東方天災手記   作:ベネト

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図書館での戦いです


図書館と7つの属性

柚神と咲夜が戦闘中...場所変わって美羽は大きな図書館にいた...

 

彼女は図書館の棚から本を取り出してそれをしばらく眺めていたが、興味がなくなったのか本を元に戻す。

 

「...海外の文字ねぇ...全く読めないわぁ」

 

美羽は歩を進めて図書館の奥へと進む

 

そしてしばらくすると柚神の異変に気付いて歩を止める。

 

 

 

 

side美羽

 

「...?柚神の奴が押されてる?」

 

あの子が苦戦をしているというのは珍しいものね?

 

追い詰められまくって地が出ないといいけどね?

 

 

「...まぁ...アタシもテリトリーに入ってしまったみたいだし」

 

図書館の奥を見ると本棚から大量の本が抜けだし、宙に制止している。

 

一冊一冊からは力のようなものを感じるわ?

 

 

 

 

 

「力だけではなく殺気も感じるわね?」

 

ヴィィィン...

 

空中の本が光り出すと大量の光弾がアタシに向けて放たれる。

 

アタシは翼を広げ空中へと避難するが本達は追尾を開始しているみたい...

 

 

「質は上々...精度も中々といったところかしら?でも...」

 

所詮は遠隔操作の武器に過ぎない...アタシ相手にこれはお粗末ね...

 

 

 

「20%で充分ねん...」

 

右腕に力を入れて薙ぎ払う。

 

大気の刃が本を切り裂き本の大群は全滅する。

 

「...早く終わらせてお風呂入りたいわん」

 

アタシは図書館の奥へ進んでいく、進むにつれて謎の力を感じるわね?

 

しばらく進んでいくと広い空間に出る。

 

 

「ここが最奥部かしら?」

 

「ええ...そんなところよ」

 

声がしてその方向を向くと、本棚の影から紫色の髪をした少女が現れる。

 

着ている者も海外の魔女のような服装をしているわね?

 

...この世界には色々な子がいるのねぇ

 

 

 

 

 

アタシが観察しているとその子は怪訝な目でアタシを見つめる。

 

 

「何よ?」

 

「いえ?別に...」

 

しかし...この子を観察して分かったことと言えば、外の紅い霧とこの子から感じる力が同じということが分かったわね?

 

つまりこの子が異変の首謀者かしら?

 

 

「ねぇ?貴女が外の紅い霧を出した黒幕かしら?」

 

少女は悩むように目を背ける

 

 

「...紅い霧を出したのは私よ...でも黒幕ではないわ...やれと言われたからやっただけよ」

 

...別に黒幕がいるというわけね

 

任務は紅い霧の調査をすること...この子を止めればお仕事は終わり!!

 

アタシは一歩進んで彼女に問う

 

 

 

「紅い霧を出すのやめてくれない?アタシとしては楽な道を進みたいの」

 

「駄目よ...止めてもいいけど...あの子に後で文句を言われるから」

 

少女は本をめくり辺りに術陣を大量に展開する。

 

その術陣には様々の属性の力を感じるわ

 

 

「あら?やる気かしら?」

 

「ええ...形式的にはやるわ...私の名はパチュリーノーレッジ...貴女の名前は?」

 

パチュリーと名乗った少女は術陣を点滅させながら問う...

 

一応礼儀だし答えとこうかしら?

 

 

 

 

「アタシは天逆美羽...一応天狗の組織に所属しているわ...最近の趣味はトレーニングついでにモミちゃんの剣のコーチをすること...後そうねぇ...外界のファッションについても興味が出てきたような...」

 

「長いわ...」

 

パチュリーは飽き飽きしたように術陣から弾幕を飛ばす...

 

まだ...こちらは自己紹介中だというのに...

 

アタシは宙に飛びスペルカードを宣言する

 

 

「あまりこのやり方は得意ではないんだけどねぇ...やれというのだから仕方ないわ...±符(ショックウェブ)」

 

拳を突き出すと空気を伝わって振動の波が彼女に飛ぶ...

 

彼女はそれを飛んで避ける

 

 

 

「...振動がそのまま弾幕に?貴女の能力は振動を操る能力かしら?」

 

彼女の問いにアタシは首を横に振る...

