東方天災手記   作:ベネト

74 / 78
道中編...


侵入

博麗霊夢と霧雨魔理沙の迎撃が起こった同時刻...

 

妖怪の山の頂上にて睡煉・夜喪妓はそこの巫女の襲撃により、近場に潜伏していた...

 

かつての仲間を助けるためだが、夜喪妓は目を負傷し、あまりにも分が悪い...毎乃葉が来るまで持ちこたえるのだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

side睡煉

 

「...はぁ...いつまでそうしているつもりですか?」

 

妖怪の山の頂点にある湖にて私はため息をつく...

 

「...ぶくぶくぶく」

 

目の前には、湖に顔を突っ込んで伏している夜喪妓さんの姿...相当目が痛いのでしょうか?一向に治る兆しがないです...

 

謎の神社の調査にて夜喪妓さんが神社の巫女により使い物にならなくなってしまった以上...これ以上の任務の遂行は厳しいというのに...

 

「夜喪妓さん?聞いてます?」

 

「聞いている...ある程度はましにはなった...」

 

湖から夜喪妓さんが顔をあげる...目がすごい充血していますが、何とか目を開けることはできたようですね...

 

「これからどうします?とりあえずは毎乃葉様に連絡したので救援には来てくれると思いますが?」

 

「できる限りは同志の手は煩わせたくなかったのだが...」

 

夜喪妓さんは不服を言いますが、もう遅い...正直私達の侵入はバレていますし...いつまで持つか分かりません...

 

「とりあえず...目的地はどこだ?それが分からんことにはどうする事もできんぞ?」

 

「もう近いとは思いますけど...」

 

...私は受信機を手に取る...忌梗からの救難信号...だいぶ近づいてはいますが...ここは神社から離れています...あるのは大きな湖ですし...一体どこに?

 

 

 

「本当に後少しというところですね...ですがここ湖ですよ?どこに忌梗がいるのか?」

 

「案外すぐ近くかもしれんぞ...この湖の中とかな...」

 

夜喪妓さんは湖を指さす...何という頓珍漢なことを...

 

「この中に水没しているというんですか?不死崩れな流石の私達も長期間の息止めはできませんよ...」

 

「馬鹿か...同志睡煉...あいつの能力を忘れたのか?あいつの能力は過酷な環境でも耐えることはできるのだぞ...」

 

「...ああ...そういえば...そうでしたね...」

 

...忌梗の能力を完全に忘れていました...確かにあれなら何とかなりますが...

 

「でも?能力使う必要あります?泳いで出ることができるはずですのに...」

 

「...?のっぴきならない状況にでもなったか?しかしだ...探すところは大体は絞れたはずだ...」

 

夜喪妓さんが湖を指さす

 

「さあ!行け!!」同志を見つけるのだ!」

 

「急な無茶ぶりを言いますね...私は鮎を釣る鵜ではないのですよ?」

 

「適材適所だ...お前の能力を使えば何とかなるだろう?」

 

「はいはい...」

 

私はエラを作り出して潜水に備える...これでなら水の中の探索もできるというものです...

 

「ふぅ...では行きますね」

 

「ああ...朗報を期待するぞ...」

 

夜喪妓さんを別れて私は湖の中へと入る...

 

さて...忌梗はいますかね?

 

 

 

 

side夜喪妓

 

「頼むぞ同志睡煉...」

 

とりあえず...救出には行ってもらえたか...とりあえずは上々...

 

残りは私の仕事をするべきだけか...

 

「いつまで見ている?こちらは気づいているぞ?」

 

何もない空間に言う...

 

「...あはは!気づいてた?気配は消したと思っていたんだけどねー?」

 

辺りに少女のような声が響く...

 

「これでも...それなりには勘が良いのでな...」

 

同志睡煉は気づかなかったようだが...嫌な視線は感じていた...

 

「へぇ?そうなの...」

 

何もない空間から一人の少女が飛び出す...

 

金色の髪に青色の着物のようなものを身に着け...頭には...目のついた帽子?のようなものをかぶっている...

 

「侵入者が誰かと思えば...2名とはね...ここに何の用?」

 

「ただの人探しだ...」

 

「人探しねぇ?何でうちの湖に入っていったのが分からないし...随分と妙なのが侵入してきたものだね...」

 

少女は私を怪しむかのような目をする...

 

「妙とは何だ?私は只の兵士にすぎん...」

 

「只の兵士な訳ないでしょう?とある神霊と同じ霊力を出していてよく言うよ」

 

「...!?」

 

「そして...さっき飛び込んだのもとある神霊と同じ霊力を持っていた...懐かしいものだけど...君たちは見た目は丸で違う...丸で同じものを複製したような感じだよ」

 

一目見ただけで見破るとは恐れ入る...やはり只者ではないようだ...

 

「...何者だ」

 

「ん?この神社の関係者だよ?さっきも言ったけど...妙な2名が侵入したから確認しにきただけ...うちの敷地に侵入してきたんだ...私もある程度のことはしないといけないからね」

 

少女は鉄の輪のようなものを取り出して私に向ける...今回の任務の関係者...つまり...あの神社を出現させた者ということか...明らかに実力者のようだ

 

「...できる限り戦闘はしたくないのだがな」

 

...目がまだ完治していないし調子も宜しくないがやるしかないか...

 

「それじゃ行くよ!」

 

「時間稼ぎ位はさせてもらうぞ!!」

 

私は少女に向けてライフルの発射する!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃妖怪の山神社付近にて...

 

「毎乃葉!!まだなの!?」

 

「早く案内しろって!!」

 

「...」

 

博麗霊夢と霧雨魔理沙...そして無理やり妖怪の山を案内させられている天逆毎乃葉の3名が妖怪の山の頂上を目指す...

