(傍観)
吹雪が吹き荒れる幻想郷...
幻想郷のとある場所へと目指す博麗霊夢・霧雨魔理沙・十六夜咲夜一行についていく怪しい2つの人影...
天逆柚神・睡煉はその後を気づかれないようについていく...
彼女達としても幻想郷の異常気象の調査を早くに終わらせたい一心であった。
長く冬が続く幻想郷...
これが終わる日が来るのだろうか?
side睡煉
「ぶえっくし!!!!」
「こらこら...気づかれてしまいますよ?」
「...すみません」
吹雪が吹きすさぶ中...私と柚神様は博麗の巫女一行の後を気づかれないように追っていく...
幸い私のくしゃみは吹雪の音でかき消されたみたいですが...この極寒は私には辛いです...
...〇〇様の本拠基地についたら熱燗片手におつまみのサラダスティックでもいただきたいです...
「考えてみれば...お酒も久々だなぁ~...野良猫生活も長かったですし...ろくなもの食べてなかったような...」
「な?」
柚神様は私の独り言が耳に入ったのか動きを止めて驚きの表情を浮かべて振り向く...
「...なんです?」
「...辛い思いをしていたんですね...仕事が終わったら復帰祝いをしましょう...ワタシが...あの時の決断を間違えていなければ...貴女たちにこんな思いは...」
「!!!?いや!!!誰も悪くありませんよ!!!少なくとも○○様は!!!」
...そう...アレは誰も悪くない...絶対に○○様は悪くありません...
...あの方が...裏切らなければ...こんなことには...
「...ごめんなさい...ワタシがこれでは...ダメですね」
「復帰祝い!楽しみにしてますよ~...あははは...は...」
もう!!空気が重くなったじゃない!!!
しばらく進んでいくと上空に何やら巨大な屋敷が見えて前方にいた巫女一行がその中へと進んでいく...
明らかに怪しい場所です!今回の黒幕はここにいるはずです!!
私達は気づかれないように庭へ着陸して辺りを見回す...
この季節だというのに桜が咲いています...
季節はずれにもいいところです!
「ここですね!」
「ええ...確かにほぼ確定ですね...」
柚神様は桜を見ながら溜息をつく...
「とりあえず...書類作成のデータはそろった感じです...ワタシ達の役目は終わりですよ」
「ん?じゃあ早く帰りましょうよ!」
私の言葉に柚神様はハンカチを噛み少しいらついた顔をし左手を激しくさする...
「ワタシとしては迅速にお暇したいのですがね...異変を見届けないといけませんし...」
「中々...辛い立場にいるみたいですね~」
...○○様...本当に難儀な立場にいるみたいですね...
ただでさえ...あの時は...
「...とりあえず!桜を見ながら異変の解決を見届けましょう!!ほら!お花見と思えばまだ仕事って感じはしないじゃないですか!」
柚神様はポカンとした表情を浮かべた後笑みを浮かべる...
「...貴女といると...心労が消えていきますね...それなら遅れたお花見とでも行きましょうか!」
「はい♪」
私は柚神様へついていく...
この方の...心の傷は...この私が埋めていきます!!
しばらく...桜見物をしながら進んでいくと大きな屋敷へとたどり着く...
まぁ...ここまで広い庭だし屋敷も広いと予想はついていた...
しかし...何か居心地が悪いような?
「...お花見で気分を紛れらわしても...何か嫌な感じです...」
「それはそうでしょうね...ここは白玉楼...魂が行きつく冥界なのですからね...」
「いわゆるあの世ですか...」
「...ワタシも詳しくは調べてみないとわかりませんね...しかし予想通り...嫌な物があるみたいですが」
「...嫌な物?」
柚神様は私の前を先導して庭の更に奥へと進んでいく...
「...この先です...ワタシ達は見学といきましょうか」
「見学?何の?」
「大きな桜の木の見学ですよ...ほら...こっちの方角ですよ」
「...」
柚神様が指さす方向には確かに遠目でも分かる程大きな桜の木が見えます...でも何かが爆発するような光が...
でもあまりにも離れすぎているし...それ以上の情報は...
「私の目では...詳しくは...」
「でしょうね...変なのに目をつけられたら...今後の仕事に支障がでますので...データが取れたら...すぐに帰還しますよ」
柚神様はスコープを弄っている...
それがあるから観察できるというのに...ずるいです...
「...それと...こちらに解決の妨害をしようとする者が近づいていますし...」
「妨害?」
...耳を澄ますと...こちらへ向かってくる足音が聞こえてくる...
僅かに金属音...歩数からして小柄のようだが...確実に近づいてきている...
「...私が行きますよ柚神様は調査を早く終わらせてくださいな」
「頼みますよ...睡煉...終わり次第回収にきますのでね」
「お願いします♪」
柚神様は桜の木へ向かい私は迎撃をしに反対方向へ走る...
一方...同時刻白玉楼の奥へと急いでいる者が1人...待ち構えている睡煉の下へと近づいていた...
短い白い髪黒のリボンに緑色のベスト・スカートを身に着け...腰には2本の太刀を付けた少女...
魂魄妖夢がいた...
すでに博麗の巫女一行に敗れていた彼女ではあるが...満身創痍の体に鞭を打って主の下へと急ぐ...
この白玉楼の主であり...この異変の首謀者である西行寺幽々子の下へ...
side???
「ぐっ...!幽々子様!!」
痛む体に鞭を打ちながら私は白玉楼の奥へ向かう!!
私としたことが...何という不覚!!侵入者をいともたやすく通してしまうとは!!
これは私が未熟の所為!!幾ら...1対3の勝負に...なったとしてもっ!!
「くっ!!」
あいつらは...西行妖へ向かっているはず!!何としてでも
「はいはいー!ストップですよー!!」
「っ!!」
上空からの声で咄嗟に私は後ろへと下がる...
さっきまでいた場所には大量のナイフが石畳に突き刺さっている...
「誰!?」
「姿は見せますよ...一応礼儀としてね!」
桜の木の枝を見ると空間が歪み声の主が姿を現す...
赤い軍服に身を包み白い長い髪にうさ耳を付けた少女がいた...
黄色の目は私を見つめ彼女は桜の木から降りてくる...
「さっきの巫女の仲間かしら?」
私が刀を握ると少女はウインクをする...
「いや?私は上司の命で動いている只のアサシン...ここから先へは通すなと言われているのです」
少女はナイフを手に取ってそれを向ける...
「第0部隊...隊員ナンバー2睡煉...行きますよ!!」
「白玉楼庭師!!魂魄妖夢!行きます!!」
睡煉と名乗った少女は私に飛びかかる!!
幽々子様...ご無事で!!
同時刻...白玉楼...西行妖近く...
睡煉と別れた柚神は白玉楼の奥に存在する西行妖の近くまで足を延ばす...
しかし完全に近づこうとはせずに西行妖の近くで行われている戦いを観察するように眺めるだけだ...
そう...博麗の巫女一行と白玉楼の主西行寺幽々子の戦いに...
「...さて...始めますか...」
彼女は目に着けたスコープをつけてそれを撮影する...
それを見ている者に気づかずに...
「...?」
「ごきげんよう...天逆〇〇」
柚神の背後には長い金髪をして紫色のドレスに身を包んだ女性こと...妖怪の賢者である八雲紫がいた...
彼女はスキマの淵に座って傘を開き笑みを浮かべており...柚神は溜息をついて西行妖の方を目を離さずに返答する...
「ええ...お久しぶり...妖怪の賢者...」
その声は至って静かだが...只その顔は...怒りで相当歪んでいた...
あまり関わりはありませんでしたがここまで
ではこれにて