咲〈オロチ〉編   作:Mt.モロー

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続・咲〈オロチ〉編 ~ニュー・オーダー~ 完全非公開告知用の短編です。
新しいお話ではありません。ご了承ください。


第二話 鷺森灼の野望

 奈良県 阿知賀 鷺森レーンズ

 

 

 阿知賀女子学院麻雀部はインターハイ団体戦でベスト4に進出し、それに続く国民麻雀大会でも大活躍を見せた。彼女達の名前は全国区になり、この鷺森レーンズの看板娘である鷺森灼も例外ではなかった。

「このボーリング場に来ると、灼だけではなく、高鴨穏乃、新子憧、松実姉妹に高確率で会える」との噂が立ち、地域の住民のみならず、大阪や京都からも客がおしよせ、ここ阿知賀では大ボーリングブームが到来していた。

 とはいえ、それは一時的な熱狂にすぎない。阿知賀に冬が訪れる頃には、鷺森レーンズにも、以前の落着きが戻っていた。

 

 

「シズ、憧、お疲れ様。はいこれ、今日までの分」

 ボーリング場の営業時間も終わり、灼は、給料袋を穏乃と憧に渡した。祖母と灼の二人だけでは、土日の客の多さに対応しきれず、麻雀部のメンバーに応援を頼んでいた。もちろんタダ働きではない。高校生バイト賃金ではあるが、正当な報酬が彼女達には支払われる。

「やった! 有難うございます。灼さん」

 と、嬉しそうに封筒を受け取る穏乃とは違い、憧は少し不安げに受け取った。

「でもいいの? もう来なくて?」

「まあ、忙しくはあるが……なんとか二人でやれるから。それに宥姉は受験もあるし……」

「東京の大学だっけ?」

「実はね……この間、弘世さんが変装して来ていたんだよ」

「ええー!」

 二人が同時に驚きの声を上げる。穏乃などは給料袋を落とす程であった。

「理由はともあれ……私はね、とってもいい事だと思ってる。宥姉はいずれは松実館を継がなきゃいけない。でも大学進学で、あと4年は麻雀競技を続けられる」

「……そうですね」

「まあね」

 穏乃と憧が笑顔で答えた。

「さあ、ボールを片付けて終わりにしよう」

「はい」

 客がボールリターン(ボールが戻ってくる場所)に球を放置している場合がある。それの最終確認だ。マナーではボール置き場に戻すことになっているが、結構忘れている人が多い。

