東方天災手記   作:ベネト

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天逆の部下、その1戦


ものまね暗殺者

歪んだ月が照らす幻想郷の竹林...

 

そこには、異変を解決しに来た霧雨魔理沙・アリスマーガトロイドがおり、異変に加担した天逆毎乃葉の部下である睡煉が立ちふさがる...

 

解決組の数は勝っていても、厄介な能力を持つ睡煉に苦戦は必須であろう...

 

未知の大量殺人犯の相手をするのだから...

 

 

 

side魔理沙

 

「さて!仕事なのでやりますよー!」

 

睡煉は手に持った手術刀を私達に投げてくる...こいつは話によると、姿を自在に変える能力を持っているらしい...姿を変えられると厄介だ...早く決着をつけねぇと!!

 

「甘い!!」

 

彼女が投げつけてくる手術刀を私は光弾で弾く!

 

だが...こいつの戦闘は至って稚拙だ...能力を使われなければ脅威でもないな...

 

「これじゃあ!私達を倒せなねえよ!」

 

「あらら...それはどうですかね~?鏡符(合わせ幻鏡)」

 

宙に舞っていた手術刀が光り、次の瞬間、多数の手術刀へとなり降り注いでくる!!馬鹿な!こいつの能力は変身のはず!!

 

「な?」

 

「変身能力だけが私の力ではないのですよね!!では♪お元気で~!」

 

「く!!」

 

まずい!避けられない!!!

 

 

 

 

 

 

「相手は魔理沙だけではないわ!」

 

私の目の前に、アリスの人形が現れ光弾で手術刀を弾き飛ばす!おおおう...助けがなければ終わってたぜ...

 

「サンキューな!!」

 

「...目の前の敵に集中なさい!」

 

「お...おう」

 

...とりあえずアリスの一喝で、気分も持ち直したというべきか...睡煉の方を見ると、彼女は面白くなさそうに、こちらを見つめている。

 

 

 

 

「邪魔が入りましたね...とりあえず邪魔なので退場願います!!軽く本気行きますよ!こんな風にね!!」

 

睡煉の霊力が上がり始めると同時に彼女の姿が増え始める!!変身能力だけでなく、増殖だと!?

 

「変身能力だけじゃないのか!」

 

「応用で何でもできます~」

 

彼女は何事もないように返答する...応用...さっきの手術刀を増やした時と同じということか?

 

「さぁて!最初は厄介そうな貴女から!」

 

彼女の姿が7名まで増え、睡煉達は標的をアリスに変え、手術刀を持って飛びかかる!

 

「アリス!今度は私が...」

 

「詰めが甘いのよ!貴女の攻撃は!!」

 

アリスが指を動かすと、彼女の前方に人形が大量に現れ、レーザーで睡煉達を全て撃ち抜く!!

 

「うぎゃああああ!?」

 

全ての睡煉の姿にヒビが入り、粉々に砕け散り、竹林の虚空にキラキラと降り注いでいく。

 

 

 

 

 

「...瞬殺かよ」

 

...大技を簡単に返すとは...今回は味方で良かったぜ...しかし?睡煉の奴無事か?砕け散ったが?

 

「え!?一体貴女はどれだけ人形を操れるのです!!手数が多いですよ!!」

 

1体だけ、焦げ目がついてボロボロなのが喚いている...あれが本物なのか?ということはさっきのは分身?

 

「あ...生きてた」

 

「生きてますよ!死にませんよ!!」

 

睡煉は地団駄を踏んでいるが、アリスはその隙だらけの彼女を狙っている...

 

「まだ本気じゃないわよ...とりあえずハチの巣ね...」

 

アリスの号令の下人形たちの一斉射撃が開始される...

 

数の暴力...一方的に睡煉を狙い撃ち...アイツ1人で十分な気がしてきた...

 

「ストップー!!ストップー!!ちょっと勘弁してくださいよー!!」

 

睡煉は弾幕を掻い潜りながら、必死に逃げている...あいつもあいつでしぶといが...これで終わるな...

 

逃げ場なく、睡煉はアリスの人形に囲まれる

 

「うえ?」

 

「弾幕はブレイン...常識よ...チェスと同じように相手を詰ませること、それが私の戦い方よ」

 

容赦ない人形からのレーザーの一斉射撃...それは睡煉を貫く...

 

「ぎょえええ!?」

 

彼女は、そのままボロボロの姿で落下する。

 

 

 

 

 

 

「うう...やはりこの手しかありませんね!!」

 

だが睡煉は懐から煙玉を炸裂させて、辺りに煙幕を張る...

 

「諦めの悪い奴だな」

 

辺りは煙だらけで何も見えない...風切り音がしないとするとアリスの奴も攻撃を中止したな...

 

只のその場しのぎって奴だな...煙幕が晴れたら随時攻撃をしないとな!!

