永遠を一発変換して永延が出てきちゃったので間違えちゃいましたてへぺろっ!
今日の活動の為に学校帰りにオールマイト目的情報を漁っていると何やら面白い書き込みを見つけた。
「ゴミ山となっている多古場海浜公園のゴミが少しずつだけど減っている」というモノだ。
俺もその海浜公園は知っている。俺がヴィラン活動しながらゴミを撤去しても一年は掛かるだろう程の量。昔見た量より増えているならもっとかかるはずだ。
と言うかそもそもそれだけのゴミを処分する場所にコネもないのでどうしようもなく放置していたのだが、いったい誰が。
興味も湧いたので少しその海浜公園に向かって観察でもしてみる事にした。
とは言っても、ゴミ処理をしているのがヒーローだった場合も含めて私服で行って見よう。幸い明日は休日だ、誰かがいて実際に誰かがやってたら差し入れでも上げるのも悪くはないだろう、ヒーローにとっても誰かの「感謝の声」がなきゃやってられないしな。
財布の中身はお小遣い入ったばっかりで膨らんでるし俺も気前よく奢れそうだ。
自転車を漕いで噂の海浜公園に付くと中々奇妙な光景が広がっていた。
入り口のすぐ近くに止められた軽トラ。
ゴミ山の間にぽっかり空いた空間で呆れたような様子の金髪が特徴的なガリガリの男性と、横たわったタイヤを押しているもじゃもじゃ頭の少年の姿があった。
・・・・・・ハンバーガー買って来よう。突然持って行っても困るだろうし彼らからメニューを聞いておこう。
「どうも、お疲れ様です」
と、途中で買ったスポーツドリンクを入れたリサイクルバックをガリガリの人に差し出した。
「ああ、ありがとう・・・って誰だいッ!」
差し出したバックを受け取った後、俺を見てからガリガリの見た目とは裏腹に、俊敏な動きで間合いを取った。その声に反応してかもじゃもじゃヘヤーの少年も「え?誰?いつの間に?」と混乱しているようだ。
「ああいや、この辺の人間ですよ。ネットでたまたまここのゴミが減ってるって聞いて誰かいたなら差し入れでもって思ったんですよ。良かったら昼飯でもおごりますよ?ファミレスでもいいですし、まだゴミ処理するならハンバーガーでも買ってきます?」
「い、いや、君は一体?」
「こんなご時世に誰にも言わずに自分の体に自腹切ってまでこんな大量のゴミ処理する奴なんてヒーロー。そりゃファンになるしかないでしょう!」
まるでウッキウキの少年みたいだが、どちらかと言うとこっちの方が素なんだから仕方ない。
「それと、なんそんな方法で押してんの?立てて押せば?」
「え?あ、そうだね・・・ああそうだ、体を鍛えるのも大事だけどまずはこの場所を綺麗にしないと」
「体を鍛えるついでに掃除とは・・・ゴミ処理場にツテでもあるんです?」
ブツブツと呟いているもじゃもじゃ君を見ながら、そう言ってガリガリの人を見上げると「え?ああ、ちょっとした知人がいてね」と返してくれた。
しかし見れば見るほど骸骨みたいな人だなー、とぼんやり考えながらもじゃヘヤーの少年の物の動かし方に口出しをしていく。
「所で、君の名前はなんだい?」
「星遠輝永です。貴方と彼は?」
「ああ、私は
汗をかきながら必死に重い物を公園の入り口に置いてあったトラックの荷台に載せていく彼を、八木さんと一緒に見ていると、なんかこう、なんか・・・・・・ムカついて来た。
お前これまで何してたの?いや、結論を出すにはまだ早い。多分八木さんと最近出会って何か影響を受けたんだろう。
「昼飯差し入れしますよ、何がいいですか」
「いやいやいや、流石にお金は出すよ!と言うか私が買ってくるから!」
「いや、彼の指導してるの八木さんでしょ。突然現れた俺のアドバイスも聞くとは・・・あ、さっき聞いてたけど。それでも初対面の相手よりも見知った相手といる方が集中できるでしょうしね」
「うーん、また確かに。それに親切心を断るわけにも・・・よし、買ってきてもらおうかな!」
「何買って来ます?食べやすいハンバーガーとか、コンビニ弁当とかです?」
俺の質問に「ちょっと作戦会議してくるね!」と言って緑谷君の所へ向かい、そのままゴミ山の蔭へと消えて行った。
待っている間暇だったのでスポドリを飲んでいると、緑谷だけが出てきて、その後の金髪の巨漢が現れた。
ん?んん?天を突くような二つの前髪、濃ゆい笑顔、体に刻まれた筋肉の影、さっきまでの八木さんと同じ服装・・・
どう見てもオールマイトじゃないか!思わず噴き出したわ!
