東方天災手記   作:ベネト

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花映塚最終にて


観察にて

三途の川にて、死神である小野塚小町と会った夜喪妓と睡煉は異変の内容を知る...

 

今回の異変は誰も悪くない只の自然現象に過ぎないことを知った彼女達は帰還しようとするが、小町に博麗霊夢と霧雨魔理沙をどうにかしろと止められ渋々異変探索の為三途の川の奥へと向かう...

 

本来なら仕事上関係のないことだが...一体どうなる?

 

 

 

 

 

side夜喪妓

 

「...全く時間の無駄だ」

 

私達は三途の川の奥へと進む...

 

本来関係のないことだが、あの死神に脅しをかけられてのだからしょうがない...私としても三途の川に沈められるのはご免被る...

 

「つまり...霊夢と魔理沙の2名を止めろってことでいいんですよね?...どうします?闇討ちしますか!?」

 

同志睡煉が手術刀を鳴らすが、私としては気が乗らない...戦うことは簡単だが私自身のモチベーションが落ちているのも事実だからな...

 

「とりあえずは...霊夢と魔理沙の一行を止めれば良いのだろう?話し合いで解決できればそれでいい...私達はこの異変の内容を知ることができた...それを説明すれば納得はしてくれるだろう?」

 

「...まぁ...確かにそれは理想論ですが...大人しく退いてくれますかね?あの方々は観察した限り我が強いですからね...」

 

ここで正論を言うんじゃない...私だってそれくらいは分かっている...

 

私達はそのまま会話をせず先を進む...

 

 

 

 

 

 

しばらく進むと、三途の川の終点に辿り着き、とある光景を目にする...

 

 

「博麗の巫女!!罪を重ねるというのですか!!この閻魔である私にこのようなことをして只で済むと思っているのですかー!!」

 

「五月蠅いわね!!さっさとこの異変を解きなさい!!元々アンタらの職務怠慢でしょうが!!」

 

「ちょっと落ち着け...霊夢...」

 

...そこには博麗の巫女一行と引きずられている緑髪の少女がいた

 

話の内容からして少女の方は閻魔なのか?

 

「すでに鎮静化されているようだ...仕事が速いな...」

 

「ええ...」

 

この調子なら帰っても良いかもな?私達としても余計なことはしたくないもの事実...このまま帰還して仕事の報告を...

 

 

 

 

遠目でそれを観察していると霊夢と目が合う...

 

「...」くい!

 

...私達に気づいた彼女は私達にここへ来るようにとジェスチャーを促す...帰ろうと思ったのだが...

 

「...早くこいと言っているぞ」

 

「ええ?」

 

どうやら...本格的に異変は終了に向かっているらしい...ここでやりあうのは無駄なことのようだな...

 

私達は武器を収めて霊夢達の所へ向かう...

 

 

 

 

 

 

 

 

「...随分と遅い到着じゃないの...遅刻よ!遅刻!!」

 

来て早々霊夢の口からは非難の言葉を受ける...非難される謂れはないのだがな...

 

「私達の仕事は異変の調査に過ぎない...そういう解決は貴様らの役目だと思うがな?」

 

「ふん!似たようなものでしょうが!アンタらが前もって来てくれるとこっちが楽なのよ!!」

 

...おい...博麗の巫女の仕事を押し付ける気か?勘弁してくれ...私達は何でも屋ではないのだぞ...

 

「...はぁ...勘弁しろ...本来こちらの仕事は、とうの昔に終わっているんだ...これ以上の労力をかけないでくれるとたすかるのだがな...」

 

「...」

 

霊夢は私達の方をジロジロ見た後、辺りを見回している?

 

「...そういえば...毎乃葉はどうしたのよ?一緒じゃないのかしら?」

 

「...ああ...同志毎乃葉か...途中までは一緒だったのだがな...」

 

「残念ながら...風見幽香に戦いを申し込まれて離脱した感じです...今頃は本拠基地に戻って療養していると思いますよ?」

 

同志睡煉の言葉に魔理沙が反応を示す...

 

「げ...幽香かよ...怪我で済むのか?」

 

「へぇ...幽香の奴も動いていたのね...気づかなかったわ」

 

2名はそれぞれの感想を口にする...

 

「...とりあえず戦いの方はは終了して帰還するということしか受けていない...勝ったか同士討ちになったかのどちらかだろ?」

 

...正直、同志毎乃葉が遅れをとるというのは考えもつかん...あの妖怪も相当な手練れのようだが、本気の状態の同志が離脱する結果になると、相当激しい戦いだったのだろうな...

 

霊夢の方を見ると少し詰まらなそうな表情を浮かべている...

 

「...ふーん...そう...」

 

...?少し機嫌が悪くなったか?理由は分からんが...同志の奴も私達以外の仲間が出来たらしいな...

 

 

 

 

 

 

「...で?その引きずっている閻魔はどうします?」

 

同志睡煉が霊夢の足元でもがいている閻魔を一瞥する...

 

ああ...話の所為で忘れていたな...

 

「この!放しなさい!!あ!!!貴女達は!毎乃葉の手下達!!この問題が終わったらすぐに!是非曲直庁に来るように!貴女達にはやるべきことがあるのです!!」

 

閻魔は私達第0部隊に向かって言い放つ...私達がやるべきこと?

 

「...一体何のことだ?閻魔にお世話になることはしていないはずだが」

 

「貴女達は!輪廻の輪から外れている!!だから!!...ぐえ!!!」

 

「はいはい...彼女達との話はまた今度よー!とりあえず目の前の異変の仕事をするわよー」

 

「待って!まだ話の途中です!!待ってー!!!」

 

閻魔の話が途中だというのに、霊夢は閻魔を引きずり、その場を後にする...

 

「待てよ!霊夢!!じゃあな!お前ら!」

 

「...ああ」

 

魔理沙も彼女の後を追い、その場を後にする...

 

全く...話の途中だというのに...時間を浪費しなかっただけマシなのか?

 

 

 

 

 

「帰るぞ...同志睡煉...」

 

キセルを火をつけて同志睡煉の方を向くと彼女は不安そうな顔をしている...

 

「ねぇ?夜喪妓さん...さっきの閻魔...私達の事を輪廻の輪から外れているって言っていましたけど?」

 

「...ああ...確かに言ったが?」

 

「面倒なことになりませんかね?私達って...あの方の薬で生きながらえていますし...」

 

「...寿命関連か...専門ではないが...魂と取り扱う連中にとっては私達の存在は看過できないか...」

 

死神に閻魔か...確かに私達は紛いなりに不死の体を手に入れている...それのお陰で生きているというものだ...元々の寿命を無視しているのだから輪廻の輪からは私達の魂は外れている...それに関して何か連中にとって不都合があるのだろうか?

 

「...ちっ...話を殆ど聞けなかったのが痛いな...何か言われるのか?」

 

「...言われるだけならいいですけど、武力行使されるかもです」

 

...物理的に私達を亡き者にしようとする考えも出てくるな...冗談じゃない...まだ見てみたいことは沢山あるというのに...

 

「...念のため同志毎乃葉にも伝えておいた方が良いな...帰還するぞ睡煉」

 

「...うう...何が起きるんでしょう?」

 

私達もその場を後にする...せっかく異変が終わったというのに余計な心配ごとで出てしまった...

 

地獄の連中か...勘弁してもらいたいものだ...私達はまだ生きていたいというのに...

 

 

 

 

 

 




少々短いです

次回日常編

ではこれにて

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