東方天災手記   作:ベネト

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うどんvs毎乃葉


月の兎

幻想郷...迷いの竹林、永遠亭近くにて...異変の黒幕の刺客である、鈴仙・優曇華院・イナバが博麗の巫女一行+天逆の前へと立ちふさがる。

 

最後の妨害ではあったが、時間は余り残されてはいない...天逆は博麗霊夢・八雲紫を黒幕の元へと向かわせ、鈴仙と対峙する。

 

 

 

 

side鈴仙

 

私の目の前には、反旗を翻した天逆毎乃葉がいる...

 

他のは永遠亭へと向かってしまったけど、師匠からはコイツを止めておけばいいと聞いていたから問題はないわね...

 

でも...師匠からの話は聞いたけど、このヒトも何かしらの神霊なのよね?見た目は天狗だけど明らかに力を持っているみたい...

 

...正直逃げたい

 

毎乃葉はキセルの煙を吐きながら笑みを浮かべている...

 

 

「さぁ玉兎...このアタシが相手してあげるのよ?遠慮なく来なさいよ...」

 

挑発のつもりかしら?...このヒト相手に策も無しに突撃するのは愚の骨頂ね...

 

力では絶対に勝てないのは確定...でも私には私の力がある!!

 

その前に下準備を...

 

「ふぅ...そういうけど、アンタだってあの方の従者をやる前は色々とあったみたいじゃない...色々とやさぐれていたと聞いているわ!」

 

私の言葉に毎乃葉の顔が歪む...

 

「なっ!?何を言って...」

 

「失敗作の烙印を押されたとか?随分悔しかったんじゃないの?」

 

「うう...ぐううううう!!!!」

 

彼女は爪を噛んでいる...

 

こっちも軽い挑発だけど...うまくいったみたいね...

 

明らかに毎乃葉の奴は顔を強張らせているし、動揺が見えるわ...このヒト見た目とは違ってかなり単純みたいなのよね...こういうのが良く効くわ...

 

 

 

「永琳様からの情報かしら?ヒトの過去をバラシタみたいね...」

 

「ええ...それにやるべきことはやるわよ!アンタほどの実力者を相手するなら当然じゃないの!」

 

「...ぐ...このっ!玉兎がぁ!!!」

 

毎乃葉の顔が紅潮し始めている...確実に怒っているわね...隙だらけにはなったけど、これは早期に決着をつけた方がいいかしら?

 

「来るんじゃないの?」

 

「言われなくてもボコボコにしてやるわよ!!」

 

毎乃葉が飛びかかる!

 

...凄い怖いけど!隙だらけね!!

 

 

 

 

「私の能力の虜になりなさい!!」

 

私は彼女の目を見る...

 

「うっ?」

 

毎乃葉は僅かによろめき、彼女の攻撃は私の眼前で空を切る...

 

効いたわね!!残りは詰めていくだけよ!

 

私の能力は狂気を操る程度の能力...簡単に言うと相手の波長を操って幻覚を見せることが出来る。

 

これが効くなら私にも勝機はあるわ!!

 

「どうしたのかしら?私はここよ?」

 

「成程...妨害戦術ね...このアタシにはあまり意味がないわン!」

 

そう言う毎乃葉は私から飛びのくが、遠近感が掴めていないのか後ろにあった竹にぶつかる...

 

 

「...っ!」

 

「...効いているじゃないのよ」

 

動きが鈍いわね!!このまま一気に畳みかけた方がいいわ!

 

「波符!(赤眼催眠)」

 

スペルを発動し、毎乃葉へと光弾を放つ!!

 

このスペルは私の得意技!!単純なブレ弾だけど、私の幻術が効いている毎乃葉にとっては弾が何重にも見えるはず!!

 

「ち!!!何よ!!このスペルは!!!?」

 

案の定毎乃葉は目を凝らして危なげに回避し、私から距離を取る...

 

普通の奴だったら被弾するんだけど...しぶとい...

 

「どうかしら?元玉兎に翻弄される気分は?」

 

「目が疲れるわね...アンタの弾幕は...バットコンディションで戦うのはベターではないわン...」

 

毎乃葉は目頭に指を押し当てた後、私を色の違った双眼で睨む...

 

 

 

 

「あんまり調子に乗らない方がいいわ...玉兎風情が!!虚偽(ライヤーライヤー)」

 

彼女がスペルを発動し、体を軽く光らせる...

 

そして刹那...彼女が私の目と鼻の先に現れる!!

 

「な!?」

 

「フン!」

 

彼女が指を弾くと小さな振動弾が私の頬を掠める!!!速い!!それに狙いが正確になっている!!!私の幻術にかかっているはずなのに!

 

私は急いで彼女から距離を取る。

 

 

 

 

「あら?狙いが甘かったわ」

 

「な...何で!?私の幻術が聞いていたはずなのに!!」

 

「おバカさん!いつまでもアンタのお遊びには付き合ってられないのよン!!このアタシにかかれば...この程度の状態異常は簡単に元に戻すことができるのよね...このアタシの(情報を操作する程度の能力)があれば...ね♪」

 

毎乃葉のもう1つの能力か...その能力を使って...幻術を受ける前のコンディションに戻したのね!!

 

戦闘向けの能力に...それを補助する能力まで持っているなんて...ずるい!!