 

 

 

 

side霊夢

 

「はぁ...」

 

私達を先導する毎乃葉が大きなため息をつく...

 

「何よ?不満なの?」

 

「それはそうよン...何でこのアタシがこんなことを...それに...今回のお仕事は貴女達を妖怪の山に入れないことよ?それどころか真逆なことをやっているのがバレたら後が怖いわよぉ...下手したら始末書だし...」

 

毎乃葉は不平不満を言う...

 

「妖怪の山の頂点にある神社が今回の異変だろ?お前たち妖怪の山だってあの神社には困っているはずだ別にいいだろ?」

 

「私はあの神社に喧嘩を売られた...アンタの方は仕事ともう一つ理由がある...今回のことはお互いに利害が一致しているからいいでしょ?」

 

「それはそれよぉ...お仕事は~!着実にこなさないと駄目なのよン...もしこんな状況誰かに見られでもしたら...あ...」

 

毎乃葉が急に足を止める...

 

「何よ?急に止まって?」

 

「何だ?」

 

私達が毎乃葉の顔を覗き込むと彼女は顔を青くしている...

 

「嘘でしょう?何で予定通りにいかないのよ...」

 

「...?何を言って...」

 

ビュウー!!!!

 

言葉を言い切る前に突風が辺りに吹き渡る...

 

 

 

 

 

 

「あやややや!?何で貴女達がここにいるんです?」

 

「毎乃葉様が止めてくれたのではなかったのですか?」

 

目を開けるとそこには、天狗である射命丸文とその部下の犬走椛の2名が佇んでいた...

 

毎乃葉は目を泳がせながら、額の汗を拭っている...

 

「えーとね...やっぱり今回の件は協力してもらった方が色々と利があると思って~」

 

「毎乃葉...貴女のお仕事の内容は何ですか...」

 

文が毎乃葉の言葉を一蹴する...

 

「...博麗の巫女とその他侵入者の排除です」

 

毎乃葉は大人しく答える...

 

「それとは真逆なことをしていますよね?もしかしなくても...天狗の組織の命令に逆らうというのですか?」

 

「いやいや!!アタシとしても不本意なの!!戦闘で勝ったのに無理やり言うこと聞かされたのよ!この子達を止められる訳ないでしょう!!この威圧に逆らえないわ!!貴女だって今回のミッションが無理難題だってこと分かるでしょう!!?」

 

毎乃葉は文の肩をつかんで揺さぶるが、文は毅然とした態度のままだ...

 

「...気持ちはわかりますが...お仕事はお仕事です!!毎乃葉!今回の貴女は命令違反を起こしました!今回の反省文を今すぐに提出...」

 

「...ちっ」

 

毎乃葉は軽く舌打ちをした後、目に付いたスコープを取り外して文の目をジーっと見つめる...

 

 

 

 

「...」

 

「な...何です!私は暴力には屈しませんよ!!仮に私に暴力を振るったら更に罪が...」

 

「更に罪が重くなる?このアタシが...何の罪を犯したというのかしらぁン?」

 

「な...何ってそれは...?あ...あれ?...確か?」

 

文は頭に手を当てて考え始める...

 

「何をしたというの?何か罪でも犯したというのかしら?このアタシに教えてもらえる?」

 

「えーと...あれ?何でしたっけ...」

 

...?何か文の様子がおかしいわね?何か急に度忘れでもしたのかしら?さっきとは打って変わって大人しくなっている...

 

「毎乃葉...アンタ何を...」

 

「...!」

 

毎乃葉は私の方をにらむように一瞥し、また文の方を向く...

 

「...通してもらえるかしら?アタシたち...まだ仕事中なのよ...そろそろ眠くなってくる頃じゃないかしら?いい加減休んだらどう?」

 

「...ええ...そうしま...す」

 

「文さん!!」

 

文の方はフラフラしており、椛が文の体を支える...

 

毎乃葉は椛の方に近づく...

 

「ねぇ?もみちゃん?今回の件は黙ってくれるわよね?」

 

「え?でも...」

 

「ね?」

 

毎乃葉は椛に更に近づく...彼女の言い方は優しいものだが、体から出る威圧感がすごいわ...心なしか...椛の方は怯え始めている...

 

「は...はい...」

 

「お利口さんで嬉しいわね...じゃあ文を連れて戻ってもらえるかしら?」

 

「は...はいいいい!!!」

 

椛は文を抱えて逃げるようにその場から去る...

 

 

 

 

「...じゃあ進むわよ」

 

毎乃葉は何事もなかったように進み始める

 

「いや!待て!お前文に何をした?あの状況普通ではなかったぞ!」

 

魔理沙が流石にも止める...

 

「アンタの情報操作能力かしら?」

 

「まぁ...それに近い能力かしら?催眠術に近い感じね...もみちゃんの方は軽い脅しかしら?少し可哀そうなことをしたけど時間がないのよねン」

 

暴力的で脳筋のイメージがあるけど、毎乃葉にはこれがあるから厄介なのよね...

 

「てっきり暴力で解決すると思ったけど?」

 

「それも候補の一つだけど...文達の相手をするのは時間がかかるわ...今回ばかりは時間はかけれないわ...アタシの部下達がいつまで持つか分からないし...」

 

彼女はキセルを吹かして頂上へ行く道を指さす...

 

「お目当ての神社はこの先...こうなったら一蓮托生よン...目的はお互い違うけどこの異変を終了しましょうか...」

 

「ええ...」

 

「ああ...」

 

私達は神社へとつながる道を進む...

 

何とかここまで来れたけど...まだ先は長いわ...今回は毎乃葉が味方になってくれるから何とかなると思うけど...

 

 




長らくお待たせしました...

色々と忙しい...

ではこれにて

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。