夜の街を音もなく駆け抜ける。
はい、転生初日から「ナイトレイド」と遭遇したハサンです。
名前?やっぱり、事故のせいか思い出せないのでハサンの名前を借りることにした。
それにしても・・・
「この身体、滅茶苦茶使いやすい!!」
そう、最弱でもやはり暗殺者の英霊。
先程の場所から全力で走っているが全く疲れないし、ジャンプをすれば隣の屋根さえ軽々跳躍。遠坂邸で見せたあの見事な潜入シーンを思い出す(その後の事には触れてはいけない)
屋根から屋根へ飛び移り、
これなら、『気配遮断』のスキルも使えるようになるはず・・・!?
「ッ!!」
側面から嫌な気配を感じ取りその場から上に飛んだ。
その直後・・・
高速の弾丸が通り過ぎた。
丁度、自分の頭があった場所を正確に。
身体を独楽の様に回しそのまま屋根から落ちる。
あ、あっぶねぇー!!いま、死にかけたよね!?あれか、調子乗んなってことか?やっぱ、この世界やべぇ(;゚Д゚)
「ぐっ」
そのまま、地面に落ちるも受け身を取り何とか無事。
・・・すんません、嘘つきました。受け身失敗して腰が痛いデス・・・。
って、そんな場合じゃない。
早く障害物に身を隠さなくては!!
丁度、窓が開いている場所を発見。そのまま全力で突入したのだった。
マインside
「ッチ。外した」
マインは少し息を吐き自身の帝具『浪漫砲台パンプキン』を静かに下ろす。
ボスであるナジェンダの命令で今、帝都を騒がしている殺人鬼『首切りザンク』を殺す為、高台の狙撃ポイントで待機していた。
今夜は、月が出て明るく絶好の機会だった。
だが、獲物は見つからず退屈していたその時、アレが現れた。
例えるなら、影人間。
月明かりで照らされているにも関わらず顔さえ見えなかった異形のナニカ。
自身の直感があれは危険だと判断したときには既に撃っていた。
必殺必中の一撃。
無意識ではあるが今までにないほどの完璧な狙撃に標的は為す術もなく撃ち抜かれる。
放った弾丸は速やかに獲物を殺す・・・はずだった。
「なッ!!?」
いきなり、真上に跳躍。
頭を抉り飛ばす銃弾ははるか彼方に消えていった。
ありえない。
側面からの狙撃を避けたこともそうだが、それよりも驚いたのがその跳躍力。
横に転がり避けるのも、一歩下がって避けるのも分かる。
銃である以上、弾道は必ず直線。
故に、理論上では避けれるだろう。
だが、上に避けるなど考えたこともない。
影人間はそのまま、銃弾を飛び越え、空中で回転しながら転がり落ちていった。
「おい、マイン。ザンクの奴でもいたか?」
「レオーネ・・・」
護衛として周りを警戒していた同僚が現れる。
先程の銃弾を聞いて来たのだろう
「・・・いや、何かよく分かんないのが居たんだけど逃がしちゃった」
「変なの?変なのってどんなのだよ?」
「実は、・・・・」
ザンク狩りを終え、アジトでナジェンダに謎の人間を見たと報告。
その姿をアカメとタツミも見たと聞き、報告会が少し長引くのだった。
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