と言うよりも、過去作のアレをクロスします。アレも東方の設定が混じってるので。
俺にはある習慣がある。
それは、早朝に散歩することだ。
何?基本的にぐうだらで座右の銘が「押してダメなら諦めろ」の俺がそんなことする筈ないだと?
まあ、正直な所俺もそう思う。社会人失格で、将来働きたくないと思ってるしな。
てか、魔法使いだからどうとでもなるし。
馬鹿後輩はまだ寝ている。最初の頃はアイツも一緒に散歩していたが、朝の眠気には勝てなかったようだ、
ていうか、夜遅くまで座学を頭に叩き込んでやって、何度か死んだしな。今日は土曜日だから高校も休みだ。
たぶん、昼まで寝てるだろ。
「あれ?八幡君じゃないか。久しぶり!」
「ん?お前、鳴善か。久しぶりだな。中学の卒業式以来か」
「うん。相変わらず目が死んでるね」
まさか、散歩していたら中学時代の同級生に出会うとはな。
こいつは名前は公野 鳴善(こうの なるよし)。俺の数少ない友達で、唯一の理解者である一人だ。
「うんうん、高校に入ってから疎遠だったから心配してたけど大丈夫そうだね。目は死んでるけど、死んでないね」
「いや、意味わからん」
「そうかな?わかりやすいけど」
「お前だけだよ。そういや、お前の幼馴染の博麗達は元気か?」
「あーうん、元気だね。色々あるけど」
なんだ、その含みのある顔は。てか、ずっと気になっていることがある。
さっきからずっと、鳴善の頭の上でスピーと寝息を立てて寝ているナニカ。それが気になって仕方ないんだけど?
「なあ・・・・・その頭に乗ってるソレは何だ?」
「え?猫だよ」
「いやいや・・・・・・いやいやいやいやいや。猫じゃねーだろ!猫耳にしっぽが生えてても猫じゃねーよ!」
ぬいぐるみサイズの少女に猫耳にしっぽとかねーよ!ていうか、外見がどう見ても某魔砲少女の主人公だろ!?
「あ、八幡君には猫に見えなかったか」
「・・・・・・説明プリーズ。ナニソレ?」
「この子は【にゃのは】って名前で、子猫のチヴィット族で、僕の家で飼ってるんだ。あと、他にもチヴィット族の子がたくさんいて、友達の家にいるんだ」
にゃのは?チヴィット族?・・・・・・てか、にゃのはって名前がまんまだし、チヴィットってなのセントのアレだろ?
・・・・・・・・・考えるのは止めた。この世には理解できない以上の事があるんだ。きっとそうだ。
漫画のキャラが実在していたとか、俺にはどうしようもないしな。
「あ、そろそろ帰らないと。お母さんがまた暴走するかもしれないし」
「・・・・・・お前のお袋さん、相変わらず変態なのか?」
「・・・・・・うん。僕とお父さんの胃がそろそろ限界かも」
「そうか・・・・・・今度、胃薬送るぞ」
「ありがと、八幡君」
コイツの母親である公野 朱莉(こうの あかり)という人物は、一言で言うと変態。そして最強。
俺が絶対に敵に回したくない人種で、魔法を使っても勝てないと悟った人だ。
そして、俺達は中学の時にはできなかったメルアドを交換した。
いやだって俺、中学の時はまだ携帯持ってなかったしな。
「じゃあね。また中学時代みたいに遊ぼうね!」
「おう。またな」
「その時は僕の彼女のジークを紹介するよ!」
・・・・・・リア充かよ!しかもジークって外人かい!
久しぶりに会った友人が彼女持ちだった。
え?俺は同棲しているだと?馬鹿を言うな。馬鹿後輩だぞ?ありえん。
◇
滅多に歩かない散歩コースを久しぶりに歩いていると、見覚えのある神社が目に入った。
鳴善に再会したのが原因か?まさか博麗神社に来ることになるとはな
「しかし、相変わらず寂れてんな。参拝客来てるのか?」
「来てるわよ。相変わらず失礼な奴ね、八幡」
「おわっ!?」
いきなり背後から声がっ!?振り向くと、脇が出ている巫女服の女の子がそこにいた。
「は、博麗?驚かすなよ」
「ふん。昔のアンタなら気づいてたでしょうに。ぬるま湯に浸かって鈍ったんじゃない?」
「ぐぬぬ・・・・・反論は出来ないな」
まあ、否定はしない。馬鹿後輩に出会ってから俺は変わったのかもしれない
「まあ、相変わらず目が死んでて何よりね」
「それ、俺らしいって意味だよな?そうだよな?」
「うっさいわね。それより、お賽銭よこしなさい。タダでは帰さないわよ」
「・・・・・・相変わらずなのはお互いさまだな」
博麗霊夢。この博麗神社の巫女で、中学の頃の同級生。
鳴善とは幼馴染らしいが、二人は親友だから恋愛はないそうだ。現にアイツは別のヤツを彼女にしたらしいが。
「それにしてもアンタ、今年は何かあるわね。気をつけなさい」
「なんだ、心配してくれんのか?珍しい」
他人にはかなりドライな此奴が俺を心配?無いな
「心配なんかしないわよ。元同級生が死んでお墓を作るのが面倒なだけよ」
「物騒すぎるわ!」
俺、死ぬの!?やめろよ縁起でもない
「なら、ご利益のあるお守りを買いなさい。友人価格で少しは安くするわ」
「・・・・・・商売上手な奴め」
仮にも友人に売りつけるか普通。いや、こいつにとっては普通か。幼馴染の鳴善にも昔から容赦なかったな。
「ああそうそう。気を付けるついでに、一つ注意しなさい。特に、血縁にはね。この数日の間にアンタは一つの選択をするわ。その選択次第で、アンタの運勢が吉か凶かに決まるわ。」
「・・・・・・ご忠告どうも」
此奴の勘や予言は嫌と言うほど当たる。魔法使いの予言以上には。
はぁ、俺に安息は無いというのか?
それにしても血縁か・・・・・・十中八九、小町の事だろう。
今更、俺にどうしろと言うんだよ。なあ、神様よ。