そして漫画家へ   作:rearufu

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すみませんタイトル変えました。まだ読んでくれている人少ないから大丈夫だとは思うけど一応この場を借りて報告を


1頁

「新妻くん原稿できてる?」

「床に置いてあるのがそうですケド」

「これか。新妻くん次は巻頭カラーだから締め切り気を付けてね」

「もう出来てますケド」

「相変わらず早いね。あ、そうだ。新妻くん赤マルジャンプは読んだ?」

「雄二郎さんが言ってた『time traveler』なら読みました。あれ凄く面白かったです。ただ嘘は良くないと思いますケド」

「嘘?僕新妻くんに何か嘘付いたっけ?」

「雄二郎さん『time traveler』の作者が僕と同じ高校生って言いましたケド。これを書いた人、大人ですよね?」

「いや、年齢までは確認してないけど高校生って聞いてるよ。僕も打ち合わせに来ているのをチラッと見たことあるけど大人には見えなかったね」

「おかしいですね。内容もそうですケド、絵から受ける印象が子供のソレじゃないですね」

「そうか?確かに年齢の割には結構上手いと思うけど、画力は新妻くんの方が全然上じゃないかな」

「雄二郎さん分かってませんねー。凄い絵と上手い絵は違うんですよ」

 

 

 

 

 

 

 

担当と『time traveler』の連載用ネームの打ち合わせをする為、やって来ました集英社。いや、アンケート1位とか初めて取ったわ。来たね、俺の時代!

ルンルン気分で打ち合わせブースに向かう途中、凄く顔色の悪い自分と同い年ぐらいの少年とすれ違う。

…真城先生?

昔会った時と比べて随分若くなってるから一瞬分からなかったが、間違いない。隣には高木先生も居る。

真城先生とはたしか10年後ぐらいに出会ったんだっけ?

原作の高木先生と作画の真城先生の二人組で、ペンネーム亜城木夢叶。出会った時には既に売れっ子漫画家と言っても過言ではない人気だった。かく言う俺も亜城木先生のファンであり、コミックスは全巻持っている。いや、持っていた。また集めないとなー。

現在連載中の『疑探偵TRAP』もかなり好きだったんだけど、確か病気による休載が響いて打ち切りになるんだよな。…あれ、もう休載したっけ?

 

「吉田さん、『疑探偵TRAP』って休載しましたっけ?」

 

ブースで待機していると待ち合わせていた担当の吉田さんが来たので丁度いいとばかりに尋ねる。

 

「会うなり不吉な事を言うな、君が言うとシャレにならん。亜城木くんか。僕も来る時すれ違ったけど、だいぶ顔色が悪かったように見えたな。港浦にも少し注意するよう言っておくか…」

 

どうやらまだ休載はしていないようだ。かなり好きな作品だからどうにか出来ないものかと考えてしまうが、もし俺が行動した事により病気を回避出来て連載が続いたとして、これから生まれるはずだった作品がもし生まれなかったら?そう考えると末恐ろしい。責任取れませんがな。

 

「知らなかった事にしよう」

「何言ってるんだ君は。まさか前みたいに未来が見えたなんて言うんじゃないだろうな」

 

どっちかと言えば過去じゃないでしょうかね。

 

「なんで顔を反らす。…大神くん少し待っていてくれ。ちょっと用事を思い出した」

 

そう言って吉田さんは「港浦ぁあぁぁ!」と叫びながら遠ざかっていく。相も変わらず熱いな、吉田さん。しかし吉田さんの用事ってなんだろう?ワカラナイナー

 

 

 


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