 

そんな力では最強を名乗れないわ

 

 

「...違うわねぇ...アタシ自体はまだ本気だしてないわぁ?」

 

アタシはもう1回振動を飛ばす...

 

パチュリーは何やら壁のようなものを作りだしてそれを防ぐ。

 

 

「本気出してない...ね...なら私は本気で行くわ...日符(ロイヤルフレア)」

 

彼女が何かを詠唱すると辺りに光が生み出されてアタシの方へ飛ぶ!

 

「いきなり大技!?ちょっと...」

 

爆発的に光が次々と量産されていく!人間にしては...確かに実力を持っているみたいね...

 

 

 

 

 

「あは...やるじゃないの...ん?」

 

刹那...光がアタシの頬を掠る...

 

予想以上かもだわ...

 

 

 

「余裕ぶっていると怪我では済まなくなるわよ?」

 

パチュリーは澄ました表情をする...

 

霊夢の時とは違った面白さがあるわ...

 

 

頬から垂れた血を舐めアタシは帽子を元に戻す

 

 

「面白いじゃない!もう少し本気だしてもいいわね!!」

 

アタシは力を開放する...

 

考えてみれば柚神の奴は今はいない...

 

邪魔も入らないわ...

 

大丈夫よ...節度は弁えるからねぇ...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃...

 

柚神は咲夜と屋敷妖精の軍団と戦闘を行っていた...

 

「...はぁ...はぁ」

 

柚神の周りには虫の息の屋敷妖精がそこらじゅうに倒れている...

 

屋敷妖精を全滅することには成功したが柚神だが、まだ謎の力を持つ咲夜が残っていた...

 

 

 

 

side咲夜

 

「中々の力ね...」

 

満身創痍の柚神を見ながら私は辺りを見回す...

 

用意した屋敷妖精を全滅させるなんて私としても予想外だったわ...

 

私は指を鳴らして倒れている屋敷妖精を適当な部屋の中に押し込む...

 

 

 

 

「また消えた?」

 

一瞬で屋敷妖精が消えたことに柚神は驚いているみたいね...

 

しかし...私の能力を理解していないみたいだし、彼女自身も消耗している...

 

この勝負見えたわね...

 

私は彼女に向かって賛辞の拍手をする

 

 

 

 

「お見事といっておくわ...私が用意した妖精達を全滅させるのは認めるわ」

 

「...それはどうも」

 

柚神は力なく笑みを浮かべるがもう余裕はないみたい...

 

「でもこれからは警告よ?これ以上戦うというなら身の安全を保障できないわ...」

 

しかし彼女は首を横に振る

 

「...退くことはありませんね...一応任務ですので」

 

「そう...残念ね」

 

私は能力を発動し彼女の周りにナイフを大量に設置する...

 

「これで終わり...」

 

 

 

 

能力を解除するとナイフが次々と柚神を襲い彼女の体を切りつけ、突き刺していく...

 

それは彼女の両足・腹部を切りつけ、顔につけている謎のスコープを破壊する...

 

「ぐっ!!!」

 

柚神は後退して地面に蹲る...

 

両足を切りつけたしもう彼女は動けない...これ以上の戦闘はできないわね...

 

 

「貴女は良くやったわ...でも貴女では私には勝てないわ...」

 

「...」

 

私の言葉に反応を示さない柚神は目に着けたスコープを投げ捨てる...

 

 

 

 

 

「...全く鬱陶しい能力だ」

 

「!?」

 

私を見つめる彼女の目は先ほどの穏やかな目ではなく猛禽類のような鋭い目に変わっていた...

 

「...こちらが大人しくしていればこの有様...どうやら本気ださないといけないみたいね」

 

彼女は荒々しくホログラム画面をスライドしている...

 

何かしら?先ほどよりも行動が粗暴になっているわ...

 

先ほどのアレは演技だったみたいね...

 

 

 

ホログラム画面が展開され、文字が映り、音声が流れ始める

 

 

(ターゲット:十六夜咲夜...能力・時を操る程度の能力)

 

「!?私の力が!!」

 

何時の間に調べ上げたというの!?

 

少なくとも私は手の内を明かすようなことはしていないのに!!

 

 

柚神はその画面を眺めながら肩で笑う

 

「ふふふ!ワタシにかかればすぐにわかる...美羽程ではないがワタシの力も相当に性質が悪いのでね!」

 

彼女が笑うと辺りの空間が歪み霧が発生する...