「あった!」

 3番レーンに13ポンドのボールが3個放置してあった。憧がそれを見つけて回収しに行く。6キロ弱の重さは女子にはきついので、穏乃も手伝いに向かった。

「ねえ灼、ベストスコアっていくつ?」

 ボールを台車に乗せながら、憧が言った。興味本位で聞いているのだろうが、なかなか答えにくい質問であった。

「……300点かな」

「灼さん、ボーリングの話をしてるんですよ?」

 穏乃は自然な顔で抗議していた。憧も同様な顔をしている。つまりは、この二人はボーリングをあまりよく分かっていないのだ。

「だから、ボーリングの話……パーフェクトは300点だよ」

「パーフェクト?」

「1から10フレーム迄の12連続ストライク……私も一度しか出したことが無い」

「それって難しいの?」

「アベレージが200点の私が出せたのは奇跡だよ……」

「……」

 チンプンカンプンな顔とはこの様なものなのだろうなと、灼は思った。

「……四喜和(スーシーホー)位かな」

「凄いよ灼さん!」

「本当! 天才だよ灼!」

 まったく、麻雀基準でしか物事が考えられないのかと、灼は呆れてしまった。

「和ちゃんもね、出したことが有るんだよ」

 祖母の鷺森公子だ。缶コーヒーを3人に渡しながら言った。

「和が?」

「そうだよ、パーフェクト。灼はそのスコアカードを額縁に入れてしまってあるんだよ」

「何で? 灼は和のファンなの?」

「そうじゃなくて……。あれは本当の奇跡だから……」

「奇跡?」

 憧は灼ではなく、公子を見ている。

「灼の言う通りだよ。私もあんなのは見たことが無い、奇跡と呼んでもいいだろうねえ」

「見たい! 見たい見たい! 灼さん、見せてください」

 目を輝かせてせがむ穏乃の姿に、灼のいたずら心がくすぐられていた。灼はリスタイ(グローブ)を締め直し、笑みを浮かべて言った。

「私に勝てたら……見せてあげる」

 二人のつばを飲み込む音が聞こえた。

「ハ、ハンデちょうだい、ハンデ! 灼はアベ200点なんでしょ? 私は100点ぐらいなんだから」

「いいよ、憧はハンデ100点だね。シズは?」

「アベって、何ですか?」

「平均スコアだよ、シズはうちに来たことは?」

「子供の頃に何度か、半分はガターだったような……」

「それじゃあ150点で……おばあちゃん」

「はいよ、このレーンでいいかい?」

 灼は頷いた。3番レーンの照明が点灯し、3名用のスコアカードがモニター上にセットされた。灼は自分、憧、穏乃の順で名前を入れる。

「ボール選びだよ……一般的に重いボールが有利とされている」

「灼はいくつ?」

「これでいい、13ポンド」

「うわ重っ! 私には無理だわ」

 そう言い、憧と穏乃は10ポンドのボールを持ってきた。

「灼さん、それ外してください」

 穏乃は戦闘モードに入っていた。麻雀を打っている時の目で、リスタイを外すように要求してきた。いいだろう、面白くなってきた。麻雀もボーリングも真剣勝負だ。

「1フレーム目は普通に投げて、それを確認して二人にアドバイスするから」

「いいよ」

「始めましょう」

 

 

 灼は指に風を当てる。指先の水分を飛ばす為だ。今日はマイボールではない、いつものカーブは投げられない。ハウスボールではナチュラルフックで勝負するしかない。

 アプローチに立つ。灼は右から10番目のスタンディングドットに位置を合わせる。オイルの具合も悪くない、後はどの程度曲がるかだ。こればかりは投げてみなければ分からない。

(基本に忠実に……)

 ゆったりとした助走で、力ではなく振り子の原理を利用して、重いボールを振りかぶる。そして、2番スパット(レーン上に有る三角形の目印)をめがけて投球する。ボールスピード、回転も申し分なしだ。理想通りの曲線を描き、ボールはポケットに吸い込まれ、ストライク独特の小気味よい音を奏でる。

「おおー」

 いきなりのストライクに二人が動揺している。

「最初は仕方が無いわね。灼、ちゃんとアドバイスちょうだいよ」

 憧が投球モーションに入った。フォームは悪くは無い、投げ方も知っている様で、ボールもフックが掛かっていた。ただ、彼女の欠点は視線にあった。ピンしか見ておらず。安定した投球が出来ていない。1投目はポケットを僅かにズレ。10番ピン(右奥のピン)が残ってしまった。

 憧は立ち位置を左寄りに変える。クロスラインだ。それ自体は間違いではない。ただコントロールを出来なければ高確率でガターになる。

「ああー」

 2投目、灼の予想通り、曲がりが弱くピンの手前でガターに落ちた。

「……どう?」

 やっちまった感が溢れ出ている表情で、憧が振り返る。

「シズ一緒に来て」

 灼は、基本を教える必要が有ると考え、穏乃を連れてアプローチに上がった。

「投げ方は今のままでいい、ボールの曲がりもいいよ。だけど、憧は何処を見て投げてるの?」

「何処って、ピンだよ。1番と3番の間を狙ってね」

「ポケットだね、それもいいよ。けどね、それは遠すぎる」

「遠い?」

 なんのことか理解できない様子で、目を白黒させている。灼は、丁寧に、レーン上に有る数々の目印の意味を教えた。

「凄い! 灼! 有難う! なんだかパーフェクトが取れる気がしてきた。よーし」

 再び投球しようとする憧を、灼と穏乃で止めた。

「憧、落ち着いて……次はシズの番だから……それに1フレームが9だからパーフェクトは無理……」

「そっか、ごめんね。シズ、全部倒して!」

「了解」

 穏乃が、スタンディングドットを気にしながら立ち位置を決める。やや左側でボールを真っ直ぐ投げるとストライクが取れる位置だ。持ち方も12時方向のストレートボールのそれだ。

