が町の壁を壊してくれたおかげでな。」
だんだんカズマさんが私の言葉を理解する能力が上がってる気がします、最近では一切の沈黙もないほどに。
「だ、だってあれはデュラハンを倒すためだったのよ!それに私がいなければ浄化しきれずにこの町に攻め込まれてたかもしれないのよ!もっと私の功績をたたえてよ!崇め奉ってよ二人とも!」
「よしわかった、デュラハンを倒せたのはお前がいたからだ、と言うわけで名誉も借金の4000万もお前のもんだ良かったなー(棒読み)」
「ゴメンなさいカズマ様〜!!」
…いくら言葉が上達してもここまでの二人の言葉全ては頭で処理しきれず私はぼーっとするしかない。…暇だなぁ。
「またカズマはアクアをなじっているのか。か、かわりに私にたまった鬱憤をぶちまけて構わないのだぞ?ハァハァ」
「カズマ、何か良い仕事はありましたか?」
息が荒いダクネスといつも通りのめぐみんちゃん、今日もパーティ全員集合ですね。
「いや、まだ探してないよ、だって…。」
カズマさんが目を向けた先には最近日常となりつつある冒険者がクエストもせずにギルドにたむろしている風景があった。
「あぁ、まあ魔王軍幹部の報酬は参加した冒険者全員に支払われましたからね、懐が潤っていればわざわざ危険な冬のモンスター狩りに行く必要がありません。私はむしろ大歓迎ですが。」
「私もだ、敵は強ければ強いほど良い!」
「つよい いい。」
「…なんでうちのパーティはほとんどがろくに戦えもしないのにこんなにも好戦的なのかとツッコミたいんだが。というか報酬はいいがろくなクエストがないなー「カズマ!カズマ!」カズマです。」
カズマさんがグチらしい言葉をボヤいているとダクネスがクエストを指差した。
「これなんかどうだろう、【白狼の討伐】報酬100万エリス!ケダモノどもの群れに滅茶苦茶にされる自分を想像しただけで…くぅ♪」
「アホらしい、却下だ。」
「カズマ!カズマ!」
「カズマだよ?」
「これはどうですか?【一撃熊の討伐】!我が爆裂魔法の一撃とどちらが強力か今こそ思い知らせてやろう!」
「却下だ、そんな物騒なモンスターに関わりたくない、首を撫でられただけで即死しそうだ。」
二人とも案は出したけれどどっちも却下されたらしい、まあ欲丸出しでしたしね。でも私のスキルでどうにかなるんじゃあ?
「えーと?機動要塞デストロイヤー接近中につき進路予測の偵察募集?…デストロイヤー?デストロイヤーって「すまない、それは俺が受ける。」ミスターK!」
声の主を見てみると何処かで見た顔、誰でしたっけ?
「… だれ?」
「覚えてないのか?まあいい、俺はみんなからミスターKと呼ばれている、まぁ俺がそう名乗っているんだがな。」
このおじさんよく考えたらキャベツの時の人でしたね、一体きどうよーさいですとろーやとは何なんでしょう?
「まさかその依頼を受けるとは、相当な手練れなのだろうな貴方は。」
「慣れているというだけだ、何せ…。この依頼を受けるのは5回目だ、他のギルドでもこの依頼はあったからな。」
「5回目!?あのデストロイヤー相手に4回も偵察をして生きて帰ってくるとは、一体貴方は何者なのですか。」
そのですとろいやーとは中々に強いようですね、要注意です…殺れるかな?
