東方天災手記   作:ベネト

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軽い日常編


妖怪の山でのルール

長く続いた冬の異変は博麗の巫女一行の活躍により無事に収束した。

 

幻想郷の気候は暦通りの気候となり灼熱の太陽が照らす夏へと変わっていった...

 

 

そしてここは天狗が住む妖怪の山の牢屋...

 

その一室にはそこの主である天逆美羽+柚神...そして新しく加入した睡煉の3名が作戦会議を行っていた...

 

新しく加入した睡煉は幻想郷のルール+妖怪の山の暮らしに関しては知らないため、それについて教える必要があった...

 

 

 

 

 

 

side美羽

 

「はい!ではこれから軽いここでの暮らしのルールを教えますよ!」

 

「宜しくお願いしまーす!」

 

柚神はホログラムの黒板を出して指示棒で叩き、睡煉は椅子に座ってそれをワクワクしながら眺めている...

 

説明は柚神に任せましょう...アタシよりは間違いはないもの...

 

話を抜け出してアタシは窓の外を眺める...

 

 

セミの声が鳴り響く青々とした木々が生い茂る妖怪の山...ここからの景色はいいものね...

 

異変の仕事も無事終了したし、報告書も提出済み...しばらくはゆっくりできそうね...

 

 

「つまり弾幕ごっことは...って!美羽!!貴方も話を聞きなさい!」

 

アタシが話に参加していないことに気づいたのか柚神が指示棒でアタシを指す...

 

「別にいいじゃないのよン...アタシよりアンタがやった方が効率がいいんだから...」

 

アタシがキセルを咥えると睡煉がアタシ達を交互に見つめる...

 

 

 

「落ち着いてくださいよ~貴女様たちが喧嘩すると私一人では収集がつかないんですからー!」

 

「大丈夫よン...不毛だということはアタシ自身が理解しているからねン」

 

「左に同じく...」

 

睡煉はお腹を押さえる仕草をする...

 

「うう...何で私が...っ...あれ?」

 

睡煉はアタシの方を見て動きを止める...その視線はアタシのある部分にそそがれている...

 

「どうしたのよ...」

 

「美羽様?その左腕...」

 

彼女の視線はアタシの左腕にそそがれていた...

 

痛々しい縫合の酷い痕が目立つアタシの左腕...そういえば...睡煉は知らないわね...

 

 

 

「...数百年前の名誉の負傷よン」

 

「...」

 

睡煉はアタシに近づき左手に触れる...

 

 

「...私達がお傍にいれば...こんな傷を負うことはなかったのに...」

 

「アンタが気にすることはないわ...アタシは生きているだけで満足なのよン!それにアンタが生きていたと分かっただけで少しだけ未来が明るくなったわ」

 

「...?」

 

睡煉は首を傾げる

 

「第0部隊の他のメンバーの生存確率が0から少しは上がったのよン!」

 

「...他のメンバー...夜喪妓と忌梗ですね...睡煉が生きていたとなると...あの爆発から生き残れた...その可能性が生まれていますね...」

 

柚神の言葉に睡煉は目を背ける...

 

「...生きているはずです...だって私達は...」

 

 

 

カッ...カッ

 

 

「!?」

 

牢屋の外から足音が聞こえ私達は会話をやめ、柚神はモニターを出す...

 

そのモニターには書類を持った文の姿が!!!

 

「...文が来ています」

 

「こんな時に!!柚神戻りなさい!!」

 

天狗の組織にはまだ柚神と睡煉のことは知られていない!!まだ知られるわけにはいかないわ...

 

柚神を体に戻すと睡煉は辺りを不安そうに見渡す

 

「美羽様?私はどうすれば?」

 

「...あ」

 

 

 

 

 

がちゃ!!!

 

 

 

 

 

 

side文

 

 

「どうもー!お仕事持って来ましたよー!」

 

美羽の牢屋を開けて私は中に入る...

 

何やらガチャガチャ聞こえましたが良いでしょう!

 

 

牢屋に入ると美羽はベットの上で胡坐をかいてキセルを咥えていた...でも...

 

「あや?美羽...その頭のは何ですか?」

 

「な...何よ」

 

美羽は目を泳がせながら私を怪訝そうな目で見る...ですがそれは今は関係ありません...

 

何故なら美羽の頭の上には大きな白い烏が止まっていたからです...

 

「綺麗な烏ですねぇ...」

 

「そ...そうでしょ?この前見つけたのよン!!アタシに釣り合っているでしょう!?」

 

「かぁ...」

 

烏は元気がなさそうに鳴き美羽は私に詰め寄る

 

 

「そ...それで何か様なの?アタシは色々と忙しいのよン!!」

 

「...ああ!そうでした...今回の異変も前回と同じように再犯がないかの確認をしてもらいたいのですよ...」

 

私が書類を渡そうとすると美羽は引っ手繰るように書類を手に取る

 

 

「分かったわ!時間を頂戴!これでいいでしょう?後は任せて!!」

 

美羽は早口で言いながら書類をめくっていく...いつもは嫌々やっているのに...珍しいこともあるものです

 

「ええ...じゃあこれで...」

 

「ホラ!忙しくなるから!」

 

美羽は私の背中を押す...

 

 

「もう!押さないでください!それと美羽!!キセルに火がついていませんよ!!」

 

「ライター無くしたのよン!!」

 

ばたん!!!

 

 

そのまま私は外へと出される...

 

ライターって...普段から自分で火を出してつけていたのに...

 

...何か異様に慌ててましたね...丸で何かを隠すかのようです...

 

 

私は外に出ながら鞄を開ける

 

「...もしかしてこれのことですかね」

 

私は幻想縁起を取り出し天逆のページを開く...

 

そこには美羽の情報ともう一つ...柚神というの情報が載っていた...

 

 

「隠そうとしていたみたいですが...上層部が知らないと思っていたのかしらね?それに幻想郷の歴史家からは逃げられませんよ♪」

 

 

 

 

 

 

side睡煉

 

「...これでいいですかね?」

 

「...OKよ」

 

美羽様からの許可をもらい私は元の姿へ戻る...

 

急な来客には驚きましたが何とかなりましたね...

 

能力はこういうときに有効活用しませんと!!

 

 

「しかし美羽様?テンパリすぎですよ...ボロを出しすぎですって!」

 

「五月蠅いわン!!!アタシだって慌てる時はあるのよン!!」

 

美羽様はベットに座りキセルに火をつけてベットに書類を置く...

 

 

 

「それが次のお仕事ですか?」

 

「そんなところね...前の異変の時もそんな感じだったし」

 

美羽様はキセルの煙を吐いた後私の手を掴む

 

 

「?」

 

「行くわよ?私のサポートをしてくれるんでしょ?」

 

...過去のことを憂いていても仕方ないですね...今の私に出来ることは○○様のサポート!!これからはいなかった分!役に立ちますからね!

 

 

「あ!一応さっきの姿になっておいて?アンタの姿は目立つからね」

 

「はい♪」

 

私は烏の姿になり美羽様の肩に留まり私達は牢を抜けて白玉楼方面へ向かう...

 

これからが私の初めてのお仕事です!!失敗はしませんよ!

 

 

 

 




次回白玉楼

ではこれにて

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