東方天災手記   作:ベネト

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日常編...


不老不死の喧嘩騒ぎ

迷いの竹林の異変が片付き3日という時が経過する...

 

歪んだ月の異変は何事もなく終わり、それといった被害もなく幻想郷は再び平和な日々を取り戻すのであった...

 

 

 

ここは迷いの竹林...

 

ヒトが立ち寄らない竹林が茂る所ではあるが、美味しそうな匂いが立ち込めていた...

 

その匂いを辿っていくと、一件の屋台に辿り着く...

 

屋台は夜雀である、ミスティア・ローレライが経営している屋台...美味しそうな匂いが立ち込める屋台には大きく鶏肉を使った料理はありませんというお品書きが書いてある...

 

屋台の客にはとある4名の者達がいた。

 

 

「ほら!今日はアタシの奢りよ!!じゃんじゃん頼みなさい!!」

 

「今日は夜喪妓の復活会ですからね...こういうのもいいでしょう」

 

「ははは!!すまんな!同志達よ!!」

 

「夜喪妓さん!何飲みます?」

 

そこには第0部隊の天逆美羽・柚神、そして隊員の夜喪妓・睡煉が揃っていた...

 

今夜はどうやら第0部隊のパーティーが開かれているようだ...

 

 

 

 

 

 

 

side夜喪妓

 

...ああ...楽しいなこの時は...

 

かつての部隊のメンバーを見ながら、私はつい笑みを浮かべてしまう...

 

もう揃うことは無いと思っていたが...集まって本当に良かった!

 

お互い信じられる仲間同士...背を預けられる数少ない仲間でもある...昔のように出来て本当に...

 

「これにします?オススメの日本酒ですよー♪」

 

「ああ!すまん!」

 

同志睡煉から酒を注がれて私はそれを飲む...

 

久々だな...酒を飲むという感触は...遭難生活は生きるのが精一杯だったな...

 

毎日の食事がタケノコ...タケノコ...タケノコ...タケ...

 

 

 

 

 

 

「...ぐす!!!」

 

何故か涙が止まらない!!毎日の食事がタケノコ...もう一生分は食べた...本当に辛かったな!もう!!

 

「何泣いているのよン?ほら...これで顔を拭きなさい」

 

同志美羽からおしぼりを渡され顔を拭う...

 

「すまん!同志!!」

 

せっかくの会だというのに!主役の私が泣いていては駄目だ!!昔のことは忘れよう!!今を楽しまなくては!!

 

「...ふぅ!!夜喪妓復活だ!」

 

「ふふ!!まだ宴会は終わらないわよン」

 

「そうですよ!ワタシ達以外は貸し切りですからね」

 

同志美羽と柚神は麦酒を飲みながら、銀杏を剥いている...

 

「そういえば...何故姿を分けている?」

 

「ン?元の姿だと胃袋1つじゃないの♪姿を分ければ胃袋2つよン!これでなら色んな物が食べれらるじゃないの!」

 

「右に同じく...力は分散しますが...唯一のメリットでもありますね...」

 

「...そうか」

 

本当に良いリーダーの下につけて良かったな...私も睡煉も忌梗も...同志毎乃葉が居なければ遥か昔に朽ち果てていただろうな...

 

同志がいるから私達が存在するか...

 

 

 

 

 

「...」

 

私は屋台の空席を見る...そこには1つのグラスに酒が注がれて置いてある...

 

忌梗...第0部隊の生死不明の残りはアイツだけとなった...八意の話では死ぬわけがないと言ってはいたが...心配にはなるな...

 

「どうしました?夜喪妓さん?」

 

「...いや?何でも」

 

同志睡煉は野菜スティックを齧りながら私の杯に酒を注いでいる...

 

まぁ...一番弱いコイツがいるのだから...あいつも多分生きているだろうな...

 

 

 

 

 

 

「あら?懐かしいメンバーがいるわね...」

 

 

 

 

...突如響く声に私達は動きを止める...この声は!!

 

「っ!!」

 

後ろを振り向くとそこには八意永琳とその使いの玉兎がいた!!たしか麺類に似た名前だった気がするが忘れた!!!

