おっぱいドラゴンに柱間ァ……!大好きクレイジーサイコホモがinしました(休載中) 作:ふくちか
「はい、そこでターン。……筋は良いと思っていましたが、中々お上手ですね」
ティアマット――――もとい、ティアと致す事を致した翌日。
俺は塔城が倒れた事を聞かされた。
まぁ、ある程度予想はしていたが驚きはないが。
俺としては何故この年増…………ヴェネラナ婦人と躍りに興じねばならんのか疑問に尽きんのだ。
別に苦ではないから構わんがな。
――――後、ティアの奴なんだが、あれから更にスキンシップしてくる様になった。
決して眼には見えんのだが、奴の眼にハートが浮かんでいる気さえする。
しかも…………
『イッセー……私の、身も心もお前だけの物だ。私の中は……もうお前の形を覚えてしまったのだから……♪…それだけじゃない。あんなに私の中に熱を注いで………もう、お前からは離れられない、お前無しでは生きていけない……イッセー、いや――――ご主人様♡』
こんな事をほざく有り様だ。
少しばかり羽目を外しすぎたかもしれんな。
「―――では、休憩に致しましょう」
そんな事を思っていると、何時のまにやら休憩時間に。
俺は座り込んで、スポーツ飲料を煽る。
「…………小猫さんの事は、聞かないのですね」
……聞く、か。
「それはアイツが妖怪の血を引く事と関係があるのか?」
「っ!…………まさか、気付いてらして?」
「当然だ」
気付かない方が稀有だと思うのだが。
「…彼女は今、懸命に自分の存在と力に向き合っているのでしょう。難しい問題です。けれど、自分で答えを出さねば先には進めません」
「だろうな。でなければアイツは一生そのままだ」
「…………リアスの言うとおり、貴方は何でもお見通しなのですね」
アイツは普段俺の事をどういった目で見ているのか分かった。
今度、多重木遁分身からの全員覇龍で追いかけ回そう。
「……何でも見えている訳ではない。ただ、知っている事は見えているだけだ」
「…………知っている"事"を、ですか」
「……どうせ話す心積もりだったのだろう?――――塔城の過去を」
さっさと話せ――――俺が目で促すと、ヴェネラナ婦人は瞑目しながらも言の葉を紡いだ。
ーーーー
「――――入るぞ」
一応ノックをした後、扉を開く。
正面にはベッドが置いてあり、その上にはやはりと言うか、塔城がいた。
そして隣には姫島。
塔城の頭には猫の耳が生えており、臀部からは尻尾がこれまた生えていた。
「イッセー君。これは……」
「事情は一応知っている。心配は無用だ」
姫島を遮ると、俺は塔城の近くに座る。
「……何をしに来たんですか」
棘が満載だな。
「心配だから来た―――或いは、高みの見物に来た。どちらを言えば、お前は満足する?」
態と嫌みたらしく言えば、奴は露骨に顔を反らす。
正直者だな、相も変わらず。
「……おい、何とか言え」
「―――よく……強く、なりたい…………」
塔城は泣きながら俺に心の内をさらけ出した。
「……そうか。なら、一生泣いておけ」
俺はバッサリと切り捨てて、部屋を後にしようとする。
……と、これだと俺が鬼畜になってしまう。
寸前で立ち止まり、俺は奴に向けて口を開いた。
「――――お前だけが特別ではない。力に悩む事、それは一向に構わない。だが、お前の場合は使えない前提で話を自己完結している。結局自分は姉の様に…………そんな考えに囚われている奴が、己の弱さを乗り越えられると思うな。そんな様では力を使いこなす所か、お前は姉以上に暴走し、やがては己の手で主を……仲間を傷付ける事になる」
「……っ!」
傷付ける、その一言で、塔城は小さく震える。
「……お前は体ではない、心を先ず鍛えろ。仙術は、心だけでも、力だけでも、技だけでもない。心・技・体――――これら三つの基礎を忘れぬ者だけが使える。今のお前では、世界に流れる悪意に飲まれるのが関の山だ」
扉を開くと、俺は今度こそ出ようと足を踏み出す。
「…………掴めないのなら、飲み込んでしまえば良いのだろうな」
そう、二人に告げて。
寝ぼけながら書いたので、誤字脱字等ありましたら申し訳ありません