おっぱいドラゴンに柱間ァ……!大好きクレイジーサイコホモがinしました(休載中)   作:ふくちか

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タイトル見て檀黎斗神が来ると思った人、怒らないから手を上げなさい


第三十九話「God降臨」

 

 

「いやー、態々すまんのぉ」

「いえいえ、神様にお茶を差し出せるなんて、光栄ですから」

 

あの後、ジジイを我が家へと案内し、母さんに事情を説明。

母さんは「へぇ、神様なんだ」と言うリアクションだけだった…………。

 

 

家の母さんの胆力は俺をも越えるな。

他の奴等は全員驚いていたが。

 

「で、神が何故こんな所へ?」

「ま、ちと野暮用でな。下手な場所より、この地の方が安全じゃからな」

 

嘘は言っていないか。

そのジジイはリアス達を卑猥な目線で凝視し始める。

 

 

スパン!

 

 

そして、あの介護士生娘にハリセンで叩かれた。

一応上司な筈だろうに……相当人望のない神なのだな。

 

「これでも慕われとるわい!」

「人の心を勝手に読むな」

 

腐っても神と言うことか。

 

「こやつは儂のお付きヴァルキリーじゃ」

「ロスヴァイセと申します。以後、お見知りおきを」

 

ヴァルキリー…………戦乙女か。

そしてジジイは気味悪く笑いながら言葉を紡いだ。

 

「彼氏いない歴年齢の生娘ヴァルキリーじゃ」

「知ってる」

「わ、私だって好きで独り身じゃないんですよぉぉぉ!?」

 

ロスヴァイセは泣きながら叫ぶ。

身を切り裂く思いとはこの事か。

 

「そうじゃ、赤龍帝よ。ロスヴァイセをお主の嫁に貰ってはくれんかの?」

『!?』

「な、何を言っておられるのですか?!」

 

顔を赤くして狼狽するロスヴァイセ。

 

 

「興味ない」

「……!」

 

俺としてはどうでも良いので断らせてもらおう。

 

「お主のお眼鏡には敵わんかの?」

「……別に。まぁ顔や身体付きは人並み以上に整ってはいるとは思うが。もう少し自信を持ってもいい程度にはな」

 

まぁ俺からしたらだからどうしたと言うのだが。

 

「…………ほ、本当ですか?」

 

すると俺の言葉が衝撃的だったのか、不安そうに俺に尋ねてきた。

 

「嘘を言ってどうする…………何だ、何か不服か?」

「……い、いえ!」

 

じろりと眼を覗き込んで聞くと、向こうは静かに引き下がる。

心なしか頬が緩んでいる気がするが…………どうでも良いか。

 

「ふむ、お主は中々女子を落とすのが上手いのぉ」

「落としているつもりはない」

 

人をたらしみたいに呼ぶな。

……周りからの視線が痛いのは何故だ。

 

 

 

 

で、肝心の姫島はあの男――――父親と再会してから機嫌が悪い。

普段の笑顔すらなく、その眼は酷く冷たい。

 

 

まるで親の仇の如く――――相手は親だが、ここまで肉親に憎しみを抱くのは中々無いだろう。

 

少し気になってきた。

俺は部屋を出た姫島を追いかける……勿論間を開けて。

 

 

 

 

ーーーー

 

 

 

「朱乃、お前と話がしたいのだ」

「……気安く名前を呼ばないで」

 

バラキエルは姫島の名を呼ぶが、当の姫島は素っ気ない。

今にも人を殺しそうな声音…………おい誰だ、俺に「お前だよ」と言わんばかりの視線を送るのは。

 

画面の前の奴等か……忌々しい。

この二次元と三次元の壁を壊せれば良いものを。

 

 

……話が逸れた。

盗聴を続ける。

 

「……赤龍帝と逢い引きをしていたのは何故だ?」

 

見た目に違わず、武骨な男だな。

今時逢い引き等と言うのは、俺ぐらいなものだと思ったぞ。

 

「私の勝手でしょう?何故あなたにとやかく言われなければならないのかしら?」

「……お前は彼の何を知って信頼している?」

「…………どういう事?」

「…彼は今、我々三大勢力の中では最も警戒されている男だ。普通の人間でありながらコカビエルを赤子の手を捻るかの如く滅ぼし、歴代最強の白龍皇をも圧倒、禁じられた力をも息をするかの様に使いこなす。彼の危険性は、身近にいるお前が良く分かっている筈だ」

 

 

…………どうやら三大勢力もお気楽な集団ではないらしい。

まぁ恐らく、サーゼクスやアザゼルはあまり明言はしないだろうから、他の上層部連中か。

 

この発言は娘を思っての親心なのだろう。

実際、他人からは得体の知れない化物だろうからな、俺は。

 

「……彼を、イッセー君をそんな風に言わないで。確かに彼は可笑しなレベルで強いわ。だけど、その中で相手を虐げようとする思惑なんてない。他人や――――戦えないご家族の為に戦う……不器用でぶっきらぼうだけど、優しくて頼りになる男の子よ。…………噂や他人の意見だけ飲み込んで判断するなんて、やっぱり最低ね」

 

あの木偶相手は流石に弄る気満々だったのだが。

 

「私は父として―――」

「今更父親面しないで!あの時母様を見殺しにした癖に!!」

 

 

 

 

………………ハァ。

 

 

「人の家で親子喧嘩は止してもらおうか」

『!?』

 

見ていられなくなったので出ることにした。

前世の俺を考えると、あり得ない行動だな――――こんなにお人好しではなかった筈なのに。

 

「……イッセー君、聞いてたの?」

「俺が都合良くこの場に現れると思うか?」

 

この空気を読んでこの場に来る奴は超能力者だな、恐らく。

或いは、余程の馬鹿か。

 

「ぬっ!男が盗み聞きなど!破廉恥な!……やはり、娘に卑猥なことをしているのか!…………そうはさせんぞ!逢い引きなど認めん!!」

「日本語が滅茶苦茶になっているし、俺は小娘相手にそんな事をする趣味もない」

 

第一俺は卑猥なことをされてる側だが。

だが向こうは聞く耳持たず、雷光を迸らせる。

 

「……話を聞け」

「ッ!?……ぬ、ぅ…………!」

 

埒が明かないので幻術を掛けてバラキエルの動きを止める。

バラキエルは抵抗するかの如く身を固めるが、最後には膝を付いた。

 

「お前達の過去は知らんが、お前達の蟠りをこの家に持ち込むな。…………アンタ、今はこの場から去った方が良い。娘を思うならな」

 

幻術を解くと、バラキエルは静かに立ち上がると、背を向けた。

 

 

「……すまん」

 

そう小さく呟いた男の背は、あまりにも小さく見えた。

 

 

それを見送って直ぐに、姫島は俺に抱き着いてきた。

涙を流しながら、その肩を震わせて。

 

 

「ご免なさい、イッセー……。今は、今だけは、このままで………………」

 

 

 

 

…………俺以上の不器用だな、この親子は。

 

 

 




平日で定時なのが珍しい

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