この素晴らしい紅魔族に祝福を!   作:西陣L

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ああ、めぐみんさま
プロローグ


この世のものとは思えないような空間に。

目が覚めると俺はそこに居た。

 

「佐藤和真さん、ようこそ死後の世界へ。私は貴方に新たな道を導く女神、アクア。この世界での貴方の人生は終わったのです」

 

目の前の女神という女は死後の世界とか言ってきた。

 

死後の世界……?

 

あれ?俺死んだんだっけ……?

 

俺は確か、親が仕事に出かけた後、いつも通り通学路から自宅に戻りネトゲしてブラブラ散歩をしていたところまでは覚えているんだが……

 

 

「な、なあ女神さん?」

 

「なんです?」

 

「俺って何で死んだんでしたっけ……?」

 

そう言うと、女神様は俯いて。

 

 

 

肩を震わして笑いをこらえているのがわかった。

 

 

 

 

 

 

……………は?

 

 

「ぷっ…ぷぷっ……あっ…あなたはっ……後ろから来たトラックをかっこよく避けるフリをして道を踏み外して田んぼに頭から突っ込んで水死したんです……ぷぷぷっ……」

 

 

 

……………………………はぁ??

 

 

「ぷぷっ……あの頭から落ちた時の顔とポーズといったらっ………ぷぷぷぷっ…………あはははははははははははははははははははっっっっっ!!!!!」

 

 

はああああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!???

 

 

「死ぬのでこんなに笑ったのは貴方が初めてよっ……ぷーくすくすっ」

 

 

何だろう。

 

 

本当に女神なのだろうかこの自称女神は。

 

 

「さてと……私のストレス発散はこのくらいにしておいて……。」

 

 

…………無性に殴りたくなってきた。

 

 

「じゃ、本題に移るわね。貴方には選択肢があります。この日本にまた赤子として生まれるか、天国でおじいちゃんおばあちゃんみたいな暮らしをするか。」

 

そんな笑った後の涙目で言われても。

 

「ここまでは日本の空想であった死後の選択肢みたいでしょ?」

 

「は…はぁ……」

 

「貴方、ゲームは好きでしょ?んで、ゲームみたいな異世界があるのよね。そこは魔王軍の所為で死んじゃった人がトラウマで転生を拒否しちゃって人口が減る一方なのよ。そこで、日本で若くして死んだ者を肉体と記憶はそのままにして送ってあげてはどうかってことになったの。でもそこですぐ死んじゃったら意味ないでしょ?それで何か一つ何でも持っていける権利を与えてるの」

 

つまりチートってことか。

 

……こいつ、散々俺を馬鹿にしてくれたよなぁ……?

よし、仕返ししてやる……

 

隣では女神が「あぁ、言葉の心配は~」と言って何かの本を見させて「習得~」がなんだのとかチートの何かを見せてくるがあまり耳に入って来ない。

 

「ねえ~早く決めてよ~中3の引きニートになんか期待してないから」

 

こいつっ!!

引きニートでもない俺を引きニート言う奴には天罰を下してやる!

 

「じゃ、あんたで」

 

「……?じゃあ魔法陣から出ないように立って……えっ?」

 

そう言うと女神の下にも魔法陣が浮かび上り。

 

 

「えっ!!ちょっ!?待って!!まだ私やることいっぱいあるのに!!ダラダラしたいのに!!!まってよおおおおおおおおおっっっっ!!!!!ああっ!今ならスキルポイント100のチートを200にしてあげるからああああああっっっ!!!許してええええええっっっっっ!!!!!!!」

 

「俺を馬鹿にした罰だ!せいぜい、俺の足元で下僕として頑張ることだなああああああ!!!!!!」

 

「いやあああああああああああああっっっっっっっ!!!!!!!!」

 

 

そして俺は嫌がる女神を連れて異世界に飛び立った。

 

 

 


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