(シズ……)

 それは理想的な投げ方であった。脚運び、腕の振り、リリース、野生の勘故なのか、それとも灼のフォームを見て真似たのか分からないが、文句のつけようがなかった。

 ボールの速度は若干遅めだが、ポケットへの当たりは実によかった。

 ところが、ストレートボールの欠点が出たらしく、7番ピン(左奥のピン)が残ってしまった。

(これは……)

 灼は興奮していた。椅子から立ち上がり、ボールリターンの前で穏乃の球が帰ってくるのを待っていた。

「灼さん?」

「シズ、ゴメン。ボールを見せて」

 穏乃のボールが帰ってきた。灼は、それを持ち上げローリング(ボールに着くオイルの跡)を確認する。

 真っ直ぐであった、指孔上に球の最大円周でローリングが描かれていた。つまり、このボールは完璧な直線軌道で投じられたのだ。

「原村さんと同じ……完璧なストレートボール」

「和と?」

「そう、5年前、見たのはおばあちゃんだけど……」

 灼は穏乃のボールを持ち上げた。

「このオイルの筋は、ボールがどう回転したかの印なんだよ。原村さんが300点を出した時、彼女のボールのローリングは1本だけだったって、おばあちゃんが……」

「じゃあ、私も300点取れるんですか? あ、もう無理か」

「……」

 穏乃に底知れぬ恐ろしさを感じた灼ではあったが、ボーリングはそれほど甘いものではないとも思っていた。

(シズ、ボーリングの最大の敵は誰か分かる? それはね、自分なんだよ。完全な自己完結の競技、それがボーリング)

 穏乃の2投目はクロスラインで投げるしかなく、感覚が合わないのか外してしまった。照れ笑いをする穏乃と交代して、灼は自分のボールを手に取る。穏乃の投げたボールが帰ってきた。僅かにずれたローリングが追加されている。ボーリングとはそういうものだ。僅かなミスが勝負を分ける。技術の未熟さ、心の弱さ、体調等、そのミスを誘発させる要因は無数にある。パーフェクトを取るには、それらを退ける強固な精神力が必要なのだ。

(なぜだろう……今日はもしかしたら……)

 灼はパーフェクトの予感がしていた。だが、灼は直ぐに思い直す。そのような雑念こそが最もたる阻害要因であることを理解しているからだ。

 灼は集中力を高めて、その後もストライクを重ねていった。

 

 

(ファウンデーションフレーム……)

 ゲームは9フレーム目に差しかかかっていた。灼のスコアは、ここまでパーフェクトで仮に計算するならば240点だ。

 憧は8フレームがオープンなので130点だった。灼の指導後、コツを掴んだのか、憧はストライクを3回も出していた。

 穏乃はボールコントロールに苦しみ、オープンフレームが続いていたが、7.8フレームでダブルのストライクを取っている。後半に集中力が増す穏乃らしい展開であった。

(シズも憧も10フレ次第では逆転されるスコア……パーフェクトじゃなきや勝てない)

 ファウンデーション。9フレームでストライクを取る事をそう呼ぶ。10フレーム勝負には大事な要素だ。これから灼はそれを狙う。意識しまいと努力はしていたが、かえって逆効果のようだ。大きく深呼吸し、力を抜いて構える。

(平常心……)

 アプローチの助走で、少しシューズが滑った。その影響がボールの回転に現れた。

(薄い……)