「なに、ただの冒険者だよ。しかしこれを受けるのは俺の義務だがな。」
「うん?つまり結局はデストロイヤーっていったい何なんだ?ミスターK。」
異世界から来た私達二人は勿論ですとろいやーなど知らずカズマさんは質問した。それにしてもずいぶんとこの人は信用されているようなのですね、確かカズマさんに魔法を教えたのもこの人だったはずです。
「…簡単に言うと足のついた要塞、馬鹿でかい強力な兵器が誰の制御もない状態で歩いているようなものだ。」
「何だそれ怖いなおい…ってそんなのに何回も挑んでるあんたも大概だが。」
結局彼は解説を終えると去っていき、私達はクエスト探へと戻った。
「えーと、ん?なぁ、雪精ってなんだ?名前からして滅茶苦茶弱そうなんだが…一匹10万エリスって書いてあるぞ?」
「雪精は雪深い雪原に多くいて一匹討伐するごとに春が半日早くくると言われています。とても弱いモンスターで簡単に倒す事が出来ますが「その依頼を受けましょうよ!」あ、ちょっと!」
めぐみんちゃんの解説を無視しアクアさんが会話へと割り込んだ、でもまあ私も依頼を受けるのは賛成です。
「いらい うける いい」
「ね、零もこういってる事だし受けましょう!じゃあ私は準備してくるからね♪」
「なんかダクネスの息が荒いんだが…まあとにかく今は金だ!」
ー雪精の討伐ー
「ゆきせい かわいい!」
ゆきせい、白くて丸くてふわふわで、かわいいです、でも借金返済のために犠牲になってもらいますよ。
「実物を見たら余計弱そうにみえるな、というかそのカッコどうにかならんのか、冬場セミ取りに行くバカな子供みたいだぞ。」
「この網で雪精を捕まえて小瓶の中に入れるの、それで飲み物にでも一緒に入れておけば…いつでもキンキンに冷えたシュワシュワが飲めるって考えよ!どう?頭いいでしょ?」
「いい あくあ いい!」
「でしょ!」
「オチが読めそうなかんがえだなおい。てか賛同すんなよ零。」
オチってなんでしょ?どういうオチになるんでしょう、まったくわからないのですよ。
「まあいいか、ダクネスは鎧どうした?そんな装備で大丈夫か?」
「ふぅ…問題ない。ちょっと寒いがそれもまた…ハァ、ハァ。」
うわー、ダクネスメスの顔です、またMモード発動ですね、ど変態ですね。最近気づいたのですけどどうやらダクネスはMな変態らしいのですよ。これからは少しばかりいじっていったほうがよさそうですね。
「なあカズマ、レイがなにやら私のことをケダモノじみた目で見て居るのだが(ニヤニヤ)」
「ダクネス、お前目悪くなったんじゃないか?まあいいや、じゃあ雪精の討伐開始だ!」
「「「「おー!」」」」
こうして雪精狩りが始まった、雪精はというと空中にふわふわと漂っている、今から狩られるというのに呑気なものですね。
◇◆◇◆◇
1.2.3…。
「三匹目まてー!クソ、チョロチョロと。」
4.5.6.7…。
「うんしょっと、カズマ!四匹目取った♪見て見て、大量よ!」
8.9.10っと、アクアさん捕まえるだけ捕まえて全然倒してないんですが、さっきの案ですけど一匹だけで良くないですか?一匹討伐で十万ですよ?
「おーい零、今どのくらいだ?」
不意にカズマさんが質問してきました、私は自信満々に「10」と言うと「おお!」と嬉しそうに驚いてくれました。嬉しい♪
「カズマ!」
不意にめぐみんちゃんがカズマをよんだ。どうやら爆裂魔法を撃つらしいです、カズマさんがGoサインを出すと嬉々として呪文を唱え始める。うん、可愛い!
「エクスプロージョン!」
そう唱え終えると雪精達の集まっていた場所めがけて強力な爆裂魔法が炸裂した。爆風でみんな少し飛ばされましたけど私は大丈夫、操陰でアンカー作って飛ばされないようにしてましたからね!