 

「あら永琳様...貴女も来るとは...」

 

「あ!!アンタうどん!!!よくもアタシらのお尻を!!」

 

同志柚神と美羽はそれぞれの反応をするが、好意的ものではないな...それもそのはずだ...第0部隊が散り散りなったのも反逆者八意のお陰でもあるのだからな!!

 

「ふん!あれはちゃんとした勝負の結果でしょ?恨まれる筋合いはないわ!」

 

突如うどんが反論するが、同志美羽が黙っていない...

 

「あ...アンタ!!!アタシがどんだけ痛い目に遭ったと思っているのよン!!玉兎風情が...アタシにこのようなことをして良いと思っているの!!!」

 

「アンタこそ...私にそんな口は叩けないわ...私は月の都の有力者の元ペットだったんだから...あの方の使用人風情にとやかく言う筋合いはないわ!」

 

うどんの言葉に同志美羽が顔を真っ赤にする...

 

「この玉兎がぁ!!!アタシをどこまで乏せば気が済むのよ!!」

 

...まずいな...このままでは喧嘩になってしまう...ここは私がまとめるか?

 

 

「落ち着け!同志と麺類!!」

 

「「アンタは黙ってなさい!!!」」

 

「ぐぅ!!?」

 

両者の一喝により私は口を閉ざす...

 

何故私が怒鳴らねばならんのだ...

 

 

パンパン!!!

 

 

 

突如響く手拍子に彼女達の口が閉ざされる...

 

音の発生源は同志柚神だ...

 

「はいはい...討論はそこまで...このままでは話が進みませんよ?美羽...しばらく黙ってなさい...」

 

「ううう!!!ぐぅぅぅ!!!!」

 

同志柚神の声で同志美羽が爪を噛みながら俯き、そして八意も麺類の方を向く...

 

「うどんげ...貴方も調子に乗らないで...立場がどうであれ...今のは失礼よ...」

 

「うう...」

 

うどんげと呼ばれた玉兎は黙って後ろを向く...これで話し合いの場が作られたか...

 

 

「で?何です?わざわざ貴女が来たという事は...何か用で?」

 

「ええ...少し永遠亭が困ったことになってね...貴女達がすぐ近くにいたから来たという訳...」

 

「困ったこと?異変はもう付き合いませんよ?」

 

同志柚神の言葉に八意は首を横に振る...

 

 

「いえ...そういうのではないわ...うちの姫がちょっとね...」

 

八意は言葉を濁す...何というか言い辛そうだが...何があったというのだ?

 

「...ぎりぎり」

 

同志美羽は黙ったまま、爪を噛みながら不服そうな顔をしている...その眼は早く要件を言えとでも言いたそうだ...黙っているのは同志柚神が黙っていろと言った所為か?...仕方ない...代わりに私が...

 

「要件を言え...同志の血圧が高くなってしまう...」

 

同志に助け舟を出すと、八意が口を開く...

 

「...姫の因縁の相手が永遠亭に来てね...今2人が喧嘩しているの...流石にも止めるのに骨が折れるから手を貸してもらいたいのよ」

 

...姫?確か蓬莱山輝夜のことか?アイツに因縁がある相手か...誰だ?

 

「貴女の戦闘能力で止められると思いますがね?」

 

「普通の喧嘩ではないのよ...普通ではね...」

 

 

 

ドーン!!!!

 

 

近くで爆発音が鳴り響く...何でこんな竹林の奥で爆発音が?

 

「ひえ!?」

 

音で店主が屋台の下へと潜り込む...

 

「...こっちに近づいているわね?」

 

「はぁ...巻き込まないで下さい...ワタシ達はここでお食事中だったのですから」

 

「~っ!!!」

 

同志柚神と美羽が抗議するが、八意は涼しい顔をしている...

 

 

「私・あの子の師匠...」

 

「「あー!もう!!!何でそれを持ち込むのよー!!!卑怯よ卑怯!!!!...少しだけよン...」」

 

同志柚神・美羽がハンカチを噛んで癇癪を起こしながら了承する...

