東方天災手記   作:ベネト

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紅魔館への潜入...

だがそこにはとある障害が立ちふさがっていた!!


潜入紅魔館!

幻想郷の異変の再発防止に向けて紅魔館へ侵入するために美羽と柚神は紅魔館の門へ着地する...

 

潜入することが第一条件...

 

彼女たちは屋敷妖精に変装し辺りの様子を確認する...

 

 

 

 

 

 

side美羽

 

「さぁて...どうしようかしらねぇ?」

 

潜入...とりあえずこの門を超えないと話にならないわ...

 

内部の情報がないと報告書も作成できないわ...

 

アタシと柚神は遠目で門の様子を確認する

 

煉瓦づくりの大きな高い塀...門の前には赤い髪をした女性が立っている...

 

確かこの子...霊夢に倒された子よね?

 

 

「...門番は一人ですか」

 

「そのようね...さて...どう突破するかが肝心ねン」

 

アタシたちは門番の様子を確認する...

 

別に強行突破でもいいのだけど潜入だし...事を公にするのはご法度なのよね...

 

「...」

 

「微動だにしないわね?」

 

「...集中力を高めているのですかね?」

 

柚神はスコープを取り出しズームしながら観察している...

 

まぁ...アタシの方はこの距離からでもくっきりと見えるけどね...

 

そしてアタシたちは門番の顔を確認する。

 

 

 

 

 

 

 

 

「zzzzz!!」

 

「あら?」

 

「嘘でしょ?」

 

何と門番は鼻提灯を膨らませながら寝に入っていた...

 

まだ昼間だというのに何というセキュリティなのかしら?

 

「...このまま素通りしても良い気がするわぁ」

 

「...お待ちください」

 

柚神はアタシの前に手を出して牽制する?

 

 

「何よ?別に警戒する必要はないわン」

 

「いいから!よく観察をしてください!」

 

「...あ?」

 

大人しく門番の方をじっと目を凝らしてみることにした...

 

全く警戒する必要性が感じられないというのに...

 

 

 

 

「...ン?」

 

門番の周囲を見ると何かモヤのようなものが漂っている?

 

何かしら?今まで見たことが無いけど...アレに触れたらやばい気がするわ...

 

「...何よアレ?」

 

柚神はスコープのスイッチを切り溜息をつく...

 

「あの門番から流れている気ですよ...あれに触れた瞬間に気づかれますね...」

 

彼女は地面に落ちている石を門番のところへ投げる...

 

そして石が漂っている気に触れると同時に門番が目を覚まし辺りを確認する...

 

 

 

「はっ!!...あれ?何かいた気がするのですが...まぁいいか...」

 

彼女はまた寝に入る...

 

まるでレーザーポインターセキュリティーね...

 

「...器用ですね...寝ているのにあれとは...」

 

「どうする~?あの門番だけ気絶させとくとかどう?」

 

柚神は首を横に振る...

 

「駄目に決まってます!潜入ですよ?絶対に気づかれたら不味いんですから!!」

 

「潜入の基本よねぇ...分かってるわよン...」

 

しかしどうする?

 

あの門番の横を通らないと中には入れないし...屋敷に入らないと情報は入らないし...ちょいとこの後の行動を考えないと...

 

しばらく考えていると柚神が門番へ近づく...

 

「柚神?」

 

「良いことを思いつきました...」

 

そういって彼女は能力を発動する。

 

 

 

 

 

 

side美鈴

 

「zzz」

 

昼寝...私はこの時間が大好きだ...温かい日差しに照らされての昼寝はもう絶品です...

 

平和な時間です...誰にも邪魔されたくはない...

 

例外に...咲夜さんが来なければの話ですが...

 

 

(...りん...めー...)

 

誰かが私を呼んでる?

 

あれ?この声聞いたことがあるような?

 

(美鈴!!)

 

あれ?これはまずいかも!!

 

 

「はっ!!」

 

目を開けるとそこには赤い目で私を睨んでいる銀髪のメイドこと...十六夜咲夜さんがそこにはいた!!!

 

何で!?この時間は家事中だというのに!!!

 

 

 

「はい!!紅魔館の門番紅美鈴です!!!」

 

私は敬礼のポーズをとるが咲夜さんは不機嫌そうにナイフを取り出す...

 

 

「怒らないから正直に言って...寝てたでしょ?」

 

「ね...寝てませんよ~仕事中ですよ?この前の件で懲りましたよ...」

 

私はとぼけることにした...