 

このままじゃ...また幻術をかけても元の状態に戻される...あれ?この状態って...まずいんじゃ...

 

毎乃葉は手の骨を鳴らしながら私に近づいてくる!!

 

「さ・て・と...作戦とはいえ、このアタシに無礼なことをした兎ちゃんにはお仕置きが必要よね?」

 

「ま...待って!!!幾ら何でも暴力は!!」

 

「い・や・よ♪調子に乗ったアンタが悪いのよン♪いいから黙って...消え失せろ!!!」

 

彼女が掌底を放つと大きな振動波が竹林を破壊しながらミサイルのようにこっちに来る!!

 

「どえええええ!!?」

 

私はそれを避けるが毎乃葉は次のモーションに入っている!!

 

「何発でぶっ飛ぶかしら♪」

 

また!!大きな振動波が飛んでくる!!

 

「待って待って!!死ぬー!!!」

 

私は次々と飛んでくる振動波を避けながら、竹林の奥へ逃げる!!!敵うはずがないわ!!

 

 

 

 

 

「オーホホホ!!!どこへ逃げるのかしら!?」

 

後ろからは高笑いしながら追ってくる毎乃葉が!!!あいつ私をボコるまで追いかけるつもりだ!!!ああ!!どうすれば!!

 

「と...とりあえず永遠亭まで戻って...へぶ!!」(ガン!!!)

 

金属音と共に頭に衝撃が走り私は盛大に転ぶ...

 

そして目の先には金ダライが転がっている!!

 

「てゐの奴!!!こんなものを仕掛けてー!!!」

 

「オホホ!!これはラッキーね!」

 

「!?」

 

後ろを見ると攻撃に入ろうとしている毎乃葉の姿が!!

 

 

 

 

「う...うわああああああ!!!」

 

私は彼女へ向けて弾丸を乱射する!!一発でもいい!!彼女に一矢向くことが出来れば!!

 

「弾は良く見て撃ちなさいよ...」

 

「うう!!」

 

全弾...毎乃葉に当たることなく飛んでいく!!

 

「覚悟はいいわね♪痛くしないわ♪」

 

毎乃葉は悪意に満ちた笑みを浮かべている...この顔は...痛くするに決まっている!!

 

「うわあああ!!」

 

私は目を閉じる!!せめて殺さないでー!!

 

 

 

 

 

ズボ...

 

「ふぐぉぉぉ!!!?」

 

「!?」

 

何かの異音と毎乃葉の声に私は目を開ける...

 

目の前には攻撃を中止し、涙目で跳ねている毎乃葉の姿があった...

 

彼女は自らのお尻に両手を当て...そのお尻の部分には...さっき私が放った私の座薬弾が刺さっている...

 

「何で!?当たってなかったのに!」

 

彼女の後ろを見ると、1本折れ曲がっている竹を発見する...まさかさっき撃ったのが跳弾して毎乃葉のお尻に!?

 

「うわぁ...痛そう...」

 

お尻に銃弾はやばいと思う...あの暴君の毎乃葉が半泣きになっているのだから相当だと思う...

 

でも...これはチャンス!!!

 

 

 

「うわあああ!!!貫け!!!私の弾ー!!!」

 

私は追い打ちで彼女のお尻目掛けて発砲する!!!

 

痛みで動きが鈍っている毎乃葉は、避けることが出来ずにお尻に再度被弾し叫び声をあげる!!

 

「うぎゃあああああああ!!!痛い痛い!!!!待ちなさい待って!!!」

 

懇願するような声が上がるけど...攻撃を中止しない!!!これが彼女を倒すチャンス!!

 

「発射ー!」

 

駄目押しの一撃が彼女のお尻を捕らえる...

 

「ぎょええええええ!!!!...え...え...」

 

叫び声をあげた毎乃葉はそのまま崩れ落ちて動かなくなる...

 

 

 

 

「...勝った?」

 

念のため彼女へ警戒して進む...

 

彼女は私への戦意を喪失したのか...嗚咽を漏らしている...

 

「ひぐっ!!...うううっ!!」

 

まさか...月の兵器を泣かせるとは...少しやり過ぎたかしら...

 

でも!これで私の仕事は完了!!とりあえず...毎乃葉はどうにかなったわ!!!流石私ね!!

 

「さて!!永遠亭に戻って...師匠にこの戦果を♪」

 

戻ったら褒められるかな?それは褒められるに決まっている!!私一人で倒したんだもの!!!どんなご褒美が!

 

 

 

ズボ...

 

「...ふえ?」

 

下を向くと奈落の穴が...私の体は重力に逆らうことが出来ずに落下する!!

 

「てゐー!!!!!ふぎゃあああ!!!」

 

衝撃が走り...私は意識を手放す...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして...重傷の毎乃葉は...しばらく泣いた後お尻を守りながら身を起こす...

 

充血した目で辺りを見回した後、彼女は地面に拳を打つ!

 

「ふぐっ!!...あの玉兎!マジ許さないわ!!どこ行った!!!アタシの拳骨を食らわしてやるー!!!」

 

すぐ近くの落とし穴に気づかず...彼女は永遠亭の方へと歩いていく...

 

まだ運命は...進み続けようとする彼女に試練を与え続けている...

 

彼女は無事にこの異変を終えることができるのだろうか?

 

 




異変も後わずか...

ではこれにて

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