 

しばらくすると、煙幕が晴れて元の竹林の光景に戻る...

 

 

 

 

ごく一部を除けば...

 

 

 

「あ?」

 

「ぜ?」

 

私の目の前には...白黒金髪美少女こと...私がこちらを見つめている?

 

辺りを見回すと、驚愕したようなアリスが1人...とっさのことで頭が回らないが、これは...

 

 

「おい!睡煉!!私のマネをすんな!!」

 

この馬鹿兎! 能力で私の姿をマネするなんて!!どういうことだ!!

 

「マネしているのはそっちだろ!!」

 

睡煉が私の声をマネして反論する!!こいつ!!戦闘で勝ち目がないと判断して仲間割れを狙っているのか?姑息な真似を!!

 

「「お...おいアリス!!私が本物だ...分かるよな?」」

 

アリスに私達は叫ぶか彼女は、溜息をつくだけだ...

 

「悪いけど...見た目からは区別は出来そうもないわ...上手くマネているわ、どちらとも同じ魔力を感じるわね」

 

「「おい!!長年のつきあいだろ!!」」

 

これは非常に不味いぞ...睡煉の奴、何かの手を使って同士討ちを狙っているみたいだ...これが長引けば私達の方が不利になる...

 

「喚かなくてもいいわ!!大丈夫よ...判別する道具は持ってきているから...」

 

「本当か?」

 

私達はアリスを期待を込めて見つめる...彼女は懐から紫色の帽子を被った私に似た人形を取り出して操っている?

 

「ええ...流石のコピーでも貴女の黒歴史は分からないでしょうし」

 

...黒歴史?

 

 

 

 

 

sideアリス

 

「...おい...待て黒歴史って...まさか!」

 

「ん?」

 

片方の魔理沙が顔を青くしながら話しかけてくる。

 

一方...もう片方の方は平然としており、この時点で偽物は確定したわ...

 

でも...念のために様子を見た方がいいわね!

 

「あたし...魔理沙...うふふふふふふ!!」

 

「ぐはああああ!!?っ!胸が!胸が痛い!!!」

 

「え?何このリアクション?」

 

人形を操っていると片方の魔理沙は転げまわっており、もう片方の魔理沙は困惑している...転がっている魔理沙が本物ね!!

 

「偽物は貴女よ!!」

 

私はもう片方の魔理沙に光弾を放つ!!彼女は気がとられていたのか、光弾を避けることが出来ずに被弾し、偽物の魔理沙にひびが入る。

 

 

「ああ...もう...最悪です...そんなリアクション聞いてませんよ!」

 

睡煉は元の姿に戻り溜息をつく...

 

「人をマネするのは限度があるの...貴女は小細工を使い過ぎなのよ」

 

「教訓として学んでおきますよーだ...ああ...毎乃葉様と夜喪妓さんに怒られるなぁ...」

 

「...これ以上の抵抗はオススメしないわよ」

 

「これ以上はしませんよー!只でさえ私は連戦で疲れているんですから!!それに...」

 

睡煉が地面に座ると彼女の顔にひびが入る!?

 

「え?」

 

「心配はありませんよ...現在の姿を維持出来なくなっただけですからね...このままいけば本当の私の素顔が拝めるかもですよ?」

 

...現在の姿を維持?まさか今の姿も仮の姿とでもいうのかしら?

 

「興味ないわ...それに貴女の顔に時間を割くこともできないし...」

 

「...つれませんね...まぁいいです...私も自分の顔は見せたくありませんし、貴女達は異変の真っ最中ですし奥に進んでくださいなー」

 

睡煉は奥の道を指さす、異変は、あの天狗と他の部下も参加しているみたいね...なら私達も急がないと...

 

「魔理沙!行くわよ!!!」

 

「いやだ...もう駄目だ...」

 

私は悶絶している魔理沙を引っ張り奥へ向かう。

 

 

 

 

 

 

side睡煉

 

「...はぁ」

 

姿が完全に戻ってしまいましたね...あの姿気にいっていたのに、体力が回復するまでお預けです...竹林に2名通してしまいましたが、後は毎乃葉様と夜喪妓さんがいれば制圧可能でしょうね。

 

「しかし...2戦しましたけど、どちらとも私の完璧な変身を見破られるとはね...」

 

それなりに自信があったのに残念ですね、双方とも個人の微妙な能力値・深層心理奥の記憶により見破られてしまいました...流石の私でもそれに合ったことをやるのは到底不可能です。

 

「...完璧か」

 

正直...完璧って何でしょうね?天逆様だってどうか分かりませんし...本当に完璧何て存在するのでしょうか?

 

「...考えるだけ無駄でしょうかね?撤退命令を待ちますかー」

 

私は夜空に浮かぶ歪んだ月を見ながら命令があるまで、時間を潰すことにした...

 

 

 

 

 




軽い睡煉の勝負でした

ではこれにて

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