東方天災手記   作:ベネト

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茨歌仙最終巻

おめでとうございます!


潜入と現人神

妖怪の山の山頂にできた謎の神社と湖...そこの調査を任された第0部隊のメンバーである夜喪妓と睡煉は、かつての第0部隊のメンバーである忌梗からの救難信号を受け、リーダーである天逆毎乃葉の命令で調査に向かっている...

 

リーダーである毎乃葉の不在による彼女達だけの任務...この任務は無事に成功するのであろうか?

 

 

 

side夜喪妓

 

「山頂までもう少しだ...気を抜くなよ!同志睡煉!」

 

「分かっています!夜喪妓さん!!」

 

私達は山頂へと続く道を急ぐ...まさか同志毎乃葉が博麗の巫女を止めるために別任務に向かわされるとは予想外だ...

 

だが...同志忌梗が助けを求めている...何としてでもこの任務は確実に成功させなくては!!

 

「...!...進軍やめだ...同志睡煉」

 

私は睡煉を止めて物陰に隠れる...

 

「どうしました?」

 

「身を低くしろ...目的地だ」

 

私の視線の先には、大きな神社の境内が目に映る...ここが目的地だ...随分と立派な神社のようだ...

 

「あらら...立派な神社ですね?」

 

「ああ全くだ...こんなものよく気づかれないで建てたものだ...」

 

私は眼帯を取り、ズームアップで神社を観察する...

 

建物は材質からして年季の入ったもののようだ...新築というわけではないようだな...ここに来て建造したわけではなく、まるで元からあった物をどこからかテレポートしてきたかのようだ...

 

「実力者の本拠基地というべきか?」

 

「それで...忌梗の居場所はわかります?」

 

通信機を確認すると、救難信号はこの神社の裏から来ているようだ...神社の内部ではないからある程度侵入が楽になるな...

 

「神社の裏からだ...場所からして湖か?内部ではない以上この神社は関係ないようだ...」

 

「なるほど...大体の場所は絞り込めたみたいですね...これなら助け出すのも時間はかかりませんって!!」

 

「どうだろうな...見張りがいる...」

 

境内の方を見ると、そこには緑色の髪をした巫女らしき少女が境内の掃除をしているのが目に付く...

 

明らかにこの神社の関係者...こういう輩は油断しないほうが良い...何かの力を持っているのは間違いないだろう...

 

「...やりますか?」

 

同志睡煉が手術刀を構えるが私が手で制す...今回の任務は忌梗の救出であり、殺しではない...

 

「やめておけ...とりあえず裏へ回るぞ...」

 

...この神社の主は私たちの手には余る...正体がわからない以上警戒するに越したことはない...

 

私達が裏へ回ろうとすると、神社の巫女が急に私達の方に振り向く...

 

 

「む!!そこにいるのは誰です!!」

 

「...」

 

「...」

 

まずいな...気づかれてしまうとは...こちらは気を付けていたはずだが...

 

「どうします?」

 

「見つかった以上やるしかないだろう...」

 

私はライフルを巫女に向け、巫女はライフルを驚くような顔で見つめている...

 

「泥棒ですか!!神社への狼藉は許しませんよ!」

 

「泥棒ではないのだがな...少々そちらへと用があるのでな...大人しくしてくれると助かるというものだ」

 

巫女は負けじと私へ向けて一歩踏み出す...

 

「そんな脅しには屈しませんよ!!」

 

強気だな...見目からして戦いを経験していない一般人の割には頑張ったほうだろうな

 

だが...勇気と無謀を履き違えているようだ...

 

 

 

 

「大人しく寝ていろ!」

 

彼女に向けて発砲する...私の能力で弾丸は生き物のようにグネグネと動く...これで避けられるはずがない...

 

「...ふぅ」

 

巫女は避けようともせず、その場にいるだけだ...?

 

 

 

 

 

 

 

ふ...

 

 

私の弾丸は巫女の横を避けるように通過する!?

 

「な?」

 

馬鹿な...狙いは決めていたはず...なんで無防備な相手を的にして外すのだ?

 

巫女はこの機会を逃さんとするばかりに私へと近づく...

 

「これが奇跡の力です!!泥棒さんにはお仕置きが必要です!!」

 

巫女は袖の中からスプレーを取り出して私へと向けて噴射する...

 

「...何だこれ?水?...っ!!!?」

 

あ...あれ?何だ!!?目が染みる!!顔がひりひりする!?

 

「い...痛い痛い痛い!!お...おま...私に何をかけた!!ごほ!!!!」

 

「暴漢撃退用催涙スプレーです!!持っておいて正解でした!」

 

くそ!!なんて物を持っている!!目が痛い!!涙が止まらん!!!涙で視界が!!!息が辛い!!!

 

ま...待て!!!このざまでは私は力を発揮することが!!!

 

「さて!お覚悟を!!!」

 

巫女は攻撃に移っているようだが!!こんな状態では無理だ!!

 

 

 

 

 

「撤退ですね!夜喪妓さん!!」

 

「っ!!」

 

同志睡煉に抱えられて事を何とかする...

 

「ああ!!もう一人!!」

 

「すみませーん!!撤退しまーす!!」

 

同志睡煉は私を抱えたまま撤退し...彼女は神社から離れて下山する...

 

「おい!!同志睡煉!!このままでは同志忌梗の助けが!!」

 

「出直しですよ...夜喪妓さん...貴女の目が使い物にならなくなった今...これ以上は徒労になります...今は撤退して...こっそりと別のルートから侵入しましょうよ」

 

「...」

 

使い物にならないとは酷いな...だが彼女の言葉にも一理あるか...