「…大丈夫か?」
「八匹目やりましたよ、これで倒した雪精は九匹です。レベルも一つ上がりました。」
「ぉお!やったな、倒れてなかったらもうちょっとカッコ良かったが。」
それにしても何で誰も受けないんでしょう?いつかベルディアの時の報酬も尽きるはずなのに。
「来たか!」
「「?」」
…雪煙がこっちに向かって来てる?…いや、アレは!
「何故冒険者が雪精討伐を受けないかその理由を教えてあげるわ、零は忘れちゃったかもしれないけどカズマは日本に住んでたからニュースや天気予報で名前くらいは聞いたことあるでしょう、雪精の主人にして冬の風物詩といわれる…冬将軍の到来よ!」
無理ですよわかりませんよこんな長文、説明だと思いますけど理解できませんよ!
「ぉお!冬将軍、国から高額報酬をかけられている特別指定モンスターの一体!」
え?…今こうがくほうしゅうと聞こえましたが?
「おそらくあいつは将軍の地位を利用して私にあんなことやこんなことを…!たまらん!!」「あぶない!」「へ?」
何故かは知らないですけどダクネスの方へと突き進み攻撃しようと刀を甲冑の奴の攻撃を避けるためダクネスの体を亀甲縛りして後方へと無理矢理引っ張った。
「な、何だろうこの縛りは!そそるものがあるぞ!」
…とりあえずダクネスが切られることは避けられた。
「何でこんな奴がいるんだよ!」
「精霊は出会った人が無意識に思い描く思念を受けて実体化するの、けど町の外を出歩くのは日本から移住して来たチート持ちの連中くらいだから…。」
「つまりあいつは日本から来たどこかのアホが冬といえば冬将軍だとか連想したから生まれたのかよ!?なんて迷惑な!」
意味不明二回目ですよ、まったくどうすればいいのです!?アレは倒せばいいのですか!?攻撃しちゃだめなんですか!?
「カズマ!零!冬将軍は簡単よ、ちゃんと礼を尽くして謝れば見逃してくれるわ!」
そう言ってアクアさんはさっき瓶に詰めた雪精を解き放って…え?土下座しました?
「土下座よ!土下座をするの!さあ、みんなも謝って!」
「「…。」」
えっと?これはつまり土下座すればいいんでしょうか?でも倒れて動けなくなってるめぐみんちゃん以外の二人してないんですよね。
「おい!ダクネス何してるんだよ、早く頭を下げろ!」
「誰も見ていないとはいえ騎士である私がモンスターに頭を下げるなど!」
「いつもモンスターにホイホイついて行こうとするお前がこんな時だけくだらないプライドをみせるな!」
「や、やめろ!無理矢理地べたに顔をつけさせられるなど…最高だ!!」
「ちょっと零…は武器はなかったわね。カズマ、武器を捨てて!」
ダクネスを助けにいったカズマさんは必然的に甲冑の近くに寄ることになってしまった、もうちょっと後ろに下げれば良かった!
甲冑は カズマさん達を切り捨てようとまた刀をあげていた、だったらもう一回縛って下げればいいだけですよ!
そう思って二人まとめて縛り私の元まで引っ張った…え…?
「助かったよ零…って何見てるんだ?」
ザシュッ!!
おかしい、おかしいですよ。私はたしかに甲冑が近づいたのに気づき、すぐさま操陰でシールドを作ったです。でも操陰はいともたやすく切られて…私達もろとも…。
カズマさん…ごめんなさい。
…私達がいた場所の雪は綺麗な赤で染まって見えました。
ついに2回目のスプラッターな零です。
実はこの後の展開が最も描きたかった!
何故零は言葉を失ったのか、何故今までわからなかったのか!その原因が明らかに!
※作中のオリジナルキャラの零とおしゃべり(コメ)してくださる場合、必ず{零}と付けてコメント宜しくお願い致します。
{まゆたん}と付けてコメントして頂ければまゆたんが貴方とお喋り。
もう欲望は抑えないどうか自分にコメントを分けてくれー!