 

そして私の方を申し訳なさそうに見つめる...

 

 

「夜喪妓...ごめんなさいね?...言う事を聞かないといけないみたい...」

 

「構わん...喧嘩を仲裁すれば良いのだろう?すぐに終わるだろ?」

 

私が了承すると同志柚神・美羽の体が光り出し、同志毎乃葉の姿へと戻る...

 

 

 

「...案内してもらえるかしら?このアタシの部下のための宴に水を差したんだから...後で何か請求してもいいわよね?」

 

同志毎乃葉が憎々し気に八意を見つめるが、彼女は満面の笑みを浮かべる

 

「ええ!では行きましょう!」

 

八意先導の下...私達はその場を後にする。

 

 

 

 

 

 

 

近くの竹林にて...

 

「輝夜ー!!!」

 

「妹紅ー!!!」

 

そこでは2人の少女が争いを行っていた...

 

1人は過去の罪人こと...蓬莱山輝夜...

 

もう一人は白い長い髪に白のブラウスに赤い札のついたモンペに身を包んだ少女...こっちの方は分からないな...

 

だが、しかし...輝夜の方は兎も角...何だ?あの少女は...見た限り私達を同じ力を感じる?

 

「ふぅ~ん?あの子何なのよン?永琳様?」

 

同志毎乃葉も少女の力に気づいたのか、八意を見る...

 

八意は少女の方を見ながら溜息をつく...

 

 

 

 

「彼女の名は藤原妹紅...輝夜と因縁の相手と言うべきかしら?」

 

八意が答えるが同志毎乃葉は首を横に振る。

 

「アタシが聞きたいのはそっちの事ではないわン...何であの子からアンタらと同じ不死の香りがするのよン...」

 

同志の言う通り、あの妹紅と呼ばれる少女からは私達と同じ不死者独特の力を感じる...だが何であの子がその力を?あれは...八意が作った蓬莱の薬によるものしか考えられない!

 

八意は肩を竦める。

 

「私にも分からないわ...確かに私の作った薬によるものだけども...妹紅がどうやってそれを手に入れたか分からないわ...」

 

製作者でも分からんのか?...だが不死なのは分かった...そしてこの喧嘩も普通のものではないという事も...

 

 

 

「おらぁ!!!死ねー!輝夜ー!!!」

 

「ごほぉ!!!!?ぐっ...やったわね!!妹紅ー!!!」

 

「かはぁ!!!?むきー!!!」

 

両者の戦いはお互いの急所を捕らえてばかりのものだ...血が飛び、肉片が舞い、鉄の香りがする赤い景色...喧嘩ではない...殺し合いだ...余り見ていて良い気分になるものではない...大分オブラートに包んでいるが、一般人がこれを見たら卒倒するだろうな...

 

同志毎乃葉はハンカチで口を押さえている...

 

「うう...スプラッター...さっきまでアタシら...ごはん中だったんだけど...」

 

「悪いとは思っているわ...でも止めなくては貴女達も被害を被ったかもしれないのよ?」

 

彼女達は目の前の殺し合いを静観している...割って入る者ならば、下手をすれば自分が巻き込まれるだろうな...

 

 

 

 

 

 

 

「...はぁ」

 

私はキセルに火をつけて眺めることにした...止める気が全く起きない...この殺し合いの終わりが見えないと判断したに過ぎない...どっちも不死...受けた傷は瞬く間に回復しているし、決着がいつまで経っても見えないのが明白だからだ...

 

「夜喪妓さん?どうします?」

 

「見ているだけでいいだろ?奴らは兎も角、私達の方は完全な不死ではないだろ?」

 

私は同志睡煉を止める...流石の不死崩れの私達でも命が惜しいのも事実...ここは完全な不死である八意に任せるのが良いだろ?

 

 

「はぁ...仕方ないわねン...アタシが止めに入るわよン...」

 

何故か...同志毎乃葉が前へ進む!?

 

「本気なのか!同志!!」

 

「アンタの宴が途中じゃないの...さっさと終わらせて戻るわよン...大丈夫よ...このアタシ一人でいいわ」

 

同志は頭を掻きながら彼女達の下へと向かい...割って入って来た同志毎乃葉に彼女達も気づく...