 ヘッドピン(1番ピン)への当たりが薄かった。その為、3本もピンが残ってしまった。これでは、スペアを取り、パンチアウト(10フレームが全てストライク)でも277だ。ハンデを考えると、憧にも穏乃にも危ない点数だ。

「やったー、やっと外してくれた」

「ひやひやしたよ、まったく」

 穏乃と憧が胸をなでおろしている。

(残るは精神力の勝負か……)

 ファウンデーションは失敗した。そうなるのは必然だろう、だから確実にスペアを取らなければならない。灼はそう考え、慎重に2投目を行い、スペアマークが点灯した。

(後は二人次第……)

 最善は尽くした。ここからは憧と穏乃の勝負感がものを言う。

「灼、ここからだよ」

「そうだね……」

 憧が笑顔でアプローチに立つ。そして、流れるようなフォームでボールを投じた。

(ドンピシャだ……)

 もう結果は見えている。疑いのないストライクボールだ。当然のようにストライクマークが点滅した。これで憧はMAX190点の権利を得た。ハンデを加えると290点、灼を上回る。

「シズ、続いて」

「オッケー」

 穏乃も投球する。完璧なストレートボールがヘッドピンの左側に向かって行く。

(ブルックリン(裏ポケット)……何という勝負強さ……)

 ストライク、これでターキーだ。パンチアウトなら163点でハンデ150点を加算するととんでもない数値になってしまう。だが、灼の負けに変わりは無い。

 ハイタッチで喜んでいる二人に、灼は、部活以上に真面目な顔で警告した。

「まだ勝ったと思わない方がいい……ボーリングの怖さはこれからだよ」

 灼は静かにアプローチに立った。天国と地獄、この3投で行先が決まる。天国は冷静である者に道を開く、つまりはこの1投目にストライクを取れる者だ。

 灼はそれに挑んだ。

 投じたボールは、糸を引くようにポケットに突入した。パワーハウス(10本のピンが後部のピットに落ち、レーンに何も残らない状態)だ。これで1投目はクリアだ。続く2投目、またもやパワーハウス。そして3投目、ここでしくじる者は数知れない。最後まで集中力を維持するということは、それほど難しいのだ。

 灼は、あえて普通のペースで投じた。自分に言い聞かせたり、神に祈ったりもしない。普通に投げる。それこそが集中力の証なのだ。

(ヘブン……)

 灼に天国の道は開かれた。パンチアウトが完成した。これでトータルスコアは277、二人に強烈なプレッシャーを与えられる。

「私はどうしたら勝てるの?」

 憧が引き攣った顔で聞いてきた。

「ストライクを2回か、ストライク―スペアで憧の勝ちだ。どちらにせよ、次は絶対ストライクだよ」

「それって、心理戦?」

「そうだよ……これはそういう勝負だから」

「……」

 流石の憧も緊張した面持ちだ。しかし、強メンタルで知られる新子憧は勝負所を見極めていた。絶対条件の1投目ストライクを難なく取っていた。

「どう?」

「……もう一度言うよ、ボーリングは怖いよ……」

 憧の2投目、ヘッドピンにダイレクトに当たった。その結果は最悪のものであった。

「ビックフォー……」と、灼が思わず呟いてしまう程だ。

 スプリット(ピンが離れた状態で残る事)の中でも凶悪な部類に入る、4,7,6,10番ピンが残る形であった。

「こんなの、どうやって取れっての?」

「6番ピンに薄く当ててはじくしかない……」

「出来る?」

「ほぼ無理だけど、可能性はある」

 弱り切った表情で、憧はボールを持った。

「イケー!」

 そんな叫び声と共に投球した。良いコースであった。灼も、もしかしたらと思った。しかし、ビックフォーのハードルはそんなに低くはない。6番ピンは斜めにはじかれ、結局4と7番のピンは残った。新子憧のスコアは174点で確定した。