ああ、なるほどね。最近追っかけてこないと思ってたらそうか、緑谷の修行に付き合ってた・・・いや、修行させてたのか。
緑谷、オールマイトに目をかけられるとか。お前どんだけ運に恵まれてるんや。
「え、あ。八木さんは?」
「私!オールマイトが、八木俊典だ!」
マジかよ、マジかよ・・・ガリガリ八木おじさんがオールマイトの正体?マジかよ・・・つーか緑谷、「え、オールマイトってそんな名前だったんですか!」って驚いてるとかどういう事なの。
「変身出来るんですねまさにヒーローじゃないですか!」
「うむ!だけど誰かに見られるわけにもいかないからすぐに戻るけどね」
マッチョマイトが一瞬で煙を立ててガリマイトに変身した。スゲェな、質量変わってんじゃん、体格とかガリからマッチョまで五倍くらい差があるぞ・・・
「ま、まあこの事は黙ってます。メニューの方は決まりました?」
「君は私の正体を知っても変わらないね。いいね!そういうの!」
「天下のオールマイトにも私生活がありますからね。八木さん」
グッと親指を立てて言うと八木さんも同じように親指を立てて来た。
「そうだ、これが今日の昼のメニュー。そしてこれがその分のお金だ」
「え?いや、緑谷君のファンなんで奢らせてください」
「え?う、うーん。緑谷少年、どう思う?君のフォロワーが奢ってくれるって言ってくれてるけど」
突然話を振られたのに驚いたのか「えっ、あ、ぼ、僕ですか」と俺と八木さんの顔を行ったり来たりしている。
「緑谷君、この街の代表って言うにはショボ過ぎるけどお礼くらいさせてくれ」
「え、えっと。星遠君って何歳?」
突然の質問に「中三」と何気なく返すと「同い年ッ!」と面白い顔をしながら叫んだ。
身長は172くらいでそんなにデカくないけど年上に見られたのかね。そう言えばフラッシュライトスレには「高校生くらいに見える」という書き込みもあったけど黙ってたからだと思ったけどなんでだろうな。
「えっと、じゃあ。お礼とかはいらないから・・・友達になってください!」
「・・・そんなんでいいの?じゃあ改めて。星に遠い、輝くに永いで星遠輝永です」
「え、ええっと。緑に谷と出ると久しいで緑谷出久です」
右手を差し出すと握り返してきてくれた。握った手を上下に振りながら笑っていると「えへへ」と照れた感じで笑う緑谷、なんだこいつかわいいな。
「よし!話もまとまった所で星遠君、改めてこれを頼むよ」
「では、星遠デリバリーサービス行ってまいります!」
オールマイトから渡されたメニュー表と札束を手に自転車へと走っていく。
なんというか、これでオールマイトに俺とフラッシュライトが別人だと思ってくれれば万々歳ではあるが。世の中そう簡単に上手くいくかどうかも分からないしなぁ。
そしてメニューに書かれた焼肉用の肉と、塩胡椒と焼き肉のタレを買って戻るとどこから持ってきたのかバーベキューコンロを囲んで他愛無い話をしながら少し早い浜辺の焼肉パーティーと洒落込んだ。
おかげで緑谷とも仲良くなれたし
デク君と知り合った。
オールマイトトゥルーフォームを知った。
オールマイトのおごりで焼肉食べた。
八木俊典はオールマイトの本名として公式キャラクターブックに小さく載っていましたので使わせていただきました。
ヒロアカ作内でも俊典の名前はグラントリノから出てきましたが名字の方が明かされなかったので謎でしたがこういう所で明かしていくのか(困惑)