魔法使いの俺に弟子がいるのは間違っている   作:ゼルガー

10 / 26
pixivにてアンケートを取り、東方projectとクロスすることになりました。


と言うよりも、過去作のアレをクロスします。アレも東方の設定が混じってるので。


魔法使いの俺に弟子がいるのは間違っている⑨

 

 

 

俺にはある習慣がある。

 

それは、早朝に散歩することだ。

 

何?基本的にぐうだらで座右の銘が「押してダメなら諦めろ」の俺がそんなことする筈ないだと?

 

まあ、正直な所俺もそう思う。社会人失格で、将来働きたくないと思ってるしな。

 

てか、魔法使いだからどうとでもなるし。

 

馬鹿後輩はまだ寝ている。最初の頃はアイツも一緒に散歩していたが、朝の眠気には勝てなかったようだ、

 

ていうか、夜遅くまで座学を頭に叩き込んでやって、何度か死んだしな。今日は土曜日だから高校も休みだ。

 

たぶん、昼まで寝てるだろ。

 

 

 

「あれ?八幡君じゃないか。久しぶり!」

 

「ん?お前、鳴善か。久しぶりだな。中学の卒業式以来か」

 

「うん。相変わらず目が死んでるね」

 

 

まさか、散歩していたら中学時代の同級生に出会うとはな。

 

こいつは名前は公野 鳴善(こうの なるよし)。俺の数少ない友達で、唯一の理解者である一人だ。

 

 

「うんうん、高校に入ってから疎遠だったから心配してたけど大丈夫そうだね。目は死んでるけど、死んでないね」

 

「いや、意味わからん」

 

「そうかな?わかりやすいけど」

 

「お前だけだよ。そういや、お前の幼馴染の博麗達は元気か?」

 

「あーうん、元気だね。色々あるけど」

 

 

なんだ、その含みのある顔は。てか、ずっと気になっていることがある。

 

さっきからずっと、鳴善の頭の上でスピーと寝息を立てて寝ているナニカ。それが気になって仕方ないんだけど?

 

 

「なあ・・・・・その頭に乗ってるソレは何だ?」

 

「え?猫だよ」

 

「いやいや・・・・・・いやいやいやいやいや。猫じゃねーだろ!猫耳にしっぽが生えてても猫じゃねーよ!」

 

 

ぬいぐるみサイズの少女に猫耳にしっぽとかねーよ!ていうか、外見がどう見ても某魔砲少女の主人公だろ!?

 

 

「あ、八幡君には猫に見えなかったか」

 

「・・・・・・説明プリーズ。ナニソレ?」

 

「この子は【にゃのは】って名前で、子猫のチヴィット族で、僕の家で飼ってるんだ。あと、他にもチヴィット族の子がたくさんいて、友達の家にいるんだ」

 

 

にゃのは?チヴィット族?・・・・・・てか、にゃのはって名前がまんまだし、チヴィットってなのセントのアレだろ?

 

・・・・・・・・・考えるのは止めた。この世には理解できない以上の事があるんだ。きっとそうだ。

 

漫画のキャラが実在していたとか、俺にはどうしようもないしな。

 

 

「あ、そろそろ帰らないと。お母さんがまた暴走するかもしれないし」

 

「・・・・・・お前のお袋さん、相変わらず変態なのか?」

 

「・・・・・・うん。僕とお父さんの胃がそろそろ限界かも」

 

「そうか・・・・・・今度、胃薬送るぞ」

 

「ありがと、八幡君」

 

 

 

コイツの母親である公野 朱莉(こうの あかり)という人物は、一言で言うと変態。そして最強。

 

俺が絶対に敵に回したくない人種で、魔法を使っても勝てないと悟った人だ。

 

そして、俺達は中学の時にはできなかったメルアドを交換した。

 

いやだって俺、中学の時はまだ携帯持ってなかったしな。

 

 

 

「じゃあね。また中学時代みたいに遊ぼうね!」

 

「おう。またな」

 

「その時は僕の彼女のジークを紹介するよ!」

 

 

・・・・・・リア充かよ!しかもジークって外人かい!

 

久しぶりに会った友人が彼女持ちだった。

 

え?俺は同棲しているだと?馬鹿を言うな。馬鹿後輩だぞ?ありえん。

 

 

 

 

 

 

 

 

滅多に歩かない散歩コースを久しぶりに歩いていると、見覚えのある神社が目に入った。

 

鳴善に再会したのが原因か?まさか博麗神社に来ることになるとはな

 

 

「しかし、相変わらず寂れてんな。参拝客来てるのか?」

 

「来てるわよ。相変わらず失礼な奴ね、八幡」

 

「おわっ!?」

 

 

いきなり背後から声がっ!?振り向くと、脇が出ている巫女服の女の子がそこにいた。

 

 

「は、博麗?驚かすなよ」

 

「ふん。昔のアンタなら気づいてたでしょうに。ぬるま湯に浸かって鈍ったんじゃない?」

 

「ぐぬぬ・・・・・反論は出来ないな」

 

 

まあ、否定はしない。馬鹿後輩に出会ってから俺は変わったのかもしれない

 

 

「まあ、相変わらず目が死んでて何よりね」

 

「それ、俺らしいって意味だよな?そうだよな?」

 

「うっさいわね。それより、お賽銭よこしなさい。タダでは帰さないわよ」

 

「・・・・・・相変わらずなのはお互いさまだな」

 

 

博麗霊夢。この博麗神社の巫女で、中学の頃の同級生。

 

鳴善とは幼馴染らしいが、二人は親友だから恋愛はないそうだ。現にアイツは別のヤツを彼女にしたらしいが。

 

 

「それにしてもアンタ、今年は何かあるわね。気をつけなさい」

 

「なんだ、心配してくれんのか?珍しい」

 

 

他人にはかなりドライな此奴が俺を心配?無いな

 

 

「心配なんかしないわよ。元同級生が死んでお墓を作るのが面倒なだけよ」

 

「物騒すぎるわ!」

 

 

俺、死ぬの!?やめろよ縁起でもない

 

 

「なら、ご利益のあるお守りを買いなさい。友人価格で少しは安くするわ」

 

「・・・・・・商売上手な奴め」

 

 

仮にも友人に売りつけるか普通。いや、こいつにとっては普通か。幼馴染の鳴善にも昔から容赦なかったな。

 

 

「ああそうそう。気を付けるついでに、一つ注意しなさい。特に、血縁にはね。この数日の間にアンタは一つの選択をするわ。その選択次第で、アンタの運勢が吉か凶かに決まるわ。」

 

「・・・・・・ご忠告どうも」

 

 

此奴の勘や予言は嫌と言うほど当たる。魔法使いの予言以上には。

 

はぁ、俺に安息は無いというのか?

 

それにしても血縁か・・・・・・十中八九、小町の事だろう。

 

今更、俺にどうしろと言うんだよ。なあ、神様よ。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。