「悔しい……本当に悔しい……。シズ! 灼をやっつけて!」

 穏乃が無言で立ち上がる。

「シズは……」

「わかってますよ灼さん。ストライクを取ればいいんでしょ?」

 そう言って穏乃はアプローチに上がった。実際はスペアでもいいのだが、灼はそれを告げる気にはなれなかった。なぜならば、この時点で、灼は敗北を受け入れていた。高鴨穏乃の後半の集中力は、げに恐ろしきものだと思った。

 穏乃がボールを投げる。完全なストレートボール。なればこそ、その結果も予測可能だ。

(ストライク……フォース(4回連続)か……)

 10本のピンがぶつかり合う乾いた音が響いた。穏乃が得意げに見ている。

 灼は表情を緩めて言った。

「負けたよ……後半戦の強さはシズらしい」

「有難うございます。それでは、約束の……」

 灼は笑った。穏乃にとって残りの2投はどうでも良い事らしい。

「おばあちゃん」

「はい、こっちがパーフェクトのスコアカードだよ」

 灼が額縁に入れた原村和の300点のスコアカードを、憧と穏乃が物珍しそうに見ている。

「家族で来てたんだね。お父さんもお母さんも上手いね」

「凄いね、麻雀以外にもこんな才能があったなんて……」

「でも、なんで額縁に入れてるの? パーフェクトを出した人って和が初めてなの」

 聞いたのは憧だが、穏乃も不思議そうに灼を見ている。

「そうだね、パーフェクトは原村さんと私以外にも何人かいる……でもね……」

「実は、もう一枚スコアカードがあるんだよ」

 公子が灼の説明を遮り、穏乃にもう一つの額縁を渡す。

「これは?」

「これも和だ……でも190点だよ?」

(まったく……価値が分からないというのは厄介だな……)

「それは原村さんがパーフェクトの前にプレイしたスコアカード」

「ふーん」

「ナインスペアゲームって言ってね、うちでは原村さん以外には例がない」

「そうなんですか?」

 ナインスペアゲームとは、1投目に9本を倒し、2投目でスペアを取る。それを全フレームで行う事だ。ストライクは狙って取れるが、1ピン残しを狙うのは不可能に近い、よって、発生する確率は天文学的に低い。

 それを目撃した公子が溜息交じりに話し始めた。

「和ちゃんはねえ、完ぺきなストレートボールを投げる子だった。だからそのゲームは、今日の穏乃ちゃんと同じで、10番ピンだけ(原村和は左利きの為、穏乃とは逆側のピンが残る)が全フレームで残った。そして確実にスペアを取る。夢でも見てるんじゃないかって思ったよ」

 この話はそれで終わりではない。その続きこそが、灼をして奇跡と呼ばせている所以であった。

「次のゲーム、さっきのパーフェクトゲームだねえ、和ちゃんはお母さんに指導されていた。立つ位置を変えて、斜めにポケットに当てるようにね。その角度が理想的なストライクピンアクションを生み出したんだよ」

「こんな人間は聞いた事が無い、パーフェクトとナインスペアゲームを同じ日に達成するなんて、奇跡の中の奇跡としか言えない」

 穏乃と憧はマジマジと二つの額縁を見比べている。とは言え、あまり凄さが伝わっていない様子だ。

 灼はイライラしてしまい、奥の手を使った。

「原村さんは四槓子の後に四喜和を和了したんだよ……」

「凄い! 和。凄すぎる!」

「これなら、咲ちゃんにも、チャンピオンにも、“巨人”にだって勝てるかも!」

 テンションが急上昇している二人を灼はげんなりと眺めていた。何もかも麻雀基準、呆れてものも言えなかった。

 ――とある野望が灼の脳裏をよぎった。

(そういえば……私は原村さんと普通に話した事が無い……一度話してみたい、そしてその時は……)

 鷺森灼の野望。それは、原村和を擁してのボーリング界完全制覇であった。

 

 

                             鷺森灼の野望 完

  


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