おっぱいドラゴンに柱間ァ……!大好きクレイジーサイコホモがinしました(休載中) 作:ふくちか
いきなりだが、今日はイズナの友達と出会う約束の日。
緊張する理由など何処にもないのだが、何故だか落ち着かない。
もしも……もしもだ。
イズナのか、か、か、彼氏だったら、どんな顔をすれば良い?
笑顔で樹界降誕か?
憤怒の顔で須佐能乎か?
ドライグよ、どっちがベストだと思う?
『いや……どっちもワーストだと思うのだが……』
何を言う!
もしかしたら……結婚を前提に真剣交際をしてるやもしれん!
本来であれば、そこは兄貴として笑顔で認めるのだろう…………だが!
もしそうだったとしても、俺は絶対に首を縦には振らん!
イズナに嫁入りはまだ早すぎる!!!
ピンポーン
「……来たか」
俺はスッと立ち上がり、玄関まで向かう。
なおイズナは今日は出掛けており、その友達は家には俺だけがいることを伝えてあるそうだ。
「はい………………ッ!?」
俺は扉を開けた瞬間、呆気に取られた。
性別は、男。
金髪碧眼の、所謂美少年。
だが、俺はーーーーこの男を知っていた。
「初めまして、イズナちゃんのお兄さん。俺の名前はーーーー」
何故ならコイツはーーーー
「波風ミナトです。……兵藤一誠さん。いえーーーーうちはマダラ」
前世にて、俺の月の眼計画を阻止すべく穢土より甦ったーーーー火影の一人だからだ。
「……お前、まさか俺と同じ」
呆気に取られていたが、奴が俺の前世の名前を口にした事で、俺は思わず尋ねた。
すると、奴もまた頷いた。
「えぇ。僕も、前世の記憶を持っています。木ノ葉隠れの里・4代目火影としての記憶を」
……やはりか。
俺以外にも、忍世界からの転生者がいようとはな。
だが俺が感知できないとは…………まぁ、やらなかっただけだが。
「そして、あなたと戦った事も」
「……フッ。それで?それを確認する為に態々俺の元に来たのか?」
そもそもイズナから話を聞いたならば、コイツは俺が転生者だと気づかない筈だ。
「以前からこの街で、今までに感じなかったチャクラを感じた。でもそれは、不思議と僕は知っていた。そうーーーーうちはマダラの物と、殆んど同じチャクラだったから」
「成る程な……で、本題だ。お前はそれを確認してどうする?今ここで俺と戦うか?」
俺がそう尋ねるが、奴は動こうとしなかった。
「最初はそのつもりでした。あなたが甦ったのなら、また良からぬ事を仕出かす前に止めなければ、と」
「…………」
「だけど、こうやって対面して、改めて分かった。今のあなたに、野心はないと」
「……野心を持つには、大事な物が増えたからな」
そう、今の俺には守るべき家族がいる。
例え世界の全てを敵に回したとしても。
「それを聞いて、安心しました。それに何より、イズナちゃんはあなたを心底慕っていましたから」
「……そうか」
そして、立ち話も何だと言うことで、俺は波風ミナトを家へと上げた。
「ミナト。俺達以外にも、転生者はいるのか?」
「……いえ、俺が確認した中では、俺達以外にはいないかと」
そう言われて、俺もチャクラを感知すべく眼を閉じる。
が、
「……確かに、俺が知る人物はいないな」
若しくは、力を抑えているか、だな。
「でも、あなたはうちはマダラとして転生した訳ではないんですね」
「あぁ。気づけばこの少年の肉体に宿っていた」
目の前の男は生前と変わらない姿なのにな。
「じゃあ、コレからも宜しくお願いします?」
「言っておくが、イズナは嫁にはやらんからな」
「アハハ……」
取り合えず、釘は刺しておく。
こうして俺は、前世の記憶を共有する仲間と出会えた。
はい、4代目でした。
扉間「ワシではなかったのか……」