おっぱいドラゴンに柱間ァ……!大好きクレイジーサイコホモがinしました(休載中)   作:ふくちか

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止めれる奴だけ、ついて来い!


第三十六話「荒れるぞ、止めてみろ」

 

………ここは一体。

 

複数の群れの中でひと際偉そうな木偶の光を浴びたと思ったら、この世の物とは思えない空間にいた。

 

『ここは次元の狭間だ』

 

次元の狭間?

よくは分からんが、通常の空間とはまた異なる空間と言う事か。

 

 

……通常の空間を隔ててこの次元の狭間が存在しているのか?

まぁ良い。

 

疑問は尽きないが、兎に角早く脱出しなければな。

この空間――――俺は兎も角アーシアには毒だろうからな。

 

俺はアーシアとこの空間をオーラで遮断させ、辺りを見渡す。

だが出口らしき物はない………寧ろ、万華鏡のようにあらゆる色という色を織り交ぜた景色が無限に続いている。

 

 

 

 

…………………まるで幻術の世界のようだ。

色が付いてはいるといったが、恐らくこの空間自体は無色。

 

それが延々と続いているのだろう。

この空間の気に当てられて消滅、なのは妥当だな。

 

 

 

 

この次元には、変化がない。

人間と言うのは、同じ景色が続く――――変化がないと、己を失いかねないからな。

 

 

 

俺は須佐能乎を発動する。

恐らく…第二形態でも十分なはずだ。

 

リアス達の気配は…………この辺りか。

 

俺はリアス達の気配がする方角の空間に、須佐能乎の腕で干渉する。

空間は俺の干渉を拒むかの如く光を発するが、そんな物は俺には関係ない。

 

 

 

 

 

 

―――――グオォォォォォォォオン

 

 

 

空間を強引に抉じ開け、飛び出す寸前、何かの咆哮が――――俺の脳に響いた。

 

 

 

 

 

ーーーー

 

 

「くっ………いい加減にしつこい!」

 

旧魔王二人が率いる軍勢と抗戦を続けること数時間。

驚いた事にシャルバ・クルゼレイの二人を除いた他の悪魔達より、僕達の力量が上だった為、何とかそれら相手には無傷で切り抜けられた。

 

 

だが目の前の二人は流石に旧魔王。

中々一筋縄ではいかない……!

 

「貴様らが死ぬ事で、冥界の真の栄光へと繋がるのだ!何故それが分からん!?」

 

片腕を失ったクルゼレイ・アスモデウスが攻撃を続けながらそう吠える。

 

「そんなの知った事ではないわ!コソコソと陰湿なテロ行為しか出来ないあなた達の言い分など!!」

「っ、ぐぅぅっ!?」

 

部長は果敢にそれを滅びの魔力を障壁のように薙いで消滅させ、素早く踏み込んで滅びの魔力を纏った強烈な蹴りを見舞う!

後ずさりするクルゼレイの反撃は、

 

 

「僕らの王は取らせない!」

 

赤いチャクラの衣を纏ったミナト君が振り払った!

そのままミナト君は腕を構えると、掌に高速回転する手裏剣を生み出す!

 

「風遁・九尾螺旋手裏剣!!」

 

そのまま手負いのクルゼレイに向けて撃ち放つが、寸での処でシャルバが駆け付け防御する!

ミナト君の一撃が轟音を上げながら辺りを吹き飛ばしていくが………二人はまだ健在だった!

 

「……ぐっ。下級悪魔風情が………!!」

 

だがシャルバの腕は酷いダメージを負っていた!

それと同時に、ミナト君の衣が解除される。

 

「くっ、もう限界か……!」

「死ねぇ、小僧!!」

「っ!」

 

その隙をついて新手の敵が襲い掛かってきた!

ミナト君は冷静に往なしながら目を閉じる――――すると、彼の瞼に隈取が現れた!

 

「………ふっ!」 

 

ミナト君が繰り出した拳は回避された――――筈が、それを躱した敵は吹き飛ばされた!

 

「ゼノヴィアさん!」

「イッセーの規模ほどではないが、任せろっ!」

 

背後に飛んだミナト君と入れ替わる形で現れたゼノヴィアは、デュランダルに纏わせた光を特大の刃状に形成!

それを吹き飛ばされた敵と背後に控えていた軍勢に食らわせ、一瞬で消滅させた!

 

 

 

 

だけど――――

 

 

「……まだ、出てくるみたいです」

 

小猫ちゃんの言葉通り、際限なく召喚される敵の増援………流石にこのままだと、疲労でアウトだ!