 

それにあの巫女...何かの能力者だな...私の弾丸を回避するとは...少し考える必要性が出てきたな...

 

「うう...目が痛い~どこから水洗いしたい...」

 

「神社の裏手から参りましょうか?目的地の水辺もありますし...ここでなら巫女も気づかないはずです」

 

私たちは裏へと向かう...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃...妖怪の山の中腹では博麗の巫女を止めるため、天逆毎乃葉が待ち伏せていた...

 

彼女は切り株に座りキセルに火をつけて只彼女を待つ...もっともその顔色は優れないが...

 

 

 

 

 

 

side毎乃葉

 

「...ふはぁ~」

 

妖怪の山の景色に向けてアタシは紫煙を吹かす...

 

とりあえず忌梗の救出は夜喪妓と睡煉に任せたけど...アタシの仕事がハードなのは変わらないわン...

 

博麗霊夢の相手...幾らこのアタシとはいえ、彼女の相手をするのは手に余るわね...

 

「ふぅ~」

 

それにやりづらいのよね...アタシを認めてくれる数少ない子だし...本気を出すのは気が引けるわン...

 

「...っ...げほ!!」

 

...でも...今回は人命が掛かっている以上手は抜かないわ!!心を鬼にして!今回は本気で行くわ!!!

 

アタシはホログラムを出して辺りの空間を確認する...

 

...予想通り...ここへ急速なスピードで来る生命体達がいるわね?1つの色は紅白...ターゲットの登場ね...

 

「座標確認っとねぇ...それじゃ...不意打ちと行くかしら?」

 

アタシはその座標へと飛び立つ!

 

 

 

 

 

 

「そぉい!!!」

 

「!?くっ!!!」

 

突発攻撃を仕掛けると...ビンゴ♪

 

アタシの目の前にはこちらの攻撃を弾いて後退する霊夢の姿がある...それなりに速かったはずだけど?...このアタシの攻撃を見切るなんて油断できないわね?

 

「あ...アンタ毎乃葉!!!」

 

「はぁい♪霊夢...お久しぶりねぇ?」

 

彼女へ向かって手を振るが...彼女は怒りの表情を浮かべている...

 

「お久しぶりじゃないわよ!!急に襲い掛かって何のつもりよ!!」

 

「...怒らないでよぅ...このアタシもお仕事で忙しいのよねン...」

 

「仕事?」

 

霊夢はアタシに聞き返す...なんとなく察しはつくと思ったけど...鈍いわね?怒りで頭が働いていないのかしら?

 

「ここをどこだと思っているのよン!ここはアタシらの本拠基地である妖怪の山...部外者が急に来たら当然でしょう?それに...山の住民も酷い目にあっているみたいだし」

 

アタシはホログラムを周囲に出す...

 

その画面に移っているのは...霊夢にやられた者の姿の数々...

 

秋神姉妹...ひな人形...河童...その他etcの悲惨な姿が収録されているわね...

 

「だからアンタが駆り出されたというわけ?アンタを相手している暇なんてないのに!」

 

「喧嘩売られたんでしょお?新しくできた神社に?」

 

「...知っていたのね」

 

霊夢は僅かに狼狽えている...案外効果的かもしれないわね?相手の動機を先出するのは?

 

「まぁ...お仕事だからねン...まぁ...後でアタシも神社には用があるから目的は違えど同じかもしれないわね...」

 

「目的が同じなら協力しなさいよ!」

 

「今回は駄目ねン...人命がかかっているから幾らアンタでも通すわけにはいかないわね...」

 

「人命?」

 

「これ以上の情報漏洩はしないわン...大人しく退いてくれると助かるわねン!」

 

アタシの言葉に対し霊夢はお祓い棒を向ける...

 

「退くわけ無いでしょう!...アンタまた退治されたいの!?」

 

「ほほほ!!」

 

...また退治ねぇ?...この際だしハッキリさせておくべきかしら?このアタシの本気の戦いをね?

 

「...いいわよン♪今回は本気で遊んであげる...来なさいよ♪2人まとめて相手したげるわ!!」

 

「2人?」

 

霊夢は不思議そうに辺りを見回す...あら?説明不足だったかしら?

 

「ほほほ!!出てきなさいよ...魔理沙...アンタもいるのでしょう?」

 

アタシが言うと、下の木の陰から白黒の魔法使いこと霧雨魔理沙が霊夢の隣に現れる...

 

「まさか私の気配に気づいているとはな...」

 

「もちろんよ♪ここに来る者を全て警戒していたもの...当然よ」

 

...本来の仕事は博麗の巫女を止めることだったから放っておいてもよかったのだけど、忌梗の救出を邪魔されると本末転倒なのよねン...手間は増えるかもしれないけど誤差の範囲よ

 

「魔理沙?アンタまで?」

 

「ああ!妖怪の山に神社ができたと聞いたからな!侵入したまではよかったんだが...まさか毎乃葉がいるとは予想外だった」

 

「本拠基地だもの...当然よ...さて?念のため聞くけど?退くつもりはないと捉えてよいのよね?」

 

「当たり前よ!!」

 

「当たり前だ!!」

 

2人は同時に答える...これで確定したわね...

 

「ほほほ!!分かったわ...では...潰されないように気をつけなさいよン!!!」

 

霊力を高めてアタシは2人へと向かう...今回は本気...加減はできそうもないわね?

 

とりあえず...寝てもらう感じになるかしら?

 

 

 

 




執筆活動意欲上がってきました...

頑張ります!

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