 

この前は正直に答えてお尻ナイフを食らったもの!!

 

正直に答えても地獄・とぼけても地獄...なら私は可能性のあるとぼけるを選ぶわ!

 

 

咲夜さんは私に詰め寄る...

 

「美鈴...私嘘は嫌いよ?」

 

咲夜さん...人間だというのに何て言う威圧感...

 

このままではいつものお仕置きナイフが私に来てしまう!!!!

 

いやだ!!お仕置きナイフは嫌だ!!お尻ナイフは嫌だー!!!

 

私が心の中で叫んでいると咲夜さんはナイフをしまう...

 

「...そう?まぁ...今日は見逃すわ...腑に落ちないけどね」

 

「...え?」

 

...あれ?いつもなら咲夜さんの追撃が来るはずなのに!?今日は手ぬるいですね...

 

...まぁ私としては行幸ですけどね

 

咲夜さんは木陰の方へ向かうと隠れていた妖精の手を引っ張りこちらへと来る。

 

灰色の髪に長いエルフ耳...可愛い子です...

 

 

 

「その子は妖精みたいですけど?」

 

「今日から新人メイドとして来る子よ...色々と仕事を教えないといけないし...門を開けてもらえるかしら?」

 

「はい!!」

 

私が門を開けると咲夜さんとその新人メイドは屋敷内に進む...

 

そしてすれ違いざまに咲夜さんは私の方を見る。

 

 

「...居眠り厳禁よ」

 

「...やってないです」

 

咲夜さんからは私に忠告をしてそのまま屋敷の中へと入る...

 

「...はぁ...助かった...しかし...今日は手ぬるかったな...まぁいいか!」

 

私は再度昼寝につくことにした。

 

三度の飯よりお昼寝タイムです!!

 

 

 

 

 

 

side美羽

 

「...なるほどね」

 

紅魔館の大広間にたどり着くとアタシは手を引っ張っていた人物を見る。

 

アタシの目の前には紅魔館のメイドこと十六夜咲夜がいる...

 

彼女は薄ら笑いを浮かべながらアタシの方を向く...

 

「どうです?ワタシの演技は?」

 

格好こそ十六夜咲夜本人だが声がどんどんアタシに似てきている...少しずつだけど化けの皮がはがれてきているわ...

 

「ベストアクトレス賞を受賞したいくらいだわン!」

 

「ふふふ!!うれしいですね...ですが...この姿を維持するのも疲れますね」

 

咲夜の体は変化し始めて灰色の長い髪に緑色の瞳になりアタシの相棒...元の天逆柚神の姿へと変わる。

 

 

 

この子の能力(情報を操作する程度)の能力は彼女が集めた情報をそっくりそのまま具現化することができる強力な力...

 

情報というのはこの世の万物全てに当てはまるわ...生き物だって彼女にかかれば歩く情報みたいなものだし、その対象の姿・声・仕草・力も全て完全にコピーすることができる。

 

それに相手の元の情報を書き加えて弱体化することも可能という...とんでもない能力よ...

 

 

「...あのメイドに良く似せたわね...門番ビビっていたじゃないのン」

 

「咲夜の情報を使った結果です...どうやらあのやり取りは日常茶飯事だったみたいなので...」

 

柚神はスコープをつけて遠くを見つめる。

 

 

 

紅魔館の暗い長い廊下...壁にかかった蝋燭がアタシたちを照らす...

 

少し時間がかかったけど、これからがアタシたちのお仕事よね!

 

柚神はしばらく廊下を見た後アタシの方を向く...

 

 

「どうします?二手に分かれますか?」

 

「...いえ...ここで分かれるのは得策ではないわン...何かがあったときに対応ができないわ」

 

アタシの言葉に柚神は頷きスコープをしまう。

 

「畏まりました...ではミッション開始です」

 

「ええ...行くわよ」

 

アタシたちは廊下を突き進む...

 

さて再犯がないか確かめないとね...

 

 

 

 

 

 

そのころ紅魔館の門では紅美鈴がまた寝息を立てており、その前には本物の紅魔館のメイド長こと...十六夜咲夜がいた...

 

彼女は表情を崩さずに懐からナイフを取り出す...

 

「...もう日課になってしまったわね」

 

咲夜は美鈴にナイフを振り下ろす...

 

そして...

 

 

 

「いぎゃあああああああ!!!」

 

 

 

幻想郷中に美鈴の悲鳴が木霊する。

 

 

 

 




紅魔館へ潜入完了!

今年最後の投稿です!

良いお年を!!

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