おっぱいドラゴンに柱間ァ……!大好きクレイジーサイコホモがinしました(休載中)   作:ふくちか

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もうこのssも四十話とは早いですねぇ


これからも宜しくお願いします


イッセー「どうやら異世界の俺は女の乳房を利用してパワーアップするらしいな」
ドライグ『相棒、頼むからそんな真似はやめてくれ』


第四十話「肉親を失う痛み」

 

 

「…………」

 

俺は現在、特訓に精を出すリアス達を眺めていた。

まだまだ粗削りではあるが、それでも以前より成長している………将来が楽しみだな。

 

「よぉ、イッセー」

「何だ、お前か」

 

俺は隣に腰かけたアザゼルを見ずに問いかけた。

 

「しっかしあいつ等、冥界での修行より更に洗練されてるな」

「そうでなくては楽しみがない」

「もしかしたらお前をも超えるかもな」

 

アザゼルは笑うが、俺としてはそれも願ったり叶ったりだ。

 

「それならもっと楽しめそうだな」

「……お前、案外最強って地位には興味ねぇんだな」

「そんなものに固執するから、弱くなって、墜ちていく。大事なのは今の己に慢心しない事だ」

「…それは、学ぶべき心構えだな」

 

それだけ言うと、アザゼルは暫く無言になる。

 

「朱乃とバラキエルの事なんだがな……」

 

だが、漸く口を開いたかと思うと、その内容は姫島の事だった。

 

「母親を見殺しにしたと言っていたな」

「………俺がいけないのさ」

 

そこから、俺は姫島が堕天使を恨む経緯を聞いた。

 

「……あの任務は、バラキエルにしかこなせない任務だった。だから、俺がアイツと朱乃から母を、妻を奪っちまった」

「……それで俺にどうしろと?」

「…………俺から言ったんじゃ、恐らく話はまた拗れちまう。だけどっ」

「アイツが本音を吐き出せる存在が俺、か?」

 

そう聞くと、アザゼルは静かに頷いた。

俺はそれを聞いた後、立ち上がる。

 

「………悪いが、俺は漫画の主人公ではない」

「………」

「――――俺には俺の、やり方がある」

 

 

 

ーーーー

 

 

 

「……………」

「…待たせた」

 

 

俺はアザゼルと共に目を瞑って家の地下空間にて――――来訪者のバラキエルを待ち構えていた。

 

「…一体、何の用だ?」

「……来たか」

「?………!」

 

一体なのを、と訝しげになっていたバラキエルであったが、その場に現れたもう一人の来訪者に目を見開いた。

 

 

 

「………朱乃」

 

そう、姫島だ。

この女も前もって俺が呼んだのだ。

 

「……イッセー君」

「姫島、お前は以前言ったな…………もう、父親ではないと」

「………認められないわ。母様は、この男の為にっ!」

 

姫島はバラキエルを強く睨み付ける。

 

「………………そうか。なら」

 

俺は手元に召喚したアスカロンを――――バラキエルに向けて振るった。

 

 

 

「…っ!」

 

 

バラキエルの頬からは、一筋の血が伝った。

俺は固まる三人に構わず、アスカロンの切っ先をバラキエルに向ける。

 

「――――俺がこの場でこの男を、殺す」

「っ!!」

 

俺はその言葉を最後にバラキエルの懐へと入り込む。

対するバラキエルは刀身が体に食い込む寸前で後ろに飛んで回避した。

 

「…!」

「おいイッセー!?」

「……本気の様だな。ならばこちらもっ!」

 

バラキエルは雷光を迸らせると、そのまま広範囲に向けて放った。

俺の動きを捉え切れない故の広範囲攻撃、か。

 

 

流石は堕天使随一の武人だ。

だが――――

 

 

ドスッ!

 

「……なん、だと!?」

 

俺は大地にアスカロンを突き刺し、迫りくる雷撃を――――吸収した。

 

「返すぞ」

「っ!」

 

刀身から吸収した雷撃を返品し、バラキエルはそれを相殺する。

攻撃現象が消滅したのを見計らって、俺はアスカロンを投げつけた。

 

「姑息な!――――ッ!!」

 

それを雷光を纏わせた腕で薙いで弾くが、アスカロンに施されたマーキングへと転移した俺は、一瞬の内にバラキエルの懐へと入り込む。

驚きつつも対処しようとするバラキエルよりも速く、俺は顎にアッパーを食らわせる。

 

そうして浮かび上がったバラキエルの肉体に、チャクラの糸で手繰り寄せたアスカロンで一閃した。

 

「ぐおおお!!」

 

苦悶の声と共に飛び散る鮮血。

それを姫島は、何かを言いたげな沈痛な表情で見守るのみ。

 

崩れ落ちるバラキエルの腹に、風遁のチャクラを圧縮・回転させ、押し留めた塊をぶつける。

 

「風遁・螺旋丸」

「―――――ッ!!!!」

 

唸りのような悲鳴を飲み込み、バラキエルは壁際まで吹き飛ばされた。

バラキエルは立ち上がろうとするが、上手く立ち上がれず膝を付いてしまう。

 

 

「…アンタがいる以上、姫島は過去を乗り越えられない。過去に阻まれ、本当の意味で強くなれない………だから、今ここで殺す。アンタの死が、姫島を更に強くするからな」

 

俺は一歩、一歩とゆっくり歩み寄る。

 

「アンタ自身、妻を失ったその時から苦しんでいたのだろう?ならば尚の事、ここで果てるべきだ。………俺がその苦しみから解き放つ」

 

肩で息をするバラキエル。

俺は答えを待たず、アスカロンを振り上げた。

 

「………姫島。肉親を失うと言うのは――――こういう事だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――――――――止めてッ!!!!」

 

 

 

アスカロンの切っ先がバラキエルの脳に刺さる直前、アスカロンが俺の手元から弾かれた。

その原因は、雷を放った姫島だ。

 

 

当の姫島本人は涙を流しながら、茫然としていた。

 

――――殆ど無意識、か。

 

「……漸く、本音を吐き出したな」

 

俺はアスカロンを拾い、改めてこの親子へと振り返る。

 

「口ではどうとでも言える。だが、その心は違う。心には何時も本音が溢れている。お前にはまだ父親が必要…………そして、母が殺された事件も、父に非がある訳ではないと分かっていた――――本当に不器用な親子だ。初めから本音で話せば、こんな事をせずに済んだ物を」

「イッセー、君…………」

「お前、だから態と……」

 

俺はバラキエルに近づき、医療忍術でバラキエルの体の傷を癒す。

 

「…傷が」

「お前達親子には、互いがまだ必要なのだ……………アザゼル」

「……あぁ」

 

俺の言いたい事を察したアザゼルは、俺と共に地下空間から去った。

 

 

 

 

 

 

 

「イッセー、お前も大概不器用な奴だな」

 

上へと上がる際、俺はアザゼルにそう言われた。

 

「だから言った筈だ。俺は漫画の主人公ではない、とな」

 

 

……全く、柄にもない事をしてしまった。

 

 

 

 

 

 

後はお前次第だ―――――朱乃。

 

 

 

 




眠い

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