東方天災手記   作:ベネト

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宴会が始まり、牙をむく


お酒は程々に...

side柚神

 

「...1時間30分経過ですか」

 

お酒バトル開始から、1時間半が経過し...勝敗がつく...

 

ワタシの目の前には勝利のポーズをした博麗の巫女が映る...

 

 

「これが博麗の巫女の力よー!」

 

霊夢の勝利の言葉により辺りは拍手大喝采の音が響く...

 

...本当に人間なのか?幾ら何でも...これはデータとしては計算が狂いまくっている!

 

 

「...はぁ...しっかりしてくださいよ...」

 

ワタシは敗者達の方へと向かう...

 

そこには、バケツに頭を突っ込んだまま伏している、レミリア・魔理沙・美羽の三名...

 

人間の魔理沙に勝てるのは分かるが、吸血鬼のレミリアに兵器である美羽を下すとなると...もう分からない...

 

 

 

「...うーうー」

 

「気持ち悪いっ!!」

 

「あ...アタシは...すでに飲んでた...からっ!うぶ!!!!」

 

何やら聞こえますがここは、スルーしときましょう...

 

 

...しかし良いデータが取れたものですね

 

幻想郷の宴会は...人間であっても勝つ者が存在するということが分かりました...

 

ワタシは近くにいる睡煉をこちらへ向かわせる...

 

 

「...変身は解かないようにね...更に面倒になるから」

 

「...分かっていますよー!柚神様の方は派手好きではありませんからね」

 

そう言うと睡煉は烏の姿のままストローでお酒を啜う...

 

その光景は変ですが...もう素面の者はいませんし...いいか...

 

 

 

「あやや~あややや~!」

 

遠くを見るとワタシ達を誘った文も泥酔したのか半裸でフラフラしながら、あっちこっちを行ったり来たりしている...

 

酒バトルに参加したわけでもないのに嵌めを外しすぎです...

 

 

「はぁ...静かに飲めないものですかね...」

 

「全くですね...」

 

「おや?」

 

ワタシの横には椛がおり、彼女は酒瓶を持ってワタシの杯に酒を注ぐ...

 

 

 

 

「ああ...悪いですね椛...」

 

「いえいえ...柚神様も大変ですね...」

 

椛は文の方を見つめている...

 

椛の言葉は手のかかる上司を持つと大変ですね...と言いたいんだろう...

 

彼女は苦労している...それはワタシが分かっている...本日は警備だというのに大変ですね...

 

今度何かの差し入れをしましょうかね?

 

 

 

「...」

 

「...はぁ」

 

美羽の方を見ると、黙ったまま動かない...

 

完全に堕ちましたか...全く情けない...これがワタシと同じとは...実に嘆かわしい...

 

 

 

「...しかし」

 

文が言っていた...宴会が牙をむくというのはどういうことでしょうか?

 

彼女は勘だとか言っていましたが...その言葉にはワタシも胸騒ぎがする...

 

何故か知りませんが...嫌な予感がします...

 

あまり深入りしない方が、ワタシ達の為になるかもしれませんね...

 

 

 

 

「お暇するのが宜しいですかね?」

 

杯を空にして、ワタシはその場から離れようとしますが何者かに肩を掴まれる...

 

 

「あらあら~!天逆の天狗さん!杯が空よ~」

 

ワタシの後ろには白玉楼の主こと...西行寺幽々子がいた...

 

「あはは...ご丁寧に...ですが酔いが回って来ちゃいましてね...これくらいにしようと...」

 

「駄目よ!素面で帰さないわ!貴女も美羽と同じく!乱れてもらいましょうか!!」

 

「嫌です!!遠慮します!!」

 

幽々子はワタシを宴会の中心へと押していく!!

 

 

「次紫!アンタも参戦しなさいよ!」

 

「貴女...2戦目もやるの?」

 

「うふふ!次は機械のお姉さんか!」

 

中央には博麗の巫女・妖怪の賢者・悪魔の妹がお酒バトルの次のラウンドを進めようとしている!!!

 

嫌だ...美羽がこのザマなのに!!ワタシにどうしろというのです!!

 

 

(睡煉!!助けて!!ワタシを守りなさい!!)

 

アイコンタクトで睡煉に助けを求めるが...睡煉は杯を空にした後、そのまま飛び去って行く!!!

 

ワタシを置いて...逃げるというのですか!!

 

 

「あああ...」

 

「ほら!柚神!行くわよ!」

 

「貴女はどこまでいけるかしら?」

 

「うふふ!ワタシが壊してあげる!!」

 

 

有無を言わさずワタシは次のラウンドに参加させられる...

 

あ...あの子は...今度...お仕置きよ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side睡煉

 

 

「...あはは...ごめんなさいー!天逆様♪」

 

私は遠く離れた森の中で変身を解いてストレッチをする...

 

肩が痛い...やはり...長い変身にも慣れませんとね?

 

「天逆様達には悪いことはしましたけど~?私はまだ異変には関わりたくはありませんからね」

 

遠くの博麗神社方面を見ると...何やら霧が立ち込めている...

 

少なくともアレは...何かの前触れですかね?

 

何か嫌な感じがしましたし...関わらないのが一番です!

 

 

 

「鬼が出るか蛇がでるか...ですかね?」

 

私は烏の姿になって妖怪の山方面へと飛び立つ...

 

まぁ...天逆様なら...大丈夫でしょうね?

 

仮にも私達第0部隊を纏めていたリーダーですものね!

 

これくらいは何とかなるでしょう!

 

 

 

 

「さぁて...昼寝しよ~」

 

私はそのまま妖怪の山へと帰還する...

 

 

 

 




今回短いですがここまで!

次回をお楽しみに!

ではこれにて

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