 

「あ...貴女...毎乃葉!」

 

「何だこのヒト!?」

 

「喧嘩を止めに来たわ...アンタ達いい加減になさいな...近所迷惑よ...やるなら誰もいない所に行きなさいよ...」

 

同志が苦言を発す...

 

 

 

 

 

 

 

「「邪魔をするな!!!」」

 

何故か2人は激昂する!?

 

「引っ込んでなさい!!」

 

「へぶ!?」

 

輝夜がどこからか持ってきた金色の板で同志の頭を殴る!!!

 

「焼けこげろ!!!」

 

「熱い!!!!」

 

続いて妹紅の方が、炎を同志に飛ばす!

 

同志毎乃葉のお尻に火が着き...同志は転がりながらこっちへと戻ってくる...速い帰りだったな...早くもズタボロだ...

 

 

 

 

 

 

 

「早い帰りだったわね...」

 

地べたの這いずっている同志に八意が冷たく言い放つ...

 

「ぐぐぐ!!!」

 

同志毎乃葉は立ち上がり、お尻を擦りながら爪を噛んでいる...

 

...不味いな?同志が爪を噛んでいる時はブチ切れる一歩手前のサインだった気がする...このままでは...

 

ブチ...

 

「...ふ...おほほほ...全く世の中暴力で解決するしかないことだらけね...あのおバカ二人に教えてあげようかしら?本物の暴力というものをねン...」

 

同志毎乃葉は鉄扇を取り出す...

 

目が笑っていないな...これは...同志の本気が見られるかもしれないな...

 

「巻き込まれるな...下がった方が身のためだ」

 

私は後ろに下がり、ボーっとしている同志睡煉と八意・うどんげに注意を促す...

 

 

同志毎乃葉は鉄扇をブラブラさせながら再度彼女達の方へ向かう...

 

「ん!また来たの毎乃葉!!」

 

「おい!天狗!!私達の邪魔をするな!」

 

「ほほほ...」

 

同志は不気味な笑みを浮かべた後、目を見開く

 

 

 

 

 

 

「無礼者の愚者どもが!!!±符(龍牙鉄扇波)」

 

同志毎乃葉が叫び鉄扇を振ると、衝撃の波が彼女達の体をいともたやすく巻き上げる!

 

「「...は?」」

 

二人は何が起きたか分かっていないみたいだ...気づくのが遅すぎるな...怪我で済むといいんだが...

 

無防備に巻き上げられた二人を見て同志毎乃葉が笑みを浮かべる...

 

「ほらほら...ボーっと浮かんでいる暇なんて無いわよ...こんな風にねン!!!」

 

彼女が鉄扇を振ると、光弾と振動波が反射しながら彼女達へと向かう!!

 

「げほ!!?」

 

「かはっ!!?」

 

まずは輝夜が振動波に被弾...次に妹紅だ...きついのが一発か...

 

大量の光弾は彼女達の上へと通過するが...同志は立てた親指を下へ向ける...

 

「このアタシにひれ伏せ!!」

 

同志が言い放つと宙に舞っていた彼女達が強力な重力に従い落ちてくる...

 

「え?待って飛べない!?」

 

「そんな何で!体が重...」

 

 

ズドーン!!

 

彼女達は地面へと落下するがまだ終わらない...

 

まだ...宙へと飛んだ大量の光弾が強力な重力と共に雨の如く彼女達へと降り注ぐのだから...

 

「待って!!私達が悪かったわ!!」

 

「すぐに他でやるから勘弁して!」

 

彼女達から命乞いのような悲鳴がするが、同志毎乃葉はそれを見て満面の笑みを浮かべている...

 

 

「む・り!幾らこのアタシの力を持ってしてでも...止めることは出来ないわねン...ほほほ...」

 

「「いやぁ!!!!!」」

 

 

ドーン!!!

 

同志毎乃葉が鉄扇を閉じると、宙の光弾が彼女達へと降り注ぐ...