 

私はとっさに時を止めて廊下から離れて柚神の行動を観察する。

 

 

 

 

「...?」

 

霧が晴れた廊下には誰もいない...

 

柚神の姿はどこにもないわ!

 

 

「まさか!」

 

私との戦闘を抜かして先にいるお嬢様の方へ向かったのでは!?

 

「こうしてはいられないわ!!」

 

私がお嬢様の下へ向かおうとすると、廊下から声が聞こえる

 

 

 

 

 

 

 

「さ...咲夜さ~ん!」

 

「...貴女は」

 

私の目の前には紅魔館の門番である紅美鈴がそこにはいた。

 

着ている物はボロボロであり、彼女自身も満身創痍みたいだ...

 

 

「美鈴...」

 

「すみません!咲夜さん!紅白の巫女に侵入を許してしまいました!!」

 

美鈴は私に向かって土下座をする。

 

「紅白の巫女?」

 

...話からして柚神には該当しない

 

他にも侵入者がいるということかしら?

 

しかし困ったわ...

 

柚神を止めるだけに屋敷妖精の大量に出撃させてしまったし、これ以上の戦力はないわ...

 

 

 

 

 

「...美鈴!まだ動けるわね?」

 

「ええ!きついの食らいましたけどまだ余力は!」

 

美鈴はガッツポーズをする。

 

傷だらけだけど、まだ戦えそうね...

 

 

「ではお嬢様のところへ向かうわよ?貴女が会った紅白の巫女の他にも侵入者がいるのだから」

 

「そうですか...どんな方ですか?」

 

美鈴は私に問う

 

 

 

 

 

 

 

 

「妙な画面を使う能力者よ...見目からして天狗に近いみたいだし妖怪ね...」

 

「妖怪ですか...」

 

「ええ...実力は本物だけどそれなりにダメージを受けているから...すぐに...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ごっ...

 

 

背中に衝撃が走り私は壁に叩き付けられる!?

 

 

「な...何?」

 

攻撃された方向を見るとそこには私を見下ろす美鈴の姿があった...

 

「美鈴?何で?」

 

美鈴は髪を靡かせて目線を合わせるためにしゃがみ笑みを浮かべる。

 

 

「今頃この美鈴とやらは門でオネムですよ...」

 

美鈴の姿がぶれ始める...

 

「貴女...まさか!」

 

「ふふ...ワタシの力を甘く見ましたね」

 

美鈴の姿が変わる...

 

黒い軍服・灰色の長い髪に黒い翼...

 

 

私の目の前には天逆柚神がそこにはいた!

 

美鈴に化けていたのね!

 

 

 

「ぐっ!」

 

体を動かそうにも力が入らない...

 

少しきついものを食らってしまったわ...

 

 

「...大人しくしていたほうがいいわね...ワタシの力は美羽程ではありませんが、それなりには破壊力はありますので...」

 

柚神は敬語が混じったような言い回しをして私を見つめる...

 

 

 

「くっ...まだ...」

 

私はつい柚神の目を見つめてしまう...

 

彼女の目を見つめると深い緑色の目に吸い込まれそうになる...

 

それと同時に...意識が遠くなり、眠気が私を襲う...

 

これも...彼女の力なの?

 

意識をとどめようと努力はしたが私の意識は暗転する...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side柚神

 

咲夜に催眠術をかけ終わり、ワタシは服と体の傷を癒しながら奥へ進む

 

「ああ...スコープが壊れてしまいました...」

 

 

人間相手にここまで苦戦を強いられるとはワタシも鈍くなったものです...

 

それに...ついつい地が出てしまいました...

 

いけませんね...この粗暴な振る舞いは...女らしくするようにあの方に言われましたのに...

 

 

「...まぁ...血は争えないか...さて」

 

この廊下の奥に咲夜が言った主がいるとかなんとか...ここは美羽と合流した方がいいですね...

 

「...ああ...でも」

 

元来た廊下の方を振り向くと、何やら強い力がこちらへ向かってきていますね...

 

誰かはまだデータがないから分かりませんが、ここは美羽が戻るまで迎え撃つとしましょうか...

 

もっとも今度は本気で行きますがね...

 

 

 




次回図書館編です

ではこれにて

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