軽い小休止です
side美羽
「ふぅ~♪久しぶりに本気がだせたかも♪」
アタシはスキップしながら、自室である牢屋を目指す...
幽香も中々強かったし!
この幻想郷には興味が尽きないわ!
他にどんなものがあるのかしらね?
牢屋の戸を開けてアタシは中に入る...
「おかえりなさい...楽しかったですか?」
「...」
牢屋のベットの上には柚神が野菜を齧りながら笑顔で待っていた...
こいつ...今までどこをほっつき歩いていたのよ!!
明らかに手に持っている野菜はお土産っぽいし!!
「...アンタどこにいた?」
「ん?人里でお野菜を頂いた後は...そこらへんを探索していましたね?貴女もどうぞ!」
柚神はキュウリをアタシに投げ、アタシをそれを受けとる...
「...ぽり...アンタも中々充実した一日を過ごしたみたいじゃない?」
「ええ!おかげで運動不足も解消できましたし...」
...運動不足ねぇ
デスクワーク型が何を言っているんだか...
「まぁ...アタシも中々楽しかったわ...強い妖怪にあってそれなりの力で戦って...」
「100%の力でしょう?」
柚神はスコープを外して軍服にしまう...
こいつ...見ていたのね...
「探索って...アタシのことを見ていたの?」
「ええ!100%の力を出した貴女は輝いていましたとも!意外に...腕は落ちていないみたいですね」
...それはそうよ...出所して±20%を制限されていたからね...
100%何ていつぶりかしら?
「何?100%出したことを咎めようというの?」
アタシが言うが柚神は首を横に振る
「これはいいじゃないですか?相手も相手でしたし...良い判断だと思いますよ?天狗の方は何も知らないでしょうね?ワタシが少し手を加えたので...」
「...アンタお得意の隠蔽ってやつ?」
「隠蔽とは失礼な!」
柚神はムッとするがアタシは正しいことを言ったまでよ...
こいつの能力はアタシより性質が悪い...
じんわりじんわり...嬲り殺していく悪魔の能力といったほうが正しいわね...
「...まぁいいです...それより!こちらはいかがです?」
ベットの下に手を伸ばし酒瓶とおつまみを次々と床に置いていく...
「...随分と豪勢じゃない?お酒何て久しぶりよ!」
「一杯やりましょう!ワタシ達の門出を祝ってですがね」
柚神はおちょこをアタシに出してお酒を注ぐ...
アタシもついでに彼女のおちょこにお酒を注ぐ...
まぁこういうのも悪くないわ...
「では乾杯!」
「はいはい!乾杯~!」
おちょこで乾杯しアタシは格子の外を見る...
真っ暗になった夜空に、静まった山の風景が見える...
思い返してみれば、今日は本当に面白かったわ...
できることなら...平和に過ごしてみたいかも...
(...無理よね)
アタシたちは兵器そのもの...戦うことが存在理由だものね...
そろそろ任務も入りそうだし、だらけてはいられないわ...
(美羽様...貴女の部下で幸せでした...)
(貴女の...ために死ねて本望です)
「っ...」
「どうしました?」
柚神が首をかしげる...
「あ~...嫌なこと...思い出した...」
アタシはキセルを咥えて思考をリセットする
もう...ああいうこと沢山だし、アタシが頑張るしか道は残されていない...
黒い煙と死臭で満たされた過去は...明るい未来で払拭しないと...
「柚神...これからも宜しく...」
「はい!こちらこそ...」
アタシとこいつが居れば任務はミスせずにできるでしょう...
過ちは繰り返してはならないわ...
夜空に浮かぶ月を眺めながらアタシは酒を飲む...
side柚神
(あらあら...昔のことを思い出して荒れ始めましたかね?)
少し不機嫌になった美羽を眺めながらワタシは酒をすする...
あの血生臭い惨劇から、もう何百年経過したのでしょうか?
ワタシとしてもその光景はデータに入っています...
忘れてはいけません...あのことはね...
「...」
しかし美羽が無理しないようにキープするのもワタシの役目です...
大体の荒事は彼女にやってもらいますが、そのバックアップはワタシにお任せください...
貴女が破裂しないように...ワタシも頑張りますから...
短いですがここまで
あと少ししたら...
ではこれにて