 

 

 

 

 

「...けほ!全く...相変わらずだな...」

 

目を開け、目の前の光景を見つめると、そこにはズタボロの状態で気絶している輝夜と妹紅の姿...

 

同志毎乃葉はキセルに火をつけながら、こちらへと来る。

 

「終わったわ...これで良いかしら?永琳様?」

 

「...ご苦労様ね...毎乃葉...うどんげ...輝夜をお願い」

 

八意はうどんげに指示をし、うどんげは気絶した輝夜を担ぐ...

 

「じゃあアタシら戻りますわ...」

 

「ええ...ありがとうね...お礼の方はまたの機会にやらせてもらうわね」

 

八意・輝夜・うどんげが竹林の奥へと消える...

 

同志は彼女達を見送った後、煙を吐きながら、私と同志睡煉を見る...

 

「さぁ...宴に戻るわよン!お腹空いたし♪」

 

「はいはい!行きましょう!!」

 

同志たちは屋台へと続く道を歩いていく...

 

 

 

「...しかし...彼女はどうする?」

 

私は遠くで倒れている妹紅を見る...幾ら不死とはいえ放置はできないだろう...かと言って彼女が住んでいる場所も知らんし...どうすれば?

 

「さて...私はどの選択をすれば...ん?」

 

気配を感じ、私はその方向を見る...

 

「妹紅ー!!!大丈夫か!?」

 

竹林の奥から何かが飛び出し、妹紅を守るように立ちふさがる...

 

緑色のワンピースのような服に身を包み、白い長い髪をした女性...その人物は私の姿を見て目を見開く...

 

 

 

「お...お前は確か!!」

 

「...ああ...あの時以来か...」

 

よく見たらこのヒト...異変の時に私を手当てしてくれた人里の守護者ではないか...確か...上白沢慧音とか言ったか?

 

「夜喪妓か...何でお前がここにいるんだ?まさか!お前が妹紅を!」

 

彼女は私を警戒するように見つめている...おいおい...冤罪は困るぞ...

 

「勘違いするな...やったのは私ではない...輝夜姫と喧嘩をしていたから私の上司が喧嘩を止めたまでだ...」

 

「輝夜姫と喧嘩?本当か?」

 

「嘘を言ってどうする?それにだ...あまり殺気を出すな...幾らお前が人外の力を持っていたとしても、私に敵うはずがないだろう?」

 

「な!?」

 

慧音は驚くように体を震わせる...彼女の体にはとある特徴がある...牛のような2本の角が頭に生えており、尻にはフサフサの尾が1本...見ただけで分かる特徴だ...先天的か後天的かの違いまでは分からんが...

 

「お前の体の秘密は兎も角...さっさと彼女を安全な場所へ連れて行った方がいいぞ...幾ら不死とはいえダメージが大きいだろう...」

 

「...」

 

慧音は私から視線を外し気絶した彼女を背負う...私は彼女に傷薬を渡す...

 

「少し強力なものだ...量には気を付けろ」

 

「...恩に着る」

 

「礼はいらん...あの時の手当の礼だ取っておけ...」

 

彼女は私に頭を下げ竹林の中へ消える...

 

 

 

「まさか...半妖だとは思わなかったな...」

 

竹林の中...私はキセルに火をつけて夜空に浮かぶ月を眺める...

 

この世界は何でもありだな...妖怪に月の民・同志を倒した人間までいる...ある意味興味の尽きない世界ではあるな...ふふ...竹林で数百年を無駄にした...か...その分を取り戻さないとな...

 

「ふふ...それに第0部隊が完璧に戻るのも...そう遠いものでもないな...」

 

「おーい!夜喪妓さーん!!何をやっているんですかー!?」

 

遠くで私を呼ぶ同志睡煉の声が聞こえる...

 

「すぐに行く!待っていろ!」

 

...これからは頼もしい仲間と共にこの世界に住むんだ...楽しい生活になりそうだ...同志忌梗よ...お前が戻ってくるのを待っているぞ...

 

私は同志たちがいる屋台へと向かう...

 

 




更新ペースが...

ではこれにて

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