全員が肩で息をする中、シャルバは勝ち誇った顔を見せる。

 

「よくもここまで足搔いてくれた、だが……もう終幕だ!このまま我らの野望の贄となるがいいっ!!」

 

シャルバから特大の魔力が放たれようとする中――――その声は響いてきた。

 

 

 

 

 

 

「群れなければ真面に吠える事すら出来ん駄犬の分際で、よくもまぁ大口を叩けるな」

『!?』

 

 

刹那――――無数に飛来してきた勾玉が旧魔王の軍勢に降り注いだ!

断末魔を上げる事無く大部分が消滅していく!

 

「な、何だこれは!?」

 

 

やっぱり………彼はこんな程度で死ぬ男じゃなかった。

 

 

 

「どうやら全員生きているらしいな」

 

 

目の前に聳え立つのは、二振りの剣を持つ鬼の阿修羅。

そしてその中央にいるのは――――アーシアさんを抱えた、イッセー君だった。

 

 

イッセー君は須佐能乎を解除すると僕達の眼前に降り立った。

 

「イッセー……アーシアも無事だったのね…………良かった」

「俺がそう簡単に死ぬとでも?」

「…あなたの事だから、そこまでの心配はしていなかったけれど。でも良かった、無事で…………」

「…泣いている場合か」

 

イッセー君は気絶しているアーシアさんを部長に渡すと、改めて旧魔王派を見渡す。

 

「な、何故貴様がここに!?それにどうやって次元の狭間から……!」

「………よくもまぁここまで尻拭いも出来ん連中が集まったな」

「何ィ………!?」

「まぁ良い。多いのに越した事はない…………今の俺は、少し不機嫌だからな」

 

イッセー君は口角を上げると、再び須佐能乎を発動する!

だけどそれは僕達をも覆うかのように発動され、あっという間に僕達の視界は――――遥か上になった。

 

 

「…完成体!」

「……お前達には悪いが、こいつ等とは今から俺が遊ぶ」

「……構わないわ。私達も、疲れてるから」

「そうか――――よく頑張ったな」

 

 

 

――――え?

 

 

 

僕達は全員イッセー君らしからぬ激励に呆然としているが、それに構わず須佐能乎は動き出した!

 

「怯むな!たかだか人間風情が作り出した児戯!突破出来ん事はない!!」

 

そうシャルバの言葉と共に、一斉に須佐能乎へ向けて攻撃が浴びせられるが――――ダメージどころか、衝撃すらない!

驚愕する彼らを嘲笑うかの如く、須佐能乎は手にした刀を大振りに振るった!

 

 

すると――――遥か遠方の神殿ごと、悪魔の軍勢が一刀両断にされた!

 

 

「な――――」

 

言葉の出ないクルゼレイに向けて、イッセー君は印を組む!

それに合わせて、須佐能乎の手も同じく印を組み始める!

 

「火遁・劫火浄滅」

 

印を組み終えたと同時に、須佐能乎の口が開く!

その口腔からは、辺りを覆う規模の爆炎が吐き出された!!

 

「こ、こんなとこ―――――!!!!!」

 

クルゼレイ達を飲み込んでいく爆炎!

悲鳴を掻き消しながら、爆炎は大地をも焼き焦がしていく!

 

「馬鹿な!?クルゼレイはオーフィスの『蛇』で前魔王と同じレベルにまで力を引き上げられているのだぞ!それが何故人間如きに――――」

「それが辞世の句か」

「!!」

 

狼狽えるシャルバを無視して、須佐能乎は刀を未だ燃え立つ炎の海へと突っ込む!

刀身に炎が燃え移り、周囲の大気をも焼け焦がしていく!

 

 

 

「須佐能乎・劫火ノ御剣」

 

大地を唸らせシャルバを宙へと浮かせると、須佐能乎は一瞬で眼前へと踏み込む!

そのままの勢いで後ろ手に持った刀を振りかぶる――――刀身の炎が消え去り、須佐能乎が刀を鞘へ納めた瞬間、シャルバのいた周囲からけたたましい轟音が響いた!

 

「ば、バカな………!真なる血族であるこの私が!!ヴァーリにすらまだ一泡吹かせていないのだぞ!?おのれ――――ッ!!!!!!!!」

 

 

 

 

その断末魔を最後に、シャルバ・ベルゼブブはその場から姿を消した――――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ミナト君もお爺ちゃんも、まだまだ成長し続けます(多分)

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