「港浦さんがあんなにギャグが好きだったなんて意外だよな」
「そうでもないかな。港浦さん前にもTRAPの連載ネーム見た時に硬いって言ってたし、おじさんが川口たろうだって知った時の反応も凄かったし。今思い返してみれば他にもいろいろあった気がする」
「そっか。まぁそのお蔭って訳じゃないけど『TEN』の読み切り載せてもらってラッキーだったよな」
「読者の反応が確認できたのは良かったと思うけど、シュージンギャグ路線に変更したいなんて言わないよな?」
「言わない。言わないけど笑いは必要だと思ってる。俺データ派だから港浦さんが集めた資料見てそう思った。実際ギャグ&シリアスって言うのかな。ギャグのある漫画は強いし人気もある。『キン肉マン』『銀魂』『CITY HUNTER』『REBORN』挙げればキリがない。要はさじ加減だと思うんだよな」
「そこまで考えてるなら問題無いな。問題があるとすれば…」
「アシスタントだよな」
「高浜さんの読み切り結果が良かったのは素直に嬉しいんだけど、白鳥くん大丈夫かな」
「加藤さん目がハートになってた」
『BBケンイチ』の読み切りの結果が良かった為、高浜さんが本格的に連載に向けて原稿に専念する為アシスタントに入れる日が大分減った。
高浜さんの穴を埋める為補充で入ってきたアシスタント白鳥くん。実力的には問題無いのだが、顔が良いせいか加藤さんに狙われている。
「加藤さん面食いだからな」
「おやおや、サイコーくんそれは自分がイケメンだと言いたいのかな」
「そ、そんな事言ってないだろ!」
「冗談だって。そう怒るなよ」
「…怒ってないし。そうだ、シュージン大学はどうする?」
「大学か。あと少ししたら高校生マンガ家からただのマンガ家になるんだよな俺たち。連載してるからいいけど、もし連載終わったら俺たちただのニートじゃん」
「肩書で人気が取れるとは思いたくないけど、保険はあったほうがいいのかな」
「行くとしたら仕事に差し支え無い所だな」
「勉強したくないな…」
「名前書けば受かるって所けっこうあるみたいだし平気だろ。行くなら同じ所行こうぜ」
「シュージンなら良い所狙えるんだし、わざわざ合わせなくてもいいんじゃ」
「サイコーがマンガ家やめるって言うならそうするけど」
「やめねーけど」
「ならいいじゃん。欲しいのは学歴じゃなくて肩書な」
「なんかごめん」
「最初にマンガ家になろうって誘ったのは俺」
「そっか。そうだな」
で、出番がなくても売れっ子マンガ家目指して頑張るから応援してくれよな!