それは一瞬の出来事だった。
学校の帰り道スマホをいじりながら信号待ちしていた時のこと。
ふと、目の前に影ができ何事かと思って前を見ようとした瞬間、凄まじい衝撃と共に身体が宙に浮いた。
空は、嫌になるくらい青く赤い液体が太陽の光を受け宝石の様に綺麗だと感じながら俺の意識は暗転した。
で、次に意識を戻ったら全裸って・・・何の冗談だよ。
しばらく周りをきょろきょろとしていると神様みたいな人が突然現れなんか色々と説明された。
何でも、手違いだとか。
神様の部下?みたいな人がミスしてしまったらしくそれで、お詫びとして転生させてくれるらしい。
俺は中二病が刺激され、アサシン系の能力を注文。
そうして、簡単に、呆気なく、あっさりと俺の転生は終わった。
で、今更なんだが・・・・・・俺の名前なんだっけ?
「ん・・・」
目を覚ますと見知らぬと街の路地裏にいた。
空には星が瞬いているため夜だと判断。おお、マジで生き返ったのかと少し感動。
そして、新たに貰った身体を確認すると。
装備品 仮面 おしまい。
Q.そんな装備で大丈夫か?
A.大丈夫なはずねぇだろう
あのポンコツ神ッ!!
全裸で転生とか聞いたことないわ!!俺はター○ネー○―か!
まずいな、このまま見つかればどうなるか子供でも理解できる。
服を手に入れなければ。
全裸で大通り出るのは流石に、恥ずかしいので近くにたまたま落ちていた黒い腰布を巻いた。・・・そこ不衛生とかいわない。
折角なので仮面も付けるか。
仮面は見た感じ死神(卍解しないほう)を彷彿させるデザインで結構気に入った。
仮面を装備し、路地裏から出る。
「ほおー、ホントに異世界なんだなぁ」
事故のせいか名前も自分が住んでいた町の景色も思い出せないが街中は一目で今まで暮らしていた世界と違うと感じた。
のんびりと異世界の街を観光気分で歩いていると噴水を発見。
そうだ、顔とか目の色とか変わっているかもしれないし見に行こう。
銀髪でオッドアイとかならいいな。
髪 黒髪 目 黒目 顔 普通? 姿 ハサン
・・・はさん?しかもこれって
「ザイード?」
皆さんは知っているだろうか?
ザイードとは『FATE/ZERO』のアサシンの英霊「百貌のハサン」の一人。
複数の人格を持ち、その人格分だけ肉体を持っているハサン。その数は覚えていないが確か80ぐらいだったような気がする。
その中でも、特筆すべき点もない人格が居る。そいつは聖杯戦争開始早々に囮としてマスターにも同じ仲間にも「我らの中で最弱だし、ま、いいや」ぐらいな感じで見捨てられている。そんな一番弱い人格のザイードになっている。
何が言いたいかと言うと詰んだ。正確にはチェックや王手の状態。
この世界がヒャッハー!!状態でなければ大丈夫だが。確かに一般人に比べればその運動能力、潜伏能力、罠や攻撃、そして、ダンスなど凄まじい超人なわけだが・・・・。
嫌な予感がする。
金もなく、服もない。おまけに最弱。
・・・なんだろう凄く疲れた。
憂鬱な気分のまま再び夜の異世界観光に戻る。
それで、たまたま曲がった壁に何か張り付けられているのに気が付いた。
ん?なんぞ、これ?なになに・・・指名手配 うっわー、物騒なフラグがたったよ。
へぇー、暗殺集団『ナイトレイド』ね。できれば関わりたくないな。
・・・・・・待て。ナイトレイド?
思わず二度見。さらに、詳しく読み直す。
「まさか・・・」
い、いや。流石に、そこまでポンコツじゃないだろあの神も。
間違えだと言い聞かせ道を曲がると・・・
血だらけの少年と日本刀を持った少女。そして、頭に変な機械を乗せて両手に剣を付けた男がいた。
「「「・・・・・・・」」」
三人は驚いた顔をしてこちらを見る。
俺も驚いた顔で見ている。が、その三人に見覚えがあることに気づき、
「お、おじゃましました」
そのまま逃げるように俺はその場を離れる。
そして、自身の身体を駆使して屋根に上り全力疾走を開始。
や、やっぱりアカメが斬る!の世界じゃねぇかー!!!!!
こうして、俺のはらはら(精神的)どきどき(物理的)の異世界生活が